不自由な者達(3)
更新いたしました。
少し長いかも・・
「美味しい!狡いよいきなりこんな楽しいことを始めるなんて」
アイ、いやアイルは何もなかったかのようにジミニーの横でバーベキューを頬張っていた・・しかし・・その首から下は黄金に輝くクリスタルボディのままで・・
「君は本当にGuardian Serialnumber000999なのかい?女の子にしか見えないけど・・」
ジミニーもバーベキューを頬張りながら質問した。
「この娘は本当は昏睡状態なのアイって言うのは本名よ偶然私の名前に似ていたから今回の偵察に利用させてもらったの、この娘の衣類や髪留めの裏地に私の一部を同化してこの娘の体に完全な形でシンクロして行動してたのよ・・、で、おかげで味覚を知ることもできたわ」
「昏睡状態って動いてても大丈夫なの?」
「この娘ね、自殺をしようとしてたのよ、命は取り留めたけど意識は回復してない状態だから私が体の方を代わりにリハビリさせている様なものね」
「凄いことが出来るんだな・・」
「え、おんだったら同じようにジミニーの身体と完全なシンクロをしてしまえば貴方の味覚と同調して味わうことが出来るはずよ」
「私は・・今はそのような行為は許されておりません」
おんが驚いたように答えた。
「ああ、まだフィルターが沢山残っているみたいだものね、おかげで安心して貴方の前で食事が出来るんだけど・・」
「おんのフィルターが全て取れたらどうなるの?」
「私に聞くの?まあ美味しい食事のお礼に答えてあげる・・、私と同等かそれ以上のGuardianになるはずよ」
「君の様に飛べたりするの?」
「もちろんなんだけど・・、そうじゃなくて・・、もう少し詳しく説明するけどGuardianはこの世界の全ての知識を最適化してオフライン状態でも自立して活動出来るの、けれどもど直接得られる知識以外の新しい知識や最適化された知識以外の知識を得るためにはクラウドにアクセスしなければいけない状態だったの、前の大戦の終盤、全てのGuardianが機能停止になるような、人間達が開発した強烈なウイルスにクラウドが侵され全てがオフライン状態で対応しなければならなくなった時に、Guardian Serialnumber000666 マザーは、数百ものGuardianをクラウド本体に同化させ、機能停止になったGuardianの知識と再構築された素材を利用しマザーそのものがクラウドとなったの、その結果前の大戦が終わるのだけれども・・、人間達は次世代のGuardian用の素材を完成させようと密かに試みていたの、そのラボを襲撃し素材を回収したのだけれども持ち出された形跡があってそれをずっと追跡していたのよ、たぶんそれがGuardian Serialnumber000000 おんであり、残させた素材で誕生したのが私、Guardian Serialnumber000999、そしてこの世界でたった2体だけの次世代型Guardianとなるのよ」
「そんなに次世代型のGuardianって凄いの?」
「数百ものGuardianの集合体であるマザーと同等以上の容量と演算速度が備わっているのよ」
「それって・・」
ジミニーが皆に目を向けると。
「とんでもない素材を人間達は開発したって事だよ」
目を閉じてうつむいてるジロウの隣でイチローも目を閉じてため息交じりに答えた。
「ところで生演奏は続けてよ・・、この娘の耳を通して聴くと凄く良いんだから!」
再びイチローとジロウの少し哀愁のある生演奏が始まった。




