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星空学園のエピローグ

作者: きりがない

 私達は壊れた宇宙船を発見した、おそらく隕石との衝突による破損だろう、中の状況は最悪だ、予想していた通り地獄が広がっていた、物資はまだあるのにも関わらず、酷い惨状が広がっていた、おびただしい血液の痕跡が広がっている、おそらくココで殺し合いが起きたのだろう、毒物すら検知された、生存者など居ない・・・誰もがそう思った中一人だけ生存者がいた、その少女はこの緊急時用の後催眠を発動して何とか生き残ていたみたいだ、この非常事態において冷静さを保つなど普通は不可能だ、ましてや迫りくる死の恐怖を抑えつつギリギリまで隠れてやり過ごすなんてできるわけがない。だからこういうケースに備えて後催眠が用意されていた


 この少女が助かって良かったのだろうかと思ってしまう


 私は一人でも助けたかった、だから私に後悔は無い、何度でも同じ選択をするだろう、しかしソレでも思ってしまう、この少女はこれから先幸せになれるのかと、後催眠の影響で今は落ち着いているがソレはこの先永久に続くものではない、催眠が解けてきたら、船で起こった事実と嫌でも向き合わないといけなくなる、過去に起きた似たようなケースの場合ほとんどが自死を選んでいる、仮に生き延びたとしても精神カウンセリングは欠かせないし、まともな精神状態にはなれないだろう、加えて緊急用の後催眠を発動したケースはまだない、過去にあったのは助かる前提で使われる催眠コードだ、今回のようにただパニックを回避してせめて暴動を防ぐ為だけの催眠コードが使われたとなれば、色んな人がこの少女に会いに来るだろう、根掘り葉掘り無神経に質問するために・・・・・・

 それでも私は願いたい、地獄を生き抜いたこの少女にせめてこれから先少しでも多くの幸あれと





   -宇宙航海日誌-

9月14日

 地球を出て今日で1年目、物資が減ってきた中で救難信号を拾った、地球を出た他の移民船だろう、ココで航路を変えるのはあまり良くない、予想外のトラブルもあったため今航路を変えた場合、最悪目的地にたどり着けない可能性が出てくる、しかし私は船員を説得し救助に行く事にした、逃げ場のない宇宙船の中でのトラブル、それも船の修理が不可能なほどの事故に見舞われた場合、船の中は地獄に変わる、最悪そんな暴徒と化した人々が押し寄せてくるかもしれないが、それでも私には見捨てることはできない、甘いと言われるかもしれないが、私の性分であり変える事の出来ない事だ、今はまだうまくいってるが、いずれ私はこの性分に殺されるだろう、ソレも最悪多くの人を巻き込んで。ソレを承知でなお変わる気が起きない私は本当に愚かで救いがたい人間だな


9月20日

 救難信号と船の状況を伝える通信が完全に途絶えてしまった、向こうの状況が分からない、こちらが救助に向かった事は伝えたはずだが、おそらく暴動が起きている、今向こうの船の中は地獄と化しているだろう、急ぎたいが、さすがにココでこれ以上船の推進剤を使うという選択肢はない、そんな事をすれば完全に共倒れになってしまう


9月22日

 私の船のオペレーターの一人が偶然向こうの船の乗組員と通信がつながった、どうやら船の通信網を経由した携帯電話の通信が生きていたようだ、あるいは向こうの船には通信機を使える人が居ないのかもしれない


9月24日

 向こうの乗組員は緊急用の後催眠コードを使用したようだ、学校という状況を利用した催眠コードは集団生活をするうえで有効な催眠だ、ただし船の修理能力や維持能力が格段に落ちてしまう為、あくまでパニックを防止するために用意された、本当に最後の手段だ、コレが使用されるほどの状況なのだろう


9月26日

 向こうの状況は良くない、携帯の通信から入ってくる情報によれば船内アナウンスが何度もなっているらしい、もう猶予は無い、間に合わないかもしれない


9月29日

 向こうでは避難訓練が起きた、後催眠コードの説明によればコレは本当に危険な状況だ、気圧を保つために気密漏れのある通路や大半のエリアを封鎖して一部の部屋の与圧を維持するだけの状況


9月30日

 生存者を一人発見したが、他の乗組員は全滅していた、しかしコレでよかったのだろうか、彼女はこれから先催眠が解ければこの船内で起きた地獄と向き合わないといけない、友達や親はきっと彼女の中ではまだ生きている、だが後催眠が解ければそんな親や友達を再度殺す事になってしまう、ソレを承知で私は思う、生きていてよかったと


っということでこれが真相でした

一応伏線としては主人公は自分で作り出した催眠世界にいたので友達である夏雨ちゃん以外は全て自分の知っていることしか出てきません

逆に夏雨ちゃんだけは本物なので主人公の知らない話ができるというわけですね

以上ほぼ誰も読まない後書きでした

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