Land of the Rising Sun (7)
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どうかご一読よろしくお願いいたします。
「おねえちゃん、やっと村に出れるね」
海人は嬉しそうに姉の芽衣子の手を引っ張りながら坑道の出口へと向かった。
彼等、大戦の生存者はこの昔使われていた鉱山の坑道を改造した住居で暮らし、その人数は数千人の規模にもなっていた、しかしこれだけ多くの人々が避難して暮らしている事がGuardianに見つかると攻撃の対象、又は人間狩りの対象となるその事を恐れて隣接する村には一週間交代で数十人暮らし、その時に農作業と坑道内の明かりと空調をもたらす僅かに残された村の住居のソーラーパネルのメンテナンスを行っていた。
「海人、例え子供でも仕事は有るのよ、炭鉱の入り口で日の光を浴びている時とは違うのよ」
初めて村に出かける事になった海人は期待に胸を膨らませていた。
ジミニーは村の外れの畑で作業している姉弟らしき二人に声を掛けた。
「おはようございます、初めまして」
加藤も両手を上げながら。
「おはよう、頼むよ突然だけど驚かないでくれ」
突然現れた人影に芽衣子は海人を庇う様に前に立ち身構えた。
「あなたたちは何処から来たのですか?この村はもうこれ以上、人を増やす事は出来そうにありません」
芽衣子はそう答えると首からぶら下げている笛を吹きならした。
「え、本当に何もしないから飛騨に行きたいんだ、向うの様子を誰か知らないかと思って」
「私の故郷が飛騨なんだよ」
二人は待ってのジェスチャーを思い切りしながら叫んだ。
その時、遅れてきた案内役のロボットが姿をみせた。
「・・、ロボちゃん、ロボちゃんじゃないの」
今度は芽衣子が驚きの叫びを上げた。
駆け付けた元警官の警備役の男に芽衣子は事情を説明しながら今回の班長のもとに案内していった。
「貴方達がロボちゃんに案内されてこの村に来てたなんて・・」
「おねえちゃん、ロボちゃんて?」
「貴方がお腹にいる頃にロボちゃんと一緒に私達はこの村に避難してきたのよ」
「へえ~、もしかして昔の家に、このロボットがいたの?」
「そうよ、行方不明のお父さんが買ってきてくれてたのよ」
「お父さん海に出たままなんだよね‥」
「そうね、漁師さんだったからね・・」
二人の会話を聞きながら、ジミニーと加藤は。
「凄い偶然だったのですね・・」
「ああ、でも悲しい思いをさせてしまったな・・」
「本当に、世界は無茶苦茶にされていたんですね・・」
「ああ、どの位人が減っていたか未だに分かっていないんだからな・・、この後、岐阜に入ると神の矢のクレーターを見ることになると思う、飛騨に撃ち込まれていなければ良いのだけどな」
「飛騨は無事なんですか!」
「多分飛騨には直接神の矢は撃ち込まれてはいないはずです。ただ途中の平野部はクレーターが多数あるので多少遠回りしてでも山の尾根伝いに飛騨に向かった方が良いと思います、加藤さんのご家族が無事でいることをお祈りいたします」
班長の男は幾許かの食料をジミニー達に渡し早急に立ち去るようお願いされた。
「このロボットはこのままでは、大規模防災モードが解除されていないので、また元の街に向かてしまいます」
ジミニーは芽衣子にそう告げると。
「お父さんを探してきてって、又お願いしては駄目ですか?」
「皆、そんな思いでロボット達を送り出したんだよ、お願いしてみて下さい」
加藤は優しく芽衣子に促した。
「私達はもう安心だから・・、ロボちゃん、どうかお父さんを探してきてください」
ロボちゃんは。
「ハイ、ソウサクキュウジョニマイリマス」
そう答えると森の中へもと来た道を帰っていった・・。
ロボちゃんを人々はその姿が見えなくなるまでずっと見つめていた。
ジミニー達の日本編での活躍どうかご期待下さい




