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神とモフモフ(ドラゴン)と異世界転移  作者: 龍央


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お風呂好きドラゴンエルサ



「そうだね。爆発の条件だとか、肌の色……それに魔法を使わないというのも、ちょっと気になるからね」

「そうなると、経験豊富なエアラハールさんがいないのが、少し残念だ。もしかするといい意見が聞けるかもしれないし、何か答えを見つけてくれるかもしれない」

「まぁ、ルジナウムの街の方も危険そうだから、仕方ないよ」


 ルジナウムの街に残ったエアラハールさんが、ここにいない事を少し残念に思う。

 けど、元Aランクの冒険者だからといってなんでも知っているわけじゃないし、好意……というかお金とヴェンツェルさん繋がりで、剣を教えてくれているだけだから、頼り過ぎるのもいけないだろう。

 エアラハールさん自身は、エクスブロジオンオーガの事を詳しく知らなかったみたいだし、現役の頃に遭遇した事はないから、本当に参考になる意見をくれるかもわからないしね。

 それに、探査魔法が役に立たない鉱山内で、視覚だけでなく色々な方法で魔物の警戒をする方法とかを教えてもらったし、それだけでも十分だ。


「それでは、明日本格的に調査する事にしよう」

「うん。ちゃんと調べるためにも、早く鉱山に行きたいからあまり遅くまで起きててもいけないね」

「あぁ。それじゃあ、私は部屋に戻って休ませてもらう。……あ、髪を乾かしてくれて、ありがとう。相変わらずの気持ち良さだったぞ」

「あ、あぁ……うん。ソフィーが満足してくれたなら良かったよ」

「それではな……」

「おやすみー。……はぁ」


 明日は朝食を食べたらすぐ鉱山に行って、じっくりと調べるため話を切り上げて早々に休む事にする。

 挨拶をして部屋を出て行くソフィーを見送った後、なんとなく出てしまった溜め息。

 だって……ドライヤーもどきの魔法を使っただけなのに、受け取り方で勘違いできそうな言い方をするんだもの……。

 向こうはそういった事を考えてなくても、勝手に想像してしまうのが年頃の男の子ってものだ、うん。


「……変な事を考えてるのだわ?」

「見透かすなよ、エルサ。まぁ、人間だし、男だし……色々想像しちゃうんだよ。ソフィーに対し失礼だし、向こうはそういう事は考えてないんだろうけどね」


 俺の頭にくっ付いたまま、黙って話を聞いていたエルサが想像している事を見透かしたように呟いた。

 退屈な話だから、てっきり寝ているんだと思ってたけど、起きてたのか。

 エルサとは、契約で繋がっている部分があるから、俺の考えがなんとなくわかるのかもしれない……俺がわかりやすいだけなのかもしれないけどね。


「人間は不思議なのだわー。雄だとか雌だとか……違ったのだわ。男だとか女だとかだわ。似た種族はいるのだけどだわ……」

「雄とか雌って……ドラゴンは、そんな事を考えたりしないのか?」

「少なくとも、私は考えないのだわ。ドラゴンはお互い干渉しあう事が少ないから、他のドラゴンの事はわからないのだわ」

「そうなのか……」


 ドラゴンって、ユノが作った存在だったっけ。

 神様に作られたから、そういった感覚がないのだろうか? いやでも、神様に作られたと言えば、最初の人間もそうと言えるのかも? この世界でどうやって人間が誕生したのか知らないけど。

 地球のように長い年月をかけて今の人間の姿に進化して……というのとは、またちょっと違うのかもしれない。

 あれ? でも初めて会った時に俺が至高のモフモフを見て、体を触りまくったら、女の子だとかそれに近い事を言って怒ってなかったっけ……うーん、勘違いかな?


「ともかく、さっさとお風呂に入って変な考えを飛ばすのだわー。今日もしっかり洗うのだわー。ちゃんと、毛を乾かす魔法も使うのだわ?」

「はいはい。ちゃんとモフモフを保つように、しっかり洗わせてもらいますよーっと」


 話を変え、お風呂を催促するエルサ。

 いつもは言わないのに、今日はドライヤー魔法を要求するのは、ソフィーにやっていたのを見て羨ましく思ったからだろうか?

 そんな事を考えつつ、すっかりお風呂好きになったエルサを微笑ましく思いながら、部屋を出て浴場へと向かった。

 ちなみに、戻ってくるのが少し遅かったうえ、ソフィーとそれなりの時間話し込んでいたおかげか、遅い時間になっていたので、お風呂場には他に人はいなくてエルサを洗うのに集中できた。


 というかこの宿屋……俺達以外のお客さんが少ないのかな……? 

 もしかしたら、鉱山にエクスブロジオンオーガが出ている影響かもしれないと考え、エルサを洗いながら早く解決しようと改めて心に決めた。

 エルサには、他の事を考えず洗う事に集中しろと怒られたけど……ちょっと手つきが雑になってたかな?



―――――――――――――――



 翌朝、ソフィーと合流していつものになってきた酒場で朝食を頂く。

 酒場だというのに朝から開いているのは、鉱山へ働きに出る人のためらしい。

 お酒の提供は少ないらしいけど、一応しているようで、朝から飲んだくれている人もいたようだけど、多分それは鉱山で採掘が滞っている影響だろう。

 相変わらずそのままにしてある、俺が壊した机や椅子を眺めて(床は代わりの板が張られていた)微妙な気分で朝食を済ませ、早いうちに鉱山へと向かう。


 先日調べた時は、昼過ぎに入ったけど今日は朝からだから、しっかり調べられるはずだ。

 一度通った道だし、穴へと行くのも少し短縮できるだろうから、たっぷり調べられるね。



「しかし、相変わらずなぜ爆発しているかがわからないな……」

「そうだね。肌の色は前に見た時と同じ赤みがかっているのばかりだし、緑に見えるのなんていなかったね」


 穴に続く狭い道を進み、周囲の警戒を怠らないようにしながら、ソフィーと話す。

 鉱山に入る時から、またエルサはソフィーの頭へ。

 俺は自分で結界が使えるから、ソフィーが戦う時のためにそちらへ移動した。

 やっぱり俺がエルサの毛を洗うと、モフモフの質が上がるのか、頭にくっ付いて後頭部にお腹の毛が振れると、一瞬だけソフィーの表情が緩みそうになったが、咳払をして誤魔化してたっけ。


 うーん、他に見ている人がいるわけじゃないから、緩んでもいいと思うんだけどなぁ。

 それはともかく、鉱山の中を進む間にも、何度かエクスブロジオンオーガと遭遇。

 先日来た時にそれなりの数を倒したと思ったのに、発見する数が減ったような気はしなかった。

 もしかすると、想像以上のエクスブロジオンオーガが鉱山内に潜んでいるのかもしれない。


 そして、何度も戦う中で少し慣れて来たのか、余裕のある時は爆発の条件を探るように、倒し方を変えてみたりもしたけど、結局条件はわからなかった。

 相変わらず意識が完全に失われていても爆発するし、首と胴体や他の部分を斬り離しても、全てが一緒に爆発する。

 一応、ソフィーが気付いた、赤みがかった肌が爆発する瞬間に、仄かに光ったり光らなかったり、というのは確認できたけど、それだけだ。

 光るか光らないかの条件もわからないし、どちらにせよ変わらずに爆発していたorるから、条件と関係があるのかすら怪しく思えてきたなぁ――。




爆発には、何か複雑な条件があるのか、単純な条件なのか……。


読んで下さった方、皆様に感謝を。


別作品も連載投稿しております。

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