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神とモフモフ(ドラゴン)と異世界転移  作者: 龍央


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全力飛行を提案



 申し訳なく思いながらも、明日の準備をモニカさんに任せる。

 こういうのは、無理に俺がやったりしなくとも、慣れているモニカさんやソフィーがやってくれるのはありがたい。

 俺も慣れないといけないから、手伝いをしようかとも思ったんだけど、モニカさんには断られてしまった。

 まぁ、朝王城に来てから町に出たり、俺が町に行ってまた王城に戻って来るというのも手間になるからだと考えたんだけど、何やらソフィーが小さく呟いている。


 モニカさんがほんのり頬を染めながら、ソフィーに対して声を荒げた事に、首を傾げたけど俺は気にしなくていいらしい……なんだったんだろう?

 ともあれ、明日の準備はモニカさん達に任せるという事で話が決まり、解散となった。

 まだエルサや俺と話していた様子のレナも、メイさんに連れられて退室。

 ほとんど存在感のなかったエフライムは、クレメン子爵への報告内容を考えて明日には伝令を出すようで、そちらの事を考えて少々うわのそらのまま部屋を出て行った。


 姉さんやアルネ達も退室して、エルサとユノとヒルダさんだけになった部屋。

 そろそろお風呂に入ろうかと考えたところで、ふと思い出す。


「そういえば、エルサ?」

「どうしたのだわ? お風呂には入らないのだわ?」

「いや、入るんだけど……その前に、ちょっと聞きたい事がね」

「なんなのだわ?」


 思い出したのは、ヘルサルから王都へと帰る時にエルサに乗った時の事。

 確かあの時、俺から流れる魔力のおかげで、二翼から四翼を出せるようになっており、全力だったらもっと出せると言っていたっけ。


「ヘルサルから帰る時の事なんだけどな? あの時四翼出していたよな? でも、もっと出せるとか……」

「出せるのだわ。……やってみないとわからないのだけどだわ、多分六翼くらいはいけるのだわ」

「そうかぁ……やっぱり、翼が多い方が速度は出るのか?」

「速度も出るのだわ。けど、翼の主な目的は飛行の安定なのだわ。揺れを少なくしたり、高く飛んだり……バランス? とかいうもののためなのだわ!」

「ふむふむ。翼を多く出したり空を飛ぶのは、魔力を使うみたいだけど……全力で飛んでみたりはしたいか?」

「全力で飛ぶのは気持ちいいのだわ! 魔力の消費が激しいのだけどだわ、けど、爽快なのはまちがいないのだわ。……おかげで、リクと会った時はピンチだったのだわ」


 確か、森で会った時は自分にようやく契約者がと喜んで、長時間飛び続けた結果、魔力がほとんどなくなったんだったっけな。

 それだと、全力で飛ぶのは危ないのか?


「もし、全力で飛んだとしたら……魔力はどうなるんだ?」

「リクから流れ込んでいるから、数カ月は飛び続けられるくらいなのだわ。あの時のような事にはならないのだわ。……確かあの時は、一カ月程度二翼で飛び続けただけだけどだわ」

「エルサの魔力自体が、多くなっているのか?」

「契約をした時に言ったのだわ。ドラゴンは契約者がいないと、能力を制限されるのだわ。だから、今は本来の能力が使えるのだわ。当然、魔力も多くなっているのだわ。それに、リクの異常な量の魔力が流れて来るから、枯渇するのも考えられないのだわ」

「そうなのか……」


 そういえば、言っていたっけ。

 契約者というのが、人間だけかどうかはわからないけど、ドラゴンは契約をするまで本来の能力を発揮できないらしい。

 俺と契約したエルサだから、それまでよりも多くの魔力や力を使えるという事か。

 というか俺の魔力が異常な量って……。

 そりゃ、本来の能力が使えるようになったエルサよりも、大規模な魔法を使ったりしてるから、確かにかなり多いんだろうけども……。


 でもそれなら、エルサがどれだけ全力で飛んだり、魔力を使っても、枯渇する事がないのは確かなんだろう。

 あの時のように、森に墜落して弱ってしまう事がないのなら、いい事か。

 なんにせよ、全力で空を飛んでもエルサの魔力が枯渇したりする事はない、と……。

 爽快感があるらしいし、ストレス解消にいいのかもなぁ。

 まぁ、肉体的には多少疲れたりもするのかもしれないけど。


 とはいえさすがに、何カ月も飛んだりはしない。

 せいぜいが数時間程度だろうね。


「それなら、今から全力で空を飛んでみないか? エルサも全力で飛んでみたいだろうし」

「……いいのだわ?」

「もちろん。エルサは、暴走しかけたりもしたけど、キューの事で頑張ってくれたしな。それに、たまには全力で飛んでストレス解消するのも、悪くないだろ? いつも移動する時に乗せてもらってるけど、大分手加減してるみたいだし。俺達も助かっているしな」


 時折、というよりキューに関する事で、多少危険な速度を出したりする事はあったけど、いつも移動する時に空を飛んでもらい、乗せてもらう事で助かっている。

 本来なら長距離の移動は馬や馬車でとなるから、数倍は時間がかかるのを、短縮させてもらってるからな。

 たまには、エルサが全力で飛ばせてやらないとなと思う。


「飛ぶのだわ! 久しぶりの全力なのだわ! 楽しみなのだわ!」

「うわっぷ! おいエルサ、喜ぶのはいいけど興奮しすぎだ! ……モフモフが気持ちいけど」


 全力で飛べることに喜んだエルサが、テーブルから飛び上がり、俺の顔面にお腹のモフモフをくっつけてきた。

 モフモフが顔いっぱいで感じられて、気持ち良くて嬉しいんだけど、さすがにちょっと息苦しい。

 とりあえず、両手で捕まえて顔から引きはがしてテーブルに座らせた……もちろん、手はモフモフを撫でるのを忘れていない。


「大丈夫でしょうか? エルサ様が飛ぶとなると、町の民達が見て騒ぎそうですが……」

「まぁ、今は夜なので、空を見上げてもそうそう発見できないと思いますよ。それに、翼を多く出せば高く飛べると言うなら、見つからないくらい高く飛べばいいでしょうしね」

「……確かに、そうですね。わかりました、リク様の要望を通して来ます。……反対する人はいないと思いますけどね」

「ははは、すみません……お願いします」


 俺とエルサが話しているのを聞いていたヒルダさんは、心配そうな面持ちだ。

 昼間なら確かに騒がれてしまいそうだし、実際ヘルサルへ飛んだ時はいつもより城下町が騒がしかったらしい。

 けど、今は夜だから宵闇に隠れて飛び立つエルサはよく見えないだろうし、高度を上げればそれだけ視認されにくくなる。

 むしろ、こういう時の方がうってつけってわけだね。


 それに、エルサが全力で飛ぶ事に、いつも乗せてもらっている感謝とは別に、俺自身の興味もあった。

 どれだけの速度で飛ぶのかとか色々ね。

 せっかくドラゴンに乗れるんだから、そういう事も一度は試してみたいというのが、男心というものじゃないかな? 

 俺だけかもしれないけど。


「あと、ユノはどうする? 一緒に乗るか?」

「ユノも行くの! 全力で飛ぶのを見てみたいの!」


 念のために確認を取りに行くヒルダさんを見送り、期待したような目でこちらを見ていたユノにも聞く。

 当然とばかりに手を上げ、ユノも一緒に行く事が決まった。

 本来なら、全力のエルサに耐えられそうな俺だけでも良かったけど、ユノなら同じように耐えられそうだしね――。




エルサに乗って夜間飛行をする事になったようです。


読んで下さった方、皆様に感謝を。


別作品も連載投稿しております。

作品ページへはページ下部にリンクがありますのでそちらからお願いします。


面白いな、続きが読みたいな、と思われた方はページ下部から評価の方をお願いします。

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