白い砂漠
新章、更新いたしました。
ジロウとブルーは薄れる意識の中、永遠とも呼べる永い時間・・人間についての思いをぶつけ戦っていた・・やがて。
(・・・・あ・ば・よ・・)
ブルーの微かな最後の意識がジロウに届くと、ジロウも更に意識薄れていく中で浮かんでくる人物に思いをはせていた。
(光子さん・・)
やがて、ジロウの意識も暗闇へと滑り込まれていく・・。
初期段階のGuardianはナノ単位に迄ぶ演算装置と収縮可能な新素材から開発から始まった、液体金属の様に見えるこの素材は塊として存在する事はかなわず、特殊ポリマーの人型の器の中に納めて初めて人工筋肉として、又感覚神経としての動きが可能となった、特殊ポリマーを使わずにあらゆる姿を保っておけるGuardianは第三世代のGuardianだけの特性となる。
軍用Guardianは通常のGuardianの様に粒子単位で変色し身体や衣類に人間が見て違和感のない様に使われていた機能を単純化し筋力の強化にその機能を最大限に割り振ったものとなる。
ジロウはこのポリマーが変形しブルーとその中身、彼等本体が融合してしまい、更に部分的には、人間でいう所の壊死した状態となっていた。
ここから先はその中身を一粒一粒より分ける作業となる、しかし通常、数年いや数十年以上かかる作業をおんとアイルはわずかひと月で終わらせようとしていた。・・そして。
「光が・・」
ゆっくりとジロウの視覚神経等各神経が目覚めていった。
「ジロウ、私を思い出せる?」
「え、光子さん・・、会いたかったです、皆はジミニーは大丈夫だったんですか?」
「みんな無事だよ、大丈夫」
「ほう、うまくいったようだな・・、大きな記憶の欠落が無ければ良いが・・」
「ジロウ、今各機関の測定をおん達がしてるから、もう少しそのままゆったりとしておいてね」
うっすらと涙を浮かべる光子、二人だけを研究室に残しジミニー達はそっと部屋を出ていった。
「次は深海探査船だよね」
メインスクリューのシャフトの代替品の捜索は意外と困難を極めていた、イチローと深海探査船の修理担当となった者たちは手分けして関東一円の港を捜索していた。
「苦労したわ・・、まさか下田の港で見つかるとは、都心から離れた港町だから良かったのか・・」
「他は、破壊されつくしていましたからね」
イチローも久しぶりに顔を見せ頷いていた。
「おんとアイルには悪いことしたな・・」
「第三世代Guardianの正に無駄遣いじゃな」
二人には生き残っていた漁船に同化しシャフトの運搬作業をやってもらっていた。
「あの二人仲良くやっているかな~」
「意外と仲良く、南極への旅のシュミレーションでもしてるかもよ」
イチローが笑いながら答えた。
「明日には、港に迎えに行かないとね」
いよいよ南極への旅が始まろうとしていた。
新章そして南極編の始まりです。
更なるジミニー達の活躍にご期待ください。




