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神とモフモフ(ドラゴン)と異世界転移  作者: 龍央


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ついでにフィネさんへも助言



「んんっ! まぁ、話を戻してじゃ。最後にフィネ嬢ちゃんにも少し言っておくかの」

「わ、私にもですか!? ですが、私は飛び入りで参加しただけで、正式に教わると決まっていませんが……」

「なに、ちょっとした老婆心じゃよ。戦い方に迷いが見えたからの……おそらく、先程話していた邪道と言われる戦闘法だとか、騎士である事に関してじゃろうがの」

「……お気づきになられていたのですね」

「これでも、多くの者の戦い方を見て来たからの。同じように悩む者もおっただけじゃ」


 ユノに弾き飛ばされて再び壁に叩きつけられたエアラハールさんは、相変わらずなんのダメージもないような復活をして、咳払いで話を戻す。

 まぁ、本当にエアラハールさんからのサービスというより、さっきの痴漢未遂の後、ユノが拳をちらつかせているからな気がしないでもない。

 ……多分だけど、これ以上追撃されないようにするためのカモフラージュだろう。

 とはいっても、指摘自体は真面目にやるつもりなようだから、フィネさんのためになってくれればいいなと思う。


 強く強制はしないし、やんわりと方向性を示すくらいではあるけど、戦い方に関しては的確に言ってくれるからね。

 さっき言っていた、帰って来なかった人が多いというのは、本当の事なんだろう。


「まずはじゃが、斧を投げるのは相手の意表を突くため、というのは悪くないの。じゃが、少々それに頼り過ぎな節がある。フィネ嬢ちゃんの持つ斧は投げられるようにじゃろうが、小さい。確かに斧としての利点は少ない武器なのかもしれんが、逆にその分器用に扱う必要がある」

「はい……わかってはいるのですが、どうしてもそちらに頼ってしまう事が多いのです」

「まぁ、わからなくはないがの。投げる関係上、自分の手元に武器を残す必要もあるため、必要以上に武器を用意しなくてはならん。サッサと投げて軽くしてから、という戦い方は悪くないはずじゃ」

「そうですね。それに、ある程度の魔物なら、投げた斧が当たればそれで倒せたり、無力化されるので……」

「そうじゃの。じゃがそのために、投げる方へばかり意識が行っておる。そもそもに投げる数がなかった場合や、全て外れたり防がれた場合の事も、ちゃんと考えねばのう」


 エアラハールさんのフィネさんへの指摘は、投げる斧に頼り過ぎているという部分。

 確かに、斧を投げられるというのは受ける身からすると、離れていても安心できないし、以前やった模擬戦のように投げた斧と一緒に突撃されたら、対処に困る事が多い。

 投げた斧を防いだり避けたりする際に、最低でも体制を崩されたら、フィネさん自身が振るう斧にやられてしまうからね。

 そういう意味では厄介な戦法ではあるんだけど、その分手持ちの斧を投げ尽くした後のフィネさんは、戦力が半減……とまではいわないけど、脅威は減るだろう。


「途中で斧を回収しながらという戦い方もできるが、常にそうとは限らんじゃろう。多数を相手にできなくもないが、基本的に短期に決着をつける戦い方とも言えるの。長期の戦いになると、体力面でも不利になって来るじゃろう」

「そう、ですね。先手必勝と考えていますが、早いうちに相手を叩き伏せるように動く事が多いです」

「相手に油断をさせて遠くから斧を投げる……または、投げた斧の対処をさせている間に肉薄して、手に持った本命の斧で叩き伏せる……戦い方としては悪くないが、短期戦向きじゃの。複数の武器を持つために、重さを背負ってとなる事もあるがの」


 フィネさんの持つ斧が小さくて軽めとはいえ、それでも結構な重量がある。

 それを複数持っている事で、確実にフィネさんにかかる重量は増え、体力は削られてしまうだろう。

 それに、投げるにも体力は必要だし、投げてしまえば軽くなるとは言っても、投げた後に動くためにも体力が必要で……なんにしても、長めに戦う事には向いているとは言えない。


「自分でもわかっています。女という事もあって、体力的に不向きな事も……」

「まぁ、斧を持つおなごというのも、多いとは言えんの」


 そうなんだろうか? 確かに、体力としては女性の方が平均的には劣ってしまうのだろうけど……信号機、もといリリフラワーのアンリさんとか男でも振り回すのが困難な大きい斧を持っていたんだけど……。

 でも確かに、冒険者ギルドを含めて、見かけた女性の中で斧や大きな武器を扱っていそうな人は、あまり見かけないか。

 全くいないわけじゃないけどね……そう言えばアメリさんは細身の剣を持っていたっけ……冒険者でもなんでもないけど。


「とはいえ、男女で武器の区別をするのも愚かじゃと思っておる。体力的な違いはあっても、やり方次第じゃろう」


 俺もエアラハールさんの言う通りだと思う。

 要は使い方であって、多少の向き不向きがあっても使いこなせばいいわけだからね……単純に、男の方が体力的に勝っている事が多くて、重い武器の扱いに向いているとしても、それをカバーするだけの方法を考えればいいだけだ。

 全ての男性が全ての女性より体力が勝っているわけじゃないし、ある程度は訓練をする事で克服できる事も多いからね。


「体力的な部分は、日々の鍛錬で鍛えていくしかない。じゃが、戦い方そのものは考え方ややり方によって変わる物じゃよ。とは言っても、簡単にできるものではないがの」

「はい……」

「一つ例を出すなら、マリーちゃんじゃの」

「母さんですか?」

「うむ。マリーちゃんは、魔物に向かって行くような戦い方ではないがの。魔法と武器を織り交ぜて上手く戦っておった。まぁ、重い武器を使っていなかったのもあるのじゃろうが……あれは、日々の鍛錬に加えて効率よく考えて戦っておったからじゃろう。基本的にはマックスには及ばなくとも、状況次第ではマックス以上に長く戦い続ける事もあったくらいじゃ」


 会った事のないフィネさんは、マリーさんやマックスさんの名前を聞いてキョトンとしている。

 モニカさんとソフィーは、マリーさんが長時間の戦闘もこなすと聞いて納得顔だ。

 まぁ、新兵さんやモニカさんへの鬼教官みたいなのを見ていれば、なんとなくわかる……戦いはまず体力をつける事、とか考えていそうだからなぁ。

 もちろん、マリーさん自身は魔法を使う役で、マックスさんが前衛を務めるからこそという部分はあるんだろうけども。


「モニカさんのご両親ですか……一度、会って話を聞きたいですね」

「……やめておいた方がいいと思うけど……地獄の鍛錬を課せられるかもしれないし」

「まぁ、あれは私でも厳しいと思ったからなぁ……」


 マリーさん達の事を聞いたフィネさんが興味深そうにしているのに対し、モニカさんとソフィーは少々疲れ顔。

 俺は参加していないけど、マリーさんに厳しくされて獅子亭で疲れ果て、テーブルに突っ伏していたモニカさんを何度か見ているからね。

 訓練や鍛錬となると自分から参加するソフィーでさえ、及び腰だ。


「ともかくじゃ、フィネ嬢ちゃんは日々鍛えながら、斧を使いこなすのを目指すのが良いじゃろう。できれば、斧を投げる精度を上げつつも、それに頼らない戦い方も見つけて欲しいのう」




日々の鍛錬を欠かさず、技術の向上を目指すようです。


読んで下さった方、皆様に感謝を。


別作品も連載投稿しております。

作品ページへはページ下部にリンクがありますのでそちらからお願いします。


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