凍結された想い(5)
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「これを運転するの?」
側車に乗っているイチローが墨のような体ですまなそうに。
「悪いな、この状態じゃどうにもならん」
アイルに後ろからつかまってるジミニーも・・。
「向うのサイドカーも、過積載なんだよ・・」
少女化したおんを見つめながらアイドは。
「向うは確かに乗りにくそうね」
ジロウとブルーだった巨大な塊見つめながら溜息をはいた。
「本当にぼろぼろになりながらの勝利だったのね・・、しかしSerialnumber000000もすっかり可愛くなちゃって・・」
「え・・、ありがとうございます」
元の姿に戻ったおんにアイルが変な敵対心を持たれてないかと心配しながら答えた・・。
空気を読めないのか読まないのかジミニーが唐突に思いついた質問をアイルにしてきた。
「アイドは完全に消滅してるのかな?」
「え、消滅はしてないわ、変な夢から覚めて私の中に閉じ込められているて状態ね」
「あ、居るんだ・・」
「大丈夫よ、駄目な弟を一から教育しなおしているから・・」
「・・そうなんだ・・」
ジミニーはなんだか少しだけアイドが気の毒に思えていた・・。
「頑張って!、後30㎞位よ」
光子は皆に声を掛ける、比較的元気な老人達で筑波に向かったのだが・・やはり100㎞弱の道のりは彼等には厳しい道のりだった。
「少し、休憩しないか・・」
「30分前に休憩したばかりよ・・、ジミニーに格闘技を教えていた元気は何処に行ったの?」
「そんな日もあったな・・、やはり狭い潜水探査艇の中では体力が削られてるよな~」
「まったくだ、元の体力には程遠い・・」
「リハビリと思って頑張って・・」
「全く歩くだけしか移動手段がない世界になるとはな・・」
「次の集落で寝床を又探すから頑張ってね!」
どうやら筑波の研究所に着くには後もう1日はかかりそうだった・・。
「ここが光子さんの家が有った場所なの?」
無数のクレーターにより街は見る影もなかった。
「あそこに山が見えるでしよ」
おんの指をさす先に山すそが大きく削られた山があった。
「あの山の中腹に研究所が在ったのですが・・、その奥の横穴の先にシェルターが有るはずです、あの感じではシェルターは無事だと思います」
「じゃあ、掘り起こそうか?」
「裏山は無事みたいですので、裏の搬入口が使えるかもしれません、行ってみましょう」
「あ、やっぱり駄目か・・」
アイルが残念そうに呟いた。
「どうしたの?」
「神の矢を折角使えるみたいだから南極上空に移動してたら撃ち落されたの・・、やり返してやろうと思てたのに・・」
「そりゃあ、マザーは慌てていただろう・・」
「南極大陸は要塞化されているから、少しでも戦力を落としたかったんだけどね」
舌を出して上空を見つめるアイルにおんは先程とは別の不安を感じていた。
次なる戦いに向かうジミニー達の活躍にご期待ください。




