白い砂漠(8)
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「随分と早い帰還だったではないですか・・、まさか、撤退してきたのですか?」
「申し訳ありません・・、Guardian Serialnumber000999 アイドが敵対し一体撃破されました」
深々とムササビ型軍用Guardianはマザーに頭を下げた。
「まあ良い、こちらも戦力の再編成を行わなければならないという事だ・・」
プロフェッサー・エルベールがムササビ型軍用Guardianを睨みつけながら答えた。
「拿捕した深海探査船には、信彦と光子が乗船していたと報告が入っておりますよ」
マザーの言葉にプロフェッサー・エルベールは。
「やはり、Guardian Serialnumber000000の次世代型への改修にはあやつらが関わっていたか、・・私のこの身体はもう長くはもちそうにない」
「では計画通りに・・」
「ああ、更にお前にあの二人の持つ知識を取り込ませねばならんな」
そう答える青白い顔をしたエルベールのその瞳が深淵の奥底を見つめるがごとく光っていた。
「びっくりしたよ、まさかアイドに分裂して戦うなんて」
アイル達に合流したジミニーはアイルに会うなり口に出していた。
「驚いた?・・元々アイと同化していた時に分裂していたのだからアイドとでも出来ると思ってたのよ」
「無理矢理に新しい人格を作成されていましたからね」
おんも自分なら御免被るといった表情で首を横に振りながら話しかけてきた。
「次世代型って何でもありだな」
イチローも呆れたように言った。
「僕達の身体はそもそも分裂などしませんから・・」
ジロウも遠い目をしながら答えた。
そして・・やや遅れてアイドが合流してきた。
「・・姉さんちゃんとやってきたよ」
アイドのその言葉にジミニーは思わず吹き出して笑った。
そしてつられるようにイチローがジロウがおんがそしてアイルが笑った。
「なんだよ・・?」
笑われる事に意味が解らないアイドは当惑していた。
「アイド、御免ね・・良くやったわ、私は慣れていたけど他のみんなは初めて私達の会話を聞いたから・・前のあなたからのギャップが激しく感じて笑いが出たのよ」
そう言うアイルもまだ笑っていた。
「そう受け答えをしろって言ったのは姉さんじゃないか・・」
困った顔をしているアイドにイチローが。
「まあ、なんだこれからはよろしくな」
そう言って右手を出した、戸惑いながらもアイドはイチローと握手を交わした。
「私達をこれからもどうかよろしくね」
そう言いながら姉らしく深々とみんなに頭を下げた。
あまりにも人間的なGuardian達の姿にアイドはこの心地よさが自分がこれまでに経験が足りてなく姉が学んだ経験の一部なんだと・・。
「笑ってごめんね・・アイド、よろしくお願いいたします」
手袋を外し右手を差し出すとジミニーもアイドと握手を交わした。
白い砂漠の章はここまでとなります。
新章での南極で繰り広げる新たなジミニー達の活躍にご期待ください。




