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神とモフモフ(ドラゴン)と異世界転移  作者: 龍央


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フランクさんとノイッシュさんとの相談



「……ギルドマスターと言えど、街や村が複数壊滅するかもしれない状況で、被害を出さずに事態を収めた英雄に、怒ったりはできんだろう。まぁ、女狐……マティルデあたりなら何か言いそうだがな」

「あー、確かに言われそうですね。……この事は、マティルデさんには内緒でお願いします」

「誰かに話す事はないと、改めて約束しよう。なに、俺もあのマティルデが知らない事を知っているという、優越感にも浸れるしな……くっくっく……」


 マティルデさんとノイッシュさん、仲が悪いんだろうか?

 もしかすると、冒険者ギルド内での権力とか派閥の争いとかかな? と思ったけど、してやったりと笑うノイッシュさんの雰囲気は友人に差を付けられた程度の様子なので、言葉通りちょっとした優越感があるくらいなんだろう。

 同じ組織だし、敵対しているとかじゃない……と思いたい。


「では、リク様の許可も出ましたので……フィネ、報告の続きを」

「はい。地下に突入したヴェンツェル様やリク様は……」


 既にノイッシュさんも交えて報告をしていたのか……フィネさんの報告が終わってから、ノイッシュさんが来たとかではないわけね。

 多分、ノイッシュさんに聞かせるかどうかの話し合いをしていて、報告が後になったんだろう。

 フランクさんに促されて、フィネさんが報告して一緒に行動する事が多かったモニカさんが補足し、さらに俺からも付け加えたりして、突入作戦の報告をした――。



「やはり、そうではないかと薄々考えていましたが……帝国が絡んでいましたか」

「帝国の人間が絡んでいるのは間違いないでしょうね。国そのものが関わっているのか、までははっきりしませんが……規模を考えるとおそらく」

「でしょうなぁ。私の領地……いえ、この街は帝国とは逆方面なので、国同士が実際にぶつかるまでは深くかかわる事はないと思っていましたが……」

「まぁ、そういった目がない分、こちらの方がやりやすかったというのはあるんだろうな。この国でどれだけの範囲で、どれだけの規模がそれぞれ動いているのかまではわからないが……補給元となるこの街近辺を狙うのは、わからなくもない」

「地下施設は、昨日今日で作れるような規模ではありませんでした。鉱山でも同様です。用意周到に色々な事を画策しているんでしょうね」

「……探せば、他の場所でも似たような事が行われてそうですな。ノイッシュさん、今現在他の街や村でこのルジナウムと似たような事は?」

「そういう報告は入っていないな。一応、冒険者ギルドは国とは別に独自で情報を集めているし、それぞれの支部で共有するようにしているが、緊急性のあるような事は、起こっていない……はずだ」

「水面下では、何かが動いていそうな気持ち悪さはありますね……」


 地下施設への突入から、そこにいた人達の拘束やその後の調査も含めて、フランクさんとノイッシュさんへ報告を終わる。

 その後は、難しい顔を突き合わせての予想というか、話し合い、かな。

 帝国そのものが関わっているか、とまでの確証は得られなかったけど、規模からすると関わっていない方がおかしいとも思えるくらい。


 そのうえ、各場所に潜り込んでいる人間がいるという事から、ルジナウムからブハギムノングや、今回の地下施設以外にも何かをやっている可能性があるという事。

 あれだけの規模で動いているのに、そこだけで終わるとは思えないからね……バルテル関係以外にも、何かしらやっていると考えた方がいいだろう。


「拘束したエルフ……ツヴァイといったか。そちらは、アテトリア王国にいるエルフとは関係がないんだな?」

「えぇ。一緒にいたエルフの、フィリーナにも確認してもらいました。この国にある集落にいるエルフではないようです。ブハギムノングで行われていた研究の資料を見せた時、他国にいるエルフが関わっている可能性を予想していたので、そちらではないかと思います」

「その……リク様の事を疑うわけではないのだが……そのエルフは信用できるのか?」

「もちろん、信用できます。まぁ、一緒に行動したうえで、というだけですけど。でも、もしフィリーナが嘘を吐くようなら、資料を持ち帰った時にエルフの関与を示唆したりはしないと思うんです。場合によったら、エルフ全体が疑われて立場が悪くなったりしますから」

「言われてみれば、そうか……すまない。俺はエルフと会った事がないから……噂で人間との拘わりを嫌うと聞いたくらいだ」

「まぁ、一部の長老と言われるエルフは、まだ人間を嫌っているようですけど……フィリーナ達若いエルフは人間とのかかわりを積極的に持とうと考えていますから。自分達の立場が悪くなるような事はしないと思いますよ」


 それこそ、ツヴァイに対して怒りを見せていたくらいだからね。

 本当に人間と拘わりたくないと思うのなら、俺達と一緒に行動したり、集落を離れて人間の街に来ようとは思わないだろうし。

 噂だけ聞いていると、イメージが先行してノイッシュさんは疑ったみたいだけど、実際に接して見ればその考えが間違いだとわかるはず……まぁ、今フィリーナやアルネは王都だから、ここで会う事はできないんだけど。


「そうだ。リク様、ブハギムノングとルジナウムの繋がり、調査を進めた結果がある程度出ております」

「そうなんですか?」

「あぁ。ブハギムノングで、冒険者ギルドに頼んだんだろ?」

「ベルンタさんに、ちょっとした依頼はしましたけど……もしかして?」

「その依頼を受けた冒険者達が、このルジナウムに来ました。正確には、調べているものを追っているうちに、ルジナウムの森へ向かっているのがわかった……という事のようですな」


 鉱山内で見つけた、魔力の通り道のようなもの……俺がずっと追いかけるわけにもいかないから、ベルンタさんにお願いして別の冒険者への依頼となった話だね。

 まぁ、依頼料はフォルガットさんが出す事になっているけど。

 ともかく、その依頼を受けた人達がルジナウムに……ルジナウム近くの森に辿り着いたという事は……。


「つまり、というよりも薄々わかっていましたけど……やっぱりブハギムノングの研究と、ルジナウムの魔物集結は?」

「繋がっていた、という事だな」


 俺の問いかけに、頷くノイッシュさん。

 イオスがルジナウムの事も言っていたから、繋がっているというのは間違いなかったんだけど、今までどうやって繋がっていたのかがわかっていなかったからね。


「以前、リク様に見せた鉱石……クォンツァイタでしたか?」

「はい。俺が触れたら、壊れてしまいましたけど……」

「あれが埋まっていた場所に、リク様が調査を依頼した目的、と言いますか、魔力の通り道が続いていたのですよ。ブハギムノングから、一筋の道として……」

「あの鉱石は、魔力を蓄えると魔物を集める性質があるのだろうという結論だが……つまりはブハギムノングほど離れた場所から魔力を供給して、森の近くで魔物を集めていた、という事になるな」

「成る程……という事は、イオスの言っていた事は本当だったんですね」




やはり二つの街は魔力の道で繋がっていたようです。


読んで下さった方、皆様に感謝を。


別作品も連載投稿しております。

作品ページへはページ下部にリンクがありますのでそちらからお願いします。


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