プロフェッサー・エルベール(6)
更新いたしました。
「いいか、今まで人類の進歩は・・優秀な人材が進めてきた創造力も研究も有限である命にが尽きることで全てが次世代に受け継がれる事なくリセットされてきた、しかしこの有機体である身体を捨てることで無限の時間この世界の深淵について研究できる・・素晴らしい事じゃないか!」
ブラックの姿をしたプロフェッサー・エルベールがカプセルを見つめながら信彦に話しかける。
「無限の時間研究し続ける?、人の身体を失ったお前に・・いやプロフェッサー・エルベールのコピーでしかないお前に人の持つ有限だからこそあがき閃く発想や発見ができる訳がない」
「ふ、コピーか・・天才達がだけが持ち得るGuardianでは説明のつかない理論を超えた閃きという現象の事か、Guardian計画において最大の目標は只の未来予想ではなくその閃きをGuardianにも与える事だった」
「そうだ直感とでもいうべきこの世界の深淵に近づく為の大いなる力だ」
「そうだ、お前の様な天才に私が何度・・嫉妬していたかわかるまい、私が人間の身体を持っていようとももはや輝くような閃きは降りてこぬ・・ならばこのGuardianの身体になる事に何らためらいは生じなかったよ」
「プロフェッサー・エルベール・・貴方も十分に天才的科学者だったではないですか」
「私は君たちを見つけプロデュースしていただけに過ぎない・・、私の能力では今ある知識や技術を使いあのような中途半端な軍用Guardianを作成する位だよ・・、あの次世代型Guardianには遠く及ばない・・」
「エルベール・・、君の真の目的はこのGuardian中心の世界の先に何を求めている?」
「私は最初はただ名声を求めていた、その為にはあらゆる手段を講じた・・、あらゆる科学技術がその手段であり道具でしかなかった・・、しかしGuardian計画が進むにつれ私を利用し私が利用していた世界を支配していた者達をGuardianに置き換えた方がより効率的ではないかと考えるようになったその為にこのブラックと服従システムを利用する事を考え実行したのだよ」
「その為に君の娘を犠牲にしたのか」
「その時点では次世代型Guardianははるか遠くにあった・・、どうしても今あるGuardianで全てのGuardianを育成マスターとして統べるには不定形型Guardianを統合しマザーを作成する必要があった・・ただそれだけだよ」
「君が今回使ったシステムより、かなり劣っていたのではないのか・・」
「完全な試作型だったからな・・、二度と目覚めることは無かったよ・・」
「・・、悪い事は言わん、人をGuardianに移す行為はもうよすんだ」
「ああ、再び次世代型Guardianを作成出来たならお前で最後にしてやるよ」
そう言うと研究用作業部屋は睡眠ガスに包まれていった・・。
次回、ジミニー達の活躍にどうかご期待ください。




