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神とモフモフ(ドラゴン)と異世界転移  作者: 龍央


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モニカさんの様子を見にルジナウムの街へ



「今日話せるのは、こんなところか。明日はモニカ達の様子を見て、情報収集だな。そして明後日には……」

「もう一度鉱山へ入っての調査だね。有力な情報が得られるといいんだけど……」

「なに、情報が得られなくとも、怪しい場所の目ぼしは一応ついているんだ。そこに何かがあると思っておこう。……まぁ、外れの場合もあるが、調査依頼というのは、こういった地道な動きが必要とされるからな」


 ソフィーの言う通り、怪しいと考えている穴の先に、何もない可能性だってある。

 鉱夫さん達に話を聞いても、これと言った情報を得られない可能性も同様にだ。

 だけど結局は、調査で俺達が調べなきゃいけない事なんだから、地道にやっていくしかない。

 これは確かに、魔物の強さはどうあれ、依頼を頼むのにも冒険者ギルドからしたらランクが高い、信頼できる冒険者にしか任せられないかもね。


 すぐに終わらせて報酬を得られるような依頼じゃないし、対魔物だけでなく様々な経験も問われる。

 根気もいるだろうし、色々考えなきゃいけない事もある。

 単純に魔物を倒してはい終わり……という依頼ではないね。


「話は終わったのだわ? それじゃ、とっととお風呂に入るのだわぁ。湿っぽい場所にいたから、体が気持ち悪いのだわ」

「ははは、そうだね。それじゃ、しっかり綺麗に洗わないと」

「……今日はリクがエルサを風呂に入れるのか。まぁ、いつもそうだし、慣れているから仕方ないな」


 俺達の相談が終わった事を察したエルサが、早く風呂に入るよう急かす。

 確かに、鉱山内は湿っぽいというか、カビ臭かったりもしたし、埃っぽくもあったから何となく気持ち悪いのはわかる。

 エルサのモフモフが損なわれるのは、俺としても嫌なので、お風呂でしっかり綺麗に洗ってあげよう。

 俺の所へふわふわと飛んで近寄るエルサを見つつ、ソフィーは残念そうに呟く。


 そういえば、昨日はソフィーがお風呂で洗ってくれたんだっけ。

 慣れていないから、エルサの注文を聞きつつ綺麗に毛を洗うのは大変だったろうな……ソフィーは大変だとまでは思っていないだろうけど。

 今日の話はここまでにして、エルサを連れてお風呂へと入る事にした。

 王城とは違って、男女別の浴場へと行く必要があるけど、夕食後に酔いつぶれたエアラハールさんを運んだり、ソフィーと相談をしていたため、ずいぶん遅い時間になっていたのが幸いして、他に浴場へと入るお客さんはいないようで、存分にエルサを洗ってあげられた。


 元々、冒険者が来る事が稀な街だし、今は採掘が滞っている影響で街へ来る人そのものが減っていて、宿のお客さんが少ないのもあったのかもね。

 宿としては問題なんだろうけど、エルサをお風呂に入れると考えると丁度良かった。

 まぁ、ずっとこのままというわけにもいかないから、早く解決してあげたいね。



―――――――――――――――



「乗るのだわー!」

「はいよ」

「おぉ、今日は昨日よりさらにモフ度が増しているな……」

「ドラゴン様に乗る経験というのも、この年まで生きてきたおかげかのう」


 翌朝、朝食後に街から離れた場所でエルサに大きくなってもらう。

 ブハギムノングの街にいる人達は、エルサの事を毛玉くらいにしか思っていないようだし、大きくなった姿を見せるのは驚かせてしまう可能性があるからね。

 街の方から見えなさそうな場所まで来て、さらに大きめの木が幾つかある場所で身を隠すようにしながらエルサに大きくなってもらい、その背中に乗る。

 ゆっくりと空へと浮かび上がって、ルジナウムの街へと向かった。


「リク、少し聞きたいのだが……エルサの毛が昨日よりも触り心地がいい気がする。何か秘訣でもあるのか?」

「エルサの毛が? うーん……なんだろう、お風呂に入れた時、丁寧に洗ってあげる事かな?」


 空を飛んで移動している時、ふとソフィーが話しかけてきた。

 内容は、エルサの毛に関する事だけど、特別な事はしていない。

 強いて言うなら、お風呂で洗う時に丁寧に洗っている事くらいだね。


「あとは、お風呂から上がった後で、魔法を使ってしっかり乾かすくらいかなぁ……」

「あのドライヤーとかいう魔法の事か……ふむ、さすがにあれは私では真似できないな。一昨日、リクが酔った後は私がエルサを風呂に入れて洗ったのだが……やはりリクがやった方がいいのだろうな……」


 どうやらソフィーは、俺が酔っ払って暴れた後、エルサをお風呂に入れてくれていたみたいだけど、その時と今では、毛のモフモフが少し違うと感じていたようだ。

 ちょっと、自分では不足していると考えている様子のソフィーは、寂しそうだ。


「うーん、慣れてないからというのもあるのかもね。俺はエルサを洗って慣れているから。まぁ、ドライヤーの魔法は使えないだろうけど……風を起こせば誰でも近い事はできるから、多分ソフィーでもできるよ?」

「そうなのか?」

「うん。そうだね……乾いたタオルとかで、エルサを扇いでやるだけでも風で毛が乾くだろうから、そのままにしておくよりも良くなるかなぁ。ちょっと大変かもしれないけどね」


 温風とはならないだろうから、乾くまでの時間はかかるし、ずっと扇いでいるのも大変だ。

 それでも自然乾燥よりはマシだろうしね。


「私の毛は魔力も関わっているのだわー。お風呂で洗うのも大事だけどだわ。リクの魔力が流れる程に輝きを増すのだわー!」

「……そうだったのか」


 俺とソフィーがエルサの毛に関して話していると、飛んでいるエルサが暢気な声で教えてくれた。

 空を飛ぶのが楽しいからだろう、いつもより上機嫌な声だね。

 それはともかく、エルサの毛と魔力って関係あったのか……。

 確かに、以前ユノの剣でエルサの毛が斬られた時は、地面に落ちる前に消えてしまっていた。


 エルサの毛を集めてモフモフクッションを……という俺の野望を打ち砕かれたのでよく覚えている。

 俺から流れる魔力によって、エルサが蓄えている魔力が変わるせいで、毛のモフモフも少し違いが出るのか……。

 出せる翼も変わるみたいだし、契約によって俺から流れる魔力は結構重要なんだなぁ。

 というか、以前言っていた、契約する事によってドラゴンが能力を引き出せるようになるというのって、契約相手の魔力を使ってって事なのか?

 いや、それだと魔力が少ない人間と契約したら、すぐに魔力枯渇を起こしてしまうだろうし……うーん、まだまだ知らない事が多いな。


「魔力か……そういえばあの日は、エルサがリクから離れていたから、夜はずっと私と一緒だったな。……至福の寝心地だったが」

「酔ったリクには、二度と近付きたくないのだわ……」

「あははは、まぁ、エルサと一緒に寝ると気持ち良く寝られるよね。しばらくお酒を飲んだりはしないから、酔う事もないだろうし、大丈夫だよ。……とりあえず、ごめん」


 記憶にはないけど、話を聞く限りだとエルサを捕まえて振り回したりしたらしいからね。

 そりゃエルサも近付きたくなるだろう……翌日ソフィーが抱えていたエルサに手を伸ばした時も、警戒されてたようだし。

 お酒はしばらく飲んだりしないよう約束しつつ、覚えていなくともやってしまった事をエルサに対して謝っておいた――。



リクが酔って暴れた時、エルサは大変な恐怖を感じていたのかもしれません。


読んで下さった方、皆様に感謝を。


別作品も連載投稿しております。

作品ページへはページ下部にリンクがありますのでそちらからお願いします。


面白いな、続きが読みたいな、と思われた方はページ下部から評価の方をお願いします。

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