プロローグ 8人の戦士
これまで書いた小説を元にした作品です。
では、プロローグをどうぞ!
ゴッドエデン。そこは神々達が住んでいる世界であり、多くの世界を管理している中枢機関でもある。
そんなある日、議会場では多くの神々達が集まっていて、ざわつきがよく聞こえていた。ほとんどが重大な事を認識しているが、中にはソワソワしたり、ガタガタ震えていたり、既に失神して倒れかけている者もいる。それぐらいこの会議は重大な事と言えるだろう。
神々達が不安な様子でざわつく中、一人の若い男性が姿を現す。年齢は若くても25歳ぐらいで、赤い短髪の髪をしている。しかも、高貴な服を着ているのだ。
その姿を見た一人の神がハッとして気付いた。
「カーン様だ!敬礼!」
「「「おう!」」」
神々達が一斉に敬礼してしまい、カーンは思わずずっこけて前のめりに転んでしまう。そりゃ、あんな行為をしたら誰だってずっこけるし、ヒクヒクするのも決まっている。
「ちょっと待て!軍事国家じゃないんだぞ!なんでそんな事をするんだよ!」
「いや、つい癖で……」
「癖で済む問題か!まあいい。本日集まったのは他でもない。実はとある勢力が動き出したのは知っているな?」
カーンが起き上がった後にこの場にいる神々に対して説明し、彼等も一斉に頷く。
アークスレイヤーは皇帝ザルバッグによる侵略活動が活発化していて、神々達も悩みのタネとなっているのも無理はない。
「ええ。この前はクエスタリアで一人の男性が殺害され、取り巻きの女性達は連行されて奴隷にされてしまいました。それによってクエスタリアは滅んでしまいましたからね……そうなってしまうのも無理もないと思いますよ」
一人の神の話に一部は俯いてしまったり、悔しさで拳を握り締めていた。自身達がこの状況に介入できない事に悔しさを感じるのも無理ない。
カーンでさえも自身が介入できないこの問題に怒りと悔しさを心の中で秘めているのだ。
「そうだ。奴等の侵略行為はもう我慢ならない。私は奴等を倒す為に色々調べていたが、一つだけ方法がある」
「それは!?」
「お前達の手で選ばれし8人を探す事だ」
「「「選ばれし8人?」」」
カーンからの説明に神々達は一斉に疑問に感じてしまう。思わなかった仰天展開にキョトンとするのも無理ないのだ。
「その通りだ。しかし、お前達はまだ分からない人もいるので説明しなくてはならない。ロスト!ウィンドウを開いてくれ!」
「はっ!」
カーンの合図と同時に、青髪の若い男性であるロストが姿を現し、自らバングルを起動させてウインドウを召喚する。
すると、その説明内容が映し出され、神々達は一斉にウインドウに視線を移すと、説明の内容についてはこう書かれていた。
・各神々の手で自ら選んだ8人を探し、私に報告してくれ。編成については何でもいいが、歴史上の偉人を一人入れるのが条件となる。(但し他は誰でも良い)
・人数が揃い次第、カーンから3つの試練を与えるが、試練の内容は共通試練が一つ。後はそれぞれ違う内容となっている。
説明の内容に誰もが頷く中、一人の神が手を挙げる。
彼の名はアポロン。ギリシャ神話の神々の一人であり、イケメンの優男だ。勿論実力もトップクラスである。
「では、その試練に合格したらどうするのですか?」
「先着16組が最強チームを決めるトーナメントに参加し、優勝したチームが神器となる武器を手に入れる。そして……彼等でザルバッグとの戦いに挑むという事だ。次はその内容を説明する」
するとモニターの画面が切り替わり、次のルールが映し出される。
・トーナメントに漏れてしまったチームはその場で失格となる。解散についてはそれぞれのチームの判断で決めておく事が許されている。
・優勝したチームがヒーローズエイトとして認められるだけでなく、神器となる武器を手に入れる。
・ヒーローズエイトは責務としてザルバッグとの戦いに挑む。
更に画面が切り替わり、違反ルールも映し出される。
・選ばれし戦士達であるまじき行為が発覚した際、その場合はチームの連帯責任となる失格だけでなく、戦士達の称号を剥奪してもらう。
・裏切り、アークスレイヤーに加担、勇者にあるまじき行為などが該当。それ等が発覚した際は元凶者は死を以て償う必要がある。
これ等の説明に神々達は不安な表情をする者が多いが、中にはやる気に満ち溢れている者もいた。また、事前にメンバーを集めている者までいて、その様子にカーンは納得の表情をする。
しかし、中には違反ルールの内容に震えてしまう者や気絶する者まで続出しているだけでなく、何故こんな事をするのか気になる者もいる。その様子にカーンはため息をつくのも無理はない。
「今の説明に不満する者が出るのも無理はない。では、何故この様な事をするのか説明するとしよう」
カーンは一冊の本を魔術で召喚して読み上げる。そのタイトルは「異世界八犬士伝説」というタイトルだ。
数十年前、カルロラードという西洋世界の異世界で、野蛮な軍勢であるマハロが次元侵略を行おうとしていた。それによって多くの国や村などが滅びるという事態が起きていた。そこで現れたのが……日本という世界から来た八犬士だ。犬塚信乃、犬川荘助、犬山道節、犬田小文吾、犬飼現八、犬江親兵衛、犬坂毛野、犬村大角の八人だ。
彼等はこの状況を察してマハロに立ち向かい、見事倒す事に成功。それによってカルロラードは平和になり、今では八犬士達の銅像が建てられているのだ。
カーンからの話を聞いた神々達は一斉に納得し、自身のやるべき事に集中する事を決断した。
「だが、アークスレイヤーも黙ってはいられない。お前達の妨害もしてくる事もあり得るが、油断ならない様に心掛けてくれ。では、解散!」
「「「はっ!」」」
こうして議会が終了し、神々達はそれぞれ議会場を後にした。
※
「大変な事になりましたね……」
その後、神の一人であるメディアの屋敷では、メイドのリリアが彼女の前に紅茶とドーナツを用意しながら話をしていた。
「ええ……けど、アークスレイヤーを止めるのがこの方法しかないとしたら、私はそれに賭けるしかないわ」
「そうですね。でも、メンバー集めについてはどうしますか?」
「それなら手があるわ。トラマツ、ノースマン!」
メディアの掛け声と同時に鎧を纏ったトラ猫と、青い狼が姿を現す。トラ猫の方がトラマツで、狼がノースマンだ。
「メディア樣、何の御用でしょうか?」
「先程、カーン様からアークスレイヤーに対抗できる唯一の策を受けられたわ。8人の選ばれしメンバーを集めるという事よ」
「そのメンバーについては決められているのですか?」
「ええ。調べてみたところ、このメンバーが適任しているわ」
メディアはトラマツに選ばれし8人のリストを渡し、彼はその内容を確認する。
「分かりました。必ず彼等を連れてきます!」
「では、お願いね!」
トラマツとノースマンはそのまま駆け出し、選ばれしメンバーを探しに向かい出した。
「彼等なら大丈夫ですし、私達は見守りましょう」
「ええ。いい報告が楽しみね」
メディアとリリアは駆け出した二人の事を信じつつ、彼女達はドーナツを食べながら会話をし始めた。
※
トラマツとノースマンは選ばれし8人を探す為に旅に出た。そして、彼等と出会う時……物語の始まりが告げられようとしていたのだった。
いよいよ本番!ヒーロー達の戦いを見逃すな!
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