人のいない街(4)
御一読よろしくお願いいたします。
ジミニー達は街の郊外山のすそ野を歩いていた。
「あの洞窟かい?」
「はい、間違いありません・・あの奥にイチローに言われた備蓄用保管庫があるようです」
イチローが最後に使われてない人間用の備蓄保管庫の場所をジミニーの為に教えてくれていた。
「ありがたいよ、海底の研究所から持ち出せた食糧はあまり無かったから・・海や森の中で狩りや散策をしたりせずに済むよ」
「少しだけ水と食料をもらってまず先に島を探せる所まで登ろう」
「はい、しかしイチローの話から推測すると島は見つからない様に光学迷彩等様々なステルス装置が作動している可能性があります・・」
「そうだね・・、でも確かめる為にも登ろうよ」
二人は山道を見つけ登って行った。
「イチローさんはおんの事を始まりのGuardianであり、人の携わった最後のGuardianだと言ってたね」
「はい、確かに私はプロトタイプですが他のGuardianシリーズがバージョンアップする際にも研究に使われていたと推測されます、私のフィルターが外れていくともっと答えられる正確な情報を提供できると思いますが・・」
「でも、フィルターを外すのは育成マスターがしっかりしていないといけないみたいだね、自信無いけど・・」
「そんなことはありません、ジミニーは確りしています。・・あ、この辺りで高さ的には問題無いようです」
おんは、海の方に向かって測定を始めた
「ジミニーやはり島は見つけられません、やはり光学迷彩がなされていると考えて良いと思われます」
「そうだよね、10年以上あの島は平和だったんだ見つからない様にいろいろ工夫しているよね」
「ジミニーそれと、どうやらここも中規模程度の島の様です」
「え。ここも島なのイチローさんは街に人とGuardianシリーズが訪ねてきたことが他のGuardianシリーズに知れると何が起こるかわからないからこの数時間の記憶を消すと言ってたしね」
「はい、正しい判断だと思います」
「平和になったらまた訪ねてくれ、しかし訪ねてきた時に自分がイチローを名乗らなかったら敵になったと思ってくれって言ってたし・・あの街にも行けないよな~」
「それも正しい判断だと思います・・」
「困ったな~」
「ジミニー、では先程の測定でカプセルの航続距離でギリギリ行けそうな距離に大陸と思われる陸地を見つけましたが行ってみますか?」
「わかった、保管庫に寄ってからカプセルに戻ってみよう」
二人は新たな目的地を決めて歩き出した。
2人がカプセルで無事出航して数時間後・・
「誰だお前たちは」
イチローは身構えた。
「ふふ、何度も会ってるじゃないか・・ああ、記憶を消去してるからな」
そして次の瞬間イチローは動かなくなった。
(偵察衛星から人らしき物が捕らえられたとの報告でわざわざ立ち寄ってみたが・・面白い我々以外にGuardianシリーズの記憶を消去する者が居るとはな、小型の潜水艇を使っていたようだが面白くなってきたのかな・・)
クリスタルでできた人形のようなそれは冷たく微笑んでいた。
「人のいない街」の章はここまでです。
次章は来週末に更新いたします、よろしくお願いいたします。
 




