プロローグ
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ユードリアン大陸の西の大国ランドルアーノ。
この国には最西に大きな森がある。そこは、大量の魔力を含んだ魔樹が生えており、その森に一度足を踏み入れれば、体力や魔力が枯渇していたものが立ち所に魔力、体力ともに取り戻す。
ただし、森に生えている魔樹やその他の植物などを切ろうとしたり、悪しきことに使おうとすると、忽ちに体力、魔力が吸い取られ、動けなくなることや、その地域にはいないはずのレベルの高い珍しい魔物がその森には多く住み着いていたため、その森は神の庭であると思われ、人間達からは神聖な森として大切にされていた。
魔物とは、魔力が強い動植物であり、強いものほど賢いものが多い。最高峰クラスの魔物は聖獣と呼ばれ、神の御使、神そのものとして祭る国もある。
また、魔物の主な主食は魔素であり、摂取方法は、魔樹などからなる実、別の魔物の肉、大気内の魔素を吸収するなど様々である。
魔素を含んだ人間の肉を好む魔物も多数おり、村や集落を襲うこともある。その場合は、国からの討伐隊や冒険者ギルドから派遣された冒険者達が魔物討伐を担う。
魔物への対応は時や地域によって様々であるが、ランドルアーノ最西の森に住む魔物は主に森に充満する魔素を吸収しており、地域の人間達とも争うなどのことはなく、互いに森を大切に守るもの同士、良好な関係を築いていた。この関係を保つための重要な存在が森とその周りの地域を自領とし、優秀なテイマーを輩出することでも有名な領主一族とその一族を師と仰ぐ一門の者たちである。
この一族と一門が魔物達と領民たちの間を取り持ち、森を守ることで、森は静穏を保てているのである。また、この時代の領主は歴代でも随一と言われた優秀なテイマーであり、領民達からも、一族一門の多くからも崇拝されている。
このお話は、この優秀な領主の生からの死までの物語…ではなく、テイマー一族の繁栄の物語…でもない。
この領主がとある場所から拾ってきた子ども、名をアルカ。
この子ども、アルカがあっちへ行ったりこっちへ行ったりする話である。
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