凍結された想い(6)
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「どう、動きそうかい」
「昔は、これで良かったのに・・、私の認証が初期化されているようです・・」
無事だった裏の搬入口から入り込もうとしていたのだが、おんの認証が通じなくなっていた。
「これは、破壊するしかないだろう」
アイルがジミニーに同意を求めているとおんが、何かを感じ取る仕草を見せた。
「何か、人らしきものが近づいて来ているな」
アイルも同じ様に反応を感じとっていた。
「え、人が近づいて来ているの?」
「はい、ふもとに4、5人こちらに徒歩で近づいて来ています」
「これは、かなりゆっくりだぞ」
「このまま待っていようよ・・また、おんを知っている人かもしれないよ」
「ここに、迷わず向かって来ているならその可能性が有ると思います」
そしてジミニー一人を搬入口に残して驚かせない様に隠れて見守る事となった。
保存食や飲料水を飲みながらジミニーは待った、しかし現れない・・あまりにも時間がたちジミニーが不安になり思わず独り言を言ってみる。
「本当にここに来るのかな~途中の場所に用事があるんじゃ」
すると、小声でおんとアイルが。
「そこまで来てるよ」
「声が聞こえます、もうすぐです」
驚き耳を澄ませると、ぜいぜいと発する呼吸音と重い足取りの人の歩む音が聞こえてきた。
「大丈夫ですか」
思わずジミニーの方から声を掛け近づいて行った。
「ジミニー!」
「おお、ジミニー大きくなって」
木々の影より見えてきた懐かしい人々の姿にジミニーは涙で顔を歪めながら駆け寄った。
「おじいちゃん、おばあちゃん」
いつも呼んでいた様に時が戻ったかのように・・。
「初めまして、Guardian Serialnumber000999、アイルと申します、皆様方に会える日を楽しみにしておりました」
お辞儀をしながらアイルが皆に自己紹介をすると。
「初めてお会いする方もいらっしゃいますので・・、Guardian Serialnumber000000、おんと申します、以前はレイと呼ばれていました」
おんもお辞儀をしながら皆に挨拶をした。
「レイ・・、今はおんなのね、Serialnumber000999 あなたがまさかここにジミニーと一緒に居るなんて想定外のおどろきだわね」
光子はツインテールの美少女を見ながら話しかけた。
「色々な出来事があったんです」
おんが告げると、いきなりジミニーに。
「ねえジミニー、久しぶりにあなたの料理が食べたいわ、中に入ったら厨房があるから私達に料理をふるまって、その間にレイ・・、おんから話を聞いておくから」
そしてサイドカーを見つめながら。
「イチローとジロウ?ね、どうするか皆で話し合っておきたいし・・」
「わかった、頑張るよ」
「久しぶりの料理ね」
笑いながらアイルが答えるのを見て。
「じゃあ、アイルちゃんはジミニーを手伝ってあげてね」
久しぶりの料理にジミニーはわくわくしながら皆とシェルターに入っていった。
次なる戦いに向かうジミニー達の活躍にご期待ください。




