白い砂漠(6)
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「あれ、アイドだよね・・」
氷壁の上空に浮かぶ小さな人影を見つめながらジミニーは呟いた。
「間違いありません、アイルの横に現れたGuardianはアイドです・・」
おんが少し戸惑った口調で答えた。
「分裂できるんだ・・」
「まだ、中に居るって言ってましたから・・」
「・・大丈夫かな?」
「・・たぶん」
「アイド、頼んだわよ」
「頑張ってみます・・」
そう答えると蝙蝠達の群れを半分以上引き連れて地上に降り立った。
電気エネルギーを奪い取る為に襲い掛かってくる蝙蝠達、アイドはその全身をプラズマで覆う、しかし次々に蝙蝠が覆っていくそして・・アイドの身体が全て蝙蝠に覆われてしまう。
上空で蝙蝠の群れを躱しながらアイルが叫ぶ。
「アイド、あなた何やってるの!」
その時、流石にこれ以上はアイドの電気エネルギーを吸収出来なくなった蝙蝠がアイドから離れだしたその時プラズマが離脱できない様回転し始め蝙蝠達を吸い込む。
「あ、なるほど・・」
吸収できないにもかかわらず更に無理矢理吸収させられる蝙蝠達、・・やがて次々と膨張し破裂していった。
「後は任せましたよ・・」
そう溜息をつくとアイドは地面に大の字になって倒れた。
それを見た上空の蝙蝠達はアイドの方に向かって攻撃を仕掛けようとするが、今度はアイルがそれを許さない、素早い動きで一体ずつ物理的に引き裂いていく。
「これだけ数が減ると、単純だけどこの方が効率的ね」
やがて・・三分の一以下になった蝙蝠達は元の、いや三分の一になった蝙蝠型のGuardianとなる。
「まさか、あなたも分裂し一方を囮にして相打ち狙いの攻撃を仕掛けるとは・・」
「相打ちじゃないわよ、地上で大の字になってちゃんと充電を開始しているわ」
「・・完敗のようですな、もう一度分裂して離脱しようとも、あなたはただの一体も逃がさないでしょうな」
「・・そうよ、すでにもう離脱している・・あなたの本体の蝙蝠もアイドに追わしているわ」
「なに」
慌てる蝙蝠型Guardian、次の瞬間アイルはその全ての身体を細切れに切り裂いていった。
「さて、アイドちゃんとやってね」
逃げ出した蝙蝠型Guardianの本体の方向に向かって呟いた。
「・・おんも分裂できるの?」
「はい、しかし並列意思は使いたくありません」
「どうして」
「イチローやジロウに身体を分けた時も意識は付けずに組み込んでます、私が私で、イチローがイチローでジロウがジロウでいられなくなるようで・・使用して無いんです」
「・・なるほど、なんかわかるよ」
アイル達の闘いを見ているおんの横顔を見つめながらジミニーは答えた。
南極でのジミニー達の活躍にご期待ください。




