表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神とモフモフ(ドラゴン)と異世界転移  作者: 龍央


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

999/1950

魔法具化の完了と結界の準備 



 シュットラウルさんとの話は、俺の結界の事から着想を得た考えらしい。

 出入口に目で見えない結界を使い、完全に覆うわけではなく一部だけを塞ぐ事。

 そうすれば、目に見えないので知らない人はそこに引っかかるだろうとの考えだ。

 例えば、足下にちょっとした段差のような結界を張っておけば、入ろうとした人を躓かせる事ができる。


 人がギリギリ通れるくらいの隙間を空けておいて、扉を開けて通ろうとしても結界にぶつかってしまうとか……この時、隙間は扉の中央ではなくどちらかに寄せておくと、引っかかりやすいだろうとか。

 まぁ、これらは扉の開け閉めを考えないといけないので、実現は難しそうだけどね。

 一番簡単で実現可能そうなのは、扉に二つ開閉するための物を設置しておき、片方は通常のドアノブと変わらない位置にしておくとかだろうか。

 ただし、ドアノブの方はダミーで実際には開閉しないし、それを結界で覆っておけば開けられない扉だと騙されてくれるだろう。


 なんにせよ、ちょっとした工夫というか意地悪な細工になりそうだし、絶対的に侵入者を拒む者ではなく、時間稼ぎくらいにしか使えないだろうけどね。

 でも、本当に作るかどうかは別として、そういう考えとか工夫ができるんだなぁ、とちょっと勉強になった。

 ……人によっては、小細工とか言われてしまいそうだけど。


「はい、終わったわよ」

「お疲れ様、フィリーナ」


 俺とシュットラウルさんが無駄話をしている間に、慣れたフィリーナがクォンツァイタの魔法具化を終わらせた。

 こちらを振り向いたフィリーナを労う。


「ありがたい。これで、後はリク殿が魔法を使うだけか……年甲斐もなくワクワクしてしまうな」

「結界は不可視ですし、特に派手な事も起こらないので、あまり期待しない方がいいと思いますけど」


 ヘルサルの時もそうだったけど、なぜか皆俺が魔法を使う時に期待するんだよね……。

 まぁ、火を出したりとか見た目にも派手な魔法を使う時なら、わからなくもないんだけど……そういう場合って大抵戦闘中だから余裕をもって見られないんだけど。

 結界って目に見えないし、地味だからヘルサルの時は多くの人が肩透かしにあったような雰囲気になっていた。

 とはいえ冒険者とか一部の人は、結界の耐久力を試したりとかで楽しそうだったけど、ソフィーもそうかな。


「私から見たら、あれでも相当なものよ? 魔法に詳しい人が見たら、リクがどれだけ凄い事をしているかよくわかるわ」

「でも、ヘルサルで魔法具商店の人達は、あんまり喜んでいなかったような気がするけど」

「あれは、魔法に詳しいと言うよりも、魔法具に詳しい人達よ。だから、私がガラスにやった魔法具化の時は、食い入るように見ていたでしょう?」

「確かにそうだったね」

「なんにしろ、リク殿の大掛かりな魔法が見られるという事だな」


 フィリーナがエルフだからじゃないかな? と思ったら、魔法に詳しい人と魔法具に詳しい人では、ちょっと違うらしい。

 道具に魔法を使わせるのと、自分で使わせるのでは、確かに考える内容は違うのかもしれないけど……俺にはよくわからない。

 ともあれ、シュットラウルさんにまとめられて、安置所から外へ出た。


「えっと、シュットラウルさん。何か結界の形に希望はありますか?」

「希望? それどういう事だ?」

「基本は、農地全体を結界で覆うんですけど、出入り口とか色々細かく変える事ができるので……」


 結界は俺を中心にするのがイメージしやすいので、中心地の建物に来たのは丁度いいと、建物を出てすぐの場所で結界を張る事に。

 ヘルサルでもそうだったように、単純に結界で農地を覆う形ではなく、何かこうして欲しい、という事があればと思ってシュットラウルさんに説明。

 結界の形を変えられると聞いて、シュットラウルさんは驚いていたけど……とはいえさすがに、細かすぎる形はイメージが難しいから無理なんだけど。


「水を溜める場所まで作れるのか……」

「はい。でも見えない結界なので、作った後にどこに結界があるかわかるようにしないといけませんけど。ヘルサルでは、木の板を張り付けたり、柵を作っていました」

「ふむ、それくらいなら問題ないだろう。昨日見せてもらった結界は、確かに目には見えなかったか……それなら……」


 シュットラウルさんと話し合って、結界の形を決めていく。

 途中で執事さんも混ざり、どこにどういう物を作るかなどの相談もした。

 最終的には、ヘルサルと大きな違いはないけど話し合ったおかげで、ある程度改良版のような結界ができそうだ。

 多分、これから先作るハウス栽培用の結界は、今回のものが基本になると思う。


「それじゃ、結界を張りますね」

「あぁ、頼む」


 皆から少し離れて、広い農地を覆う結界のイメージを始める。

 農地自体は、街が入るくらい広いので中央から端を把握する事はできないけど、ここでフィリーナと一緒に回ったのが役に立つ。

 クォンツァイタの安置所は、農場の東西南北それぞれの端近くだから、実際に行って目で見る事で大きさや結界で覆う際のイメージの助けになってくれるから。

 ただ、さすがに今までやった事がないくらいの大きさだから、いつもより集中が必要だ。

 

 シュットラウルさんやフィリーナ、他にも執事さんや兵士さん達の視線を感じなら、目を閉じて結界のイメージに集中。

 基本はドーム状……これがイメージ的にも一番やりやすいためだ。

 東西の村近くには、結界を張った後の出入り口として馬や馬車が通れるような隙間を空けて……あとはその近く、結界の内側に水を溜める器の形を思い浮かべる。

 ヘルサルの時は、水を溜める場所がドーム状の全体像に影響されて丸型だったけど、今度は四角い桶というかプールのイメージでたっぷり水が入るように。


 高さ数メートルくらいにして、下部に隙間を作ってそこから水が出せるようにする……これは、後でシュットラウルさんに位置を伝えて、蓋を作ってもらうようにしないといけないだろう。

 発案が執事さんなので問題なくやってくれるはず。

 ちなみに、水が溜められるのならとシュットラウルさんから、肥料の置き場はどうか? と言われたけど、これに関してはリネルトさんとアマリーラさん、それと執事さんが全力で反対した。

 理由は単純で、見た事はなくとも目に見えない結界内で、浮いたような感じで溜まると伝えたせいなんだけど……農地の肥料って、腐葉土とかもあるけど肥溜めだったりするから……。


 土に穴を掘ったり、壺に入れたりとかならまだしも、不可視の結界では全方向からはっきり見えてしまうからね。

 当然ながら気持ちのいい見た目じゃないのは間違いない。

 さらに魔法具化したクォンツァイタと繋がって効率を良くするため、建物に上から接触するようにして……と。

 あとは、ヘルサルの時にやった経験を生かして、細かな調整をしてイメージを終える。


「……まだリク殿は魔法を使っていないのだろう? リク殿の周辺に魔力が見えているのだが……」

「リクは、尋常ではない魔力を持っています。多少なら可視化した魔力は出ないのですけど、今回は広い範囲で結界を張るので、おそらくその影響でしょう」




リクがイメージしている傍らで、シュットラウルさんは可視化された魔力に驚いているようです。


読んで下さった方、皆様に感謝を。


別作品も連載投稿しております。

作品ページへはページ下部にリンクがありますのでそちらからお願いします。


面白いな、続きが読みたいな、と思われた方はページ下部から評価の方をお願いします。

また、ブックマークも是非お願い致します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ