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キューの農地確保のために

連載400話達成(特別編は数えていません)出来ました!

これもひとえに、読んで下さっている皆様のおかげだと考えています!


本当にありがとうございます。

これからもよろしくお願いします!




「リクさん、エルサちゃんに乗って行けば、大丈夫じゃない? クラウスさんと話をするにしても、何日もかかるものじゃないし……獅子亭でゆっくりしていられる時間も、あると思うわよ?」

「んー、そうかな?」

「そうね。明日出発するとして、エルサちゃんなら一日かからないでしょ? 到着した翌日話しをすればいいわ。そこからゆっくりしても……五日後、いえ、四日後までに帰ればいいんだから、余裕はあるわね」


 確かに、その日程で考えると余裕はあるか……。

 詰めれば、移動した日にクラウスさんと話しをする事もできるだろうし。

 向こうの予定次第な部分もあるから、確定ではないけど。

 獅子亭で、マックスさんやマリーさん達と話す余裕もありそうだし……うん、大丈夫そうだ。


「そうだね……わかった。一度ヘルサルに行って、クラウスさんと話をしてみるよ」

「ありがとう、助かるわ。……そうね、それなら、ハーロルトを行かせるのがいいかもしれないわね。何度かヘルサルにも行っているし、クラウスとも面識があるでしょう」


 承諾して、頷いて見せると、姉さんはハーロルトさんを一緒に向かわせる事を思いついたようだ。

 けど、ハーロルトさん……忙しそうなのに大丈夫なのかな?


「ハーロルトさん、大丈夫? 元々、農業関係の話だから、管轄違いっぽいし……忙しそうなのに……」

「ハーロルトは仕事をし過ぎなのよ。休暇代わりに丁度良いわ。それに、ハーロルトがいると、ヴェンツェルが書類仕事をしなくなるしね……」

「そうなんだ……」


 ヴェンツェルさん、確かに書類仕事は苦手そうだし、実際そう言っていたような気もする。

 ハーロルトさんに書類関係を押し付けて、自分は体を鍛えたり、兵士を鍛えたりしてるんだろう。

 鍛えることはいい事だけど、この機会にヴェンツェルさんに書類仕事をさせようと、姉さんは考えてるらしい。

 というか、ハーロルトさん……休暇代わりにヘルサルまでお遣いって、休めるのか少し心配だ。


「それじゃ、リク達はヘルサルへ行く事に決まりね。エフライムはその間に、私と一緒に文官達との会議よ。キューを重点的に増産する事を、説き伏せないといけないわ」

「はい、微力を尽くします!」

「頭の固い文官達だから、頑張らないとね。まぁ、これもいい経験か」

「そうですね。祖父からは、王都で色々な物を見聞きし、経験を積んで来いと言われておりますので」

「……多分それ、会議とかに参加という意味じゃないと思うけど……まぁいいわ。よろしくね」


 俺達はヘルサルへ、姉さんとエフライムは会議でキューの増産の計画を考える事に、改めて決まった。

 エフライムは、城での会議に参加という事で、若干顔が引き攣ってるような気もするけど、やる気は十分なようだ。

 姉さんの言うように、クレメン子爵の言っていた経験と言うのは、会議とは違うと俺も思うけど、これもいい経験になるのは間違いないだろうね。


「さて、そろそろ夕食の準備も整った頃かしら? リクの部屋に移動ね」

「そうだね、エルサやユノがお腹を空かせてそうだし。それはいいけど、今日も陛下はこっちで食べるの?」

「何よ、いいじゃない。私の心休まる唯一の空間なんだから。リクがヘルサルに行くと、また心労を重ねる日々よ?」

「それは、言い過ぎなんじゃないかな……?」


 姉さんが椅子から立ち上がり、皆で執務室を出ようとする。

 俺がいる時は、毎日夕食を姉さんと一緒だけど、それでいいのか少し心配。

 まぁ、姉さんやヒルダさんがそれでいいと言うのなら、いいのかな?


「……陛下とリクは、凄く親しいのだな。今まで見て来て……なんというか、女王陛下と英雄というよりも、姉弟のようにも見える……」

「あははは、そ、そうですね……」


 俺と姉さんが執務室を先に出て、後ろを歩くエフライムとモニカさんが、何やら話しているのが聞こえた。

 普通だったら、女王陛下とこんなに気安く会話しないか。

 というかエフライム、鋭いね……俺と姉さんの会話を聞いて、姉弟のようだと感じるとは。

 呼び方は気を付けてるけど、お互いの話し方が、以前の感覚に近いからかもね。

 実際に姉弟だったしなぁ……。



「美味しいのだわ……けど……だわぁ」


 部屋に戻り、夕食を頂いてるけど、何やらエルサはいつもより元気がない。

 昨日までと同じように、キューを積んであるお皿に向かって、両手に持ちながら齧ってるんだけど……。


「どうした、エルサ? いつもより食べる勢いがないじゃないか。食べすぎて飽きたのか?」

「キューに飽きるなんて、世界が終わってもあり得ないのだわ。でも、キューが……キューがなくなってしまうかもしれないのだわ」

「いや、なくなったりはしないんだけど……」


 後ろ足で立ち、前足(手?)でキューを持ちながらだが、俺の方へ顔を向けながら、キューがなくなると嘆いている。

 心なしか、眼も潤んでいるような気がしないでもない。


「ちょっとりっくん……やり過ぎたのかもしれないわよ?」

「……そうだね。何の情報も与えないようにして、暴走を防いでたつもりだけど……ここまで落ち込むなんて」

「エルサちゃんは、キューが不足し始めて、このままじゃ食べられる量が少なくなるとまでしか、言ってないんでしょ?」

「うん。考え過ぎて、キューそのものがなくなるとまで考えてるみたいだ……」


 元気のない様子を見せるエルサに、心配した姉さんが俺にこっそり耳打ちして来た。

 昨日のように、急に大きくなろうとしたりさせないために、キューに関する事をエルサには知られないようにしてたけど……ちょっと失敗したかな?

 他の皆はコソコソ話してるのはわかっても、内容は聞こえないような声量で話してる俺と姉さん。

 だけど、いつものエルサだったら、それでもしっかり聞き届けて反応するはずなのに……よっぽどキューの事が気がかりで、そっちに意識が向かないんだな……。


「仕方ない、食後に話そうと思ってたけど、今のうちに話しておくか」

「そうね。もったいぶる事でもないし、今のうちに話して元気になってもらわないとね」


 姉さんと視線を交わし、頷きあう。

 食後の落ち着いた頃に、皆に話して明日ヘルサルへ向かう事を伝えようと考えてたけど、今のうちに伝える事に決めた。

 元気のないエルサは、見てて心配になるからね。


「えっと、皆……それとエルサ?」

「なんだ、リク?」

「どうしたの?」

「どうしたのですか、リク様?」

「……なんなのだわ? 今はキューの事が大事なのだわ……」

「そのキューに関する事なんだけどな?」

「キューがついになくなってしまうのだわ!?」

「いやいや、そんな事はないから、落ち着けエルサ」


 俺が食事をする手を止めて、皆に話し掛けると、ソフィーやフィリーナ、レナが声を出し、他の皆は視線だけを向けて来た。

 モニカさんとエフライムは、さっきまで相談して内容を知ってるから、特に大きな反応はない。

 問題はエルサだな……キューの事で頭がいっぱいで、しかも悲観的な思考になってるから、キューがなくなるとか、そういう話だと勘違いしてる。

 俺は、キューがなくなったりはしないと、エルサを落ち着かせつつ、話を始めた。




エルサはキューの事を心配するあまり、ネガティブ思考に陥っているようです。


読んで下さった方、皆様に感謝を。


別作品も連載投稿しております。

作品ページへはページ下部にリンクがありますのでそちらからお願いします。


面白いな、続きが読みたいな、と思われた方はページ下部から評価の方をお願いします。

また、ブックマークも是非お願い致します。

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