全てを欲する者(5)
更新いたしました。
状況説明の回となりました・・
遠くに見えるコロニーを眺めながらジミニーは。
「ここが君の居たコロニーなのか・・」
「ええ、少ししか経ってないのに随分懐かしく感じる・・」
二人はジミニーが道中の森や野原などで様々な果物や野菜などの食べ物を採ってきては説明しながら食べることで段々とよく話すようになっていた。
「おん、アイさんがあのコロニーのゲートから中に入るにはどうしたらよいと思う?」
「はい、あのコロニーのセキュリティを探っているのですが特段の変化もなくこの無人運搬車の通常のセキュリティコードで侵入できそうです」
「彼女だけを乗せてゲートを通しても良いのだけど、アイ君はコロニーから転出扱いになっているだろうからひと騒ぎ有りそうなんだよ」
ジロウはアイを気遣って説明を加えた。
「再び転入する為には何か方法は無いの?」
ジミニーはジロウやイチローに聞き返した。
「Guardian発行のIDが必要となってくる、もう僕が発行したIDでは無効になるだろうし・・」
「ジロウ、お前が俺のコロニーにあの日よりも前に転出させてた事にして俺が発行したIDで何とかならないだろうか?、もともと連中から見捨てられた無人のコロニーだったし俺はGuardianとしてまだ有効にも無効にもなっていない」
「兄さんは軍事用のGuardianでは無いし初期型だったので彼らからは利用価値のないコロニーとして放置されていた・・、でもコロニーとしてのIDは確かに有った」
「心配だから僕も入れないかな、それと今度はコロニーに住んでいる人に外に出たいか事前に聞いてみたいんだ」
「それは確かに僕のコロニーで捕獲しアイ君と共に送り出した様には出来ると思うが・・」
「私も無人運搬車と同化したまま侵入したいと思います」
おんも考えを付け加えた。
「色々シュミレーションしたが、それが最善の方法かな・・」
ジロウが心配そうに話した。
「行動前にイチローさんも元には戻れませんがジロウの様にバージョンアップしてみませんか?」
おんが言い出せなかった提案をイチローに話してみた。
「軍事用のGuardianになれと言うのか・・、確かに人間にとって今が大事な分岐路だと思う、マスターもきっと許してくれるだろう・・わかったよ頼む」
イチローもこの提案を受け入れた。
コロニーのゲートを無事通過した無人運搬車は搬入出ステーションに到着した。
警備アンドロイドに連れられて学生居住区へと二人が案内されジミニーがキョロキョロしていたその時、すれ違った一人の女子学生が青ざめて叫んだ。
「アイ、あなた生きていたの!」
コロニーに入った二人、どうか活躍を期待下さい。




