全てを欲する者(3)
更新いたしました。
物語の説明の話となります。
アイン達と別れた後ジミニー達はアイの住んでいたコロニーに向かって無人運搬車を走らせていた。
「道中かなり時間がかかりそうだね」
ジミニーが尋ねると。
「ああ、1週間位はかかるかな。しかしGuardianSerialnumber000000は凄いね~こいつ(無人運搬車)を一晩も掛からずに充電してしまうなんて」
イチローは随分曖昧な答えをしながらおんについての話を始めた。
「イチローさんはおんに以前に会った事があるのですか?」
「ああ、会っては無いけど昔はレイって呼ばれていたらしいよ、不具合により廃棄って事だったけどね」
「やはり日本語の名前だったんですね、育成マスターは誰だったんですか?」
「光子って名前の学者さんだったよ」
「やっぱり、光子おばあちゃんだったんですね」
「兄さん、どうも育児ロボットとして光子さんの家にずっと居たみたいなんだよ」
「そうか光子さんお前の育成マスターと離婚したからな・・それが原因じゃないか?あの人達は全く・・」
イチローはジロウに遠くを見るように答えた。
「え、ジロウさんの育成マスターと結婚していたんですか?」
ジミニーは光子おばあちゃんの過去の話に驚いて質問した。
「そうだよ、同僚の学者さんだったんだよ、そして俺の育成マスターの弟だったんだよ」
新しく知る事実にジミニーは驚くばかりだった。
「あの~、自分の事の話題に本人が全く加われないなんてなんだかとっても理不尽です・・、昔はレイって呼ばれていたんですね・・」
無人運搬車に同化しコントロールしていたおんが悲しそうに呟いてきた。
「Guardianの育成マスターって人間が出来るんですか?」
4人が話に盛り上がっていると奥にいて瞼を閉じ体育座りをしていたアイが突然質問してきた。
「ああ、今はGuardianの育成マスターはGuardianが行っているけど昔は資格試験に合格した人が行う事になっていたんだよ」
ジロウが元学長らしくまず事の経過を答えた。
「一貫性のない人間にGuardianの育成なんて出来るとは思えないんですが・・」
「それは確かに弊害があるんだが、何より育成マスターが一人一人違う事で我々に個性という大事なものが育成されていくんだよ、これはこの方式でしか生まれないと思う」
「個性ですか?それはそんなに大事なのですか?人間はその為に争いが絶えなかったと教わりましたが・・」
「そうだね、しかしその個性が有るからこそこれまでの人の進歩が有ったのも事実なんだよ」
「個性ですか・・」
そう呟くとアイは再び瞼を閉じた。
5人での旅、どうか活躍を期待下さい。




