不自由な者達
更新いたしました。
新章となります、よろしくお願いいたします。
「どうだった、コロニーでの生活は」
イチローはジミニーが戻って来るなり質問してきた。
「おんから緊急連絡は入ってこなかったけど心配していたんだよ」
ジロウも直ぐに声を掛けてきた。
ジミニーは変身を解除し二人に向かって長くかかった潜入に申し訳なさそうに
「ただいま、心配かけてごめんなさい」
と答えると。
「二人には充電が必要の様ですから充電しながらでも報告しましょうね」
おんが二人の間に移り同時に充電を開始した。
「何故、コロニーでの生活に満足して脱走したりしないのか不思議だっんだけど・・危機意識が皆にはあるんだけどないんだよ、処分されている者が毎週何人も出ている筈なのに自分だけは処分されないと皆思っているみたいなんだ・・、人間にはその様な心理作用が備わっているって・・おんが言ってたけど・・」
「色々な、心理作用を利用し与えられた一定の物資で効率的に失われたテクノロジーを生み出すことがそれぞれのコロニーを担当するGuardianの使命なんだよ」
「僕はどうしても目的に役に立たないからと処分されている人達を救いたいんだ、効率なんて気にしていたら絶対進歩なんてないと思うんだ、彼らの子供達や孫達から物凄い発明や発見をする可能性がある者が生まれてくるかもしれないし・・、今だけの効率を求めて人間を管理するなんて・・」
「光子さんを見ているみたいだよ・・、やはり君は光子さんのお孫さんなのかもしれないね」
「え、光子おばあちゃんが、僕の本当のおばあちゃんなの?」
ジロウは懐かしく頷きながら。
「ほぼ間違いないと思うよ」
「みんなに会いたいな・・、でもあの島を危険に晒す様な事は出来ないし・・」
「はい、大雑把な位置は今でも推測されますが・・、捜索行為は危険ですね・・失われた知識の宝庫みたいな島ですので」
おんがジミニーの考えに同調した。
「さて、これからどうするかだよな!」
イチローがジミニーに答えを促した。
「Guardian達は話し合いには応じてくれないのかな」
「Guardian Serialnumber000666 マザーは人間に主導権を与えると絶滅に向かうだけだと交渉には応じてもらえなかったんだよね」
ジロウが現状を補足した。
「それに人間からのウイルスの攻撃を恐れて常にオフライン状態なんだよ」
イチローが更に補足した。
「直接行けばどうだろう」
すると二人同時に
「南極だよ!」
「え、遠いよね・・、しかも今から向こうは冬だね」
暫くしておんが突然。
「出来るかもしれませんよジミニー」
その提案はGuardianらしからぬ随分と奇抜なものだった。
次回の新たなる展開どうかご期待下さい。




