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神とモフモフ(ドラゴン)と異世界転移  作者: 龍央


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1859/1950

まずは東村の方から様子見をする



「とにかく、あれとは違って私は借り物の力で魔物を創るしかなかったの。だから、生物としての理を無理矢理ねじげる事はできないわ。やってもせいぜいが、特徴の一部を強化、増幅させるとかね」

「えーっと、それはどういう?」

「……あまり思い出したくないけど、昨日見たデュラホースがいるでしょ?」

「う、うん」


 ちょっと視線を外しながら、デュラホースと口に出すロジーナ。

 本多央にお酒を飲んでいたわけじゃないと思うけど、酔ったような状態で考えて創ったとも言っていたから、ロジーナにとっては汚点のようなものであまり考えたくないんだろう。


「あれは基本が馬なの。馬は人以前に、肉を食べないでしょ?」

「まぁ、草食だね」

「そう。元になった、という程ではないけど、姿が似ている生物と生態は大きく変える事ができないの。で、馬は走るわ。その走る部分を強化、増幅してひたすらまっすぐ進むようにしたのがデュラホースなの。ただただ真っ直ぐ突き進むのみよ。まぁ、色々問題があって、真っ直ぐ走り続けた結果いずれ力尽きるのだけど。そもそも何も食べられないし」

「口とかないからね」


 デュラホースは、首がない以外の形は馬その物だった……まぁ、体は馬よりも大きめで屈強にはなっていたと思うけど。

 だから体のどっかに異形の口があるとかはなく、経口摂取で栄養補給する事ができないのは見た目の通りだってわけなんだろう。


「……例として少し間違っていたけど、とにかくデュラホースが何かを食べられるとしても、人を食べる事はないわ。襲う事はあるでしょうけど」

「えーっとつまり、魔物のはそれぞれの生態があるから、絶対に人を襲って食べるってわけじゃない?」

「えぇそうよ。人を襲う本能は、ほぼ全ての魔物に刷り込ませてあるわ。まぁ一部、人がいじった事でおかしくなったのか、リクに協力したうえ人を襲う事もないワイバーンとかもいるけど」

「まぁ、リーバー達はちょっと特殊なんだろうね……」


 魔物ではあるけど、帝国の研究と実験で生み出されたとも言えるし。

 以前大量に王城を襲ったワイバーンは、他の魔物と同じく人を襲うので間違いないし、理性的な感じは一切なかった。

 まぁそもそもに、リーバーと出会う前は他のワイバーン達も、敵と認知した俺達を襲おうとしていたんだけどね……エルサが遊び半分でやった空中機動に翻弄されてはいたけども。


「だから何が言いたいかっていうと、街の方ならそれなりの防衛力があるでしょ? だから魔物の集団が向かっていていても少しは耐えられる。けど村はそうじゃない可能性が高い。そして魔物によっては、集団である事も加味すると、食料の確保のために動く事もあるってわけ」

「作物を食い荒らすため……か」


 要は、肉食だけでなく草食な魔物もいるんだから、農作物を目当てに村の方へ向かう魔物の方が多いもしれないって事か。

 同じ人がいる場所でも、食べ物の匂いか何かがする方、そして人が少なく襲いやすい方が、合理性だけでなく本能的にも向かいやすいとかもあるかもね。


「基本的には、姿が似ている、または近い他の生物のような生態、食性だと思っていればいいはずよ。強化と増幅が行き過ぎて、反転したような例外もいるし、全てを破壊する観念から雑食性が前面に出ている魔物も多いけどね」


 雑食性を強くしたって言っていたのは多分、どんな物でも食べるなりなんなりで、それが破壊につながるから……という事かもしれない。

 ともあれ食性に関してだけでなく、ロジーナの話を聞く限りでは生態としても、似ている姿の何かに近いようでもあるので、魔物の対策を講じる手段にもなりそうだから、覚えておこう。

 レムレースみたいな、定まった形のない魔物は別だろうけど……。

 まぁでもそうか、リーバー達は別物だとしても魔物が必ず人を最優先で襲うのなら、もっと多くの場所で危険度が高くなり、魔物と人との衝突が起こっているか。


 街道沿いなど、人の気配が濃い場所などでは魔物が出没する可能性が下がったりなど、魔物側でもこちらに近付かないようにしているのもいるみたいだしね。

 それは、人に近付かないようにする一部の動物の生態にも似ている気がした――。



「それじゃまずは、南東の村を目指すよエルサ」

「了解したのだわー」


 一応念のため、街の近くは通るようにしつつ、まずは地図上でも俺達のいる場所から近いと思われる、南東の村へと向かう事にする。

 昼食を終えて後片付けや少しの準備の後、再び大きくなったエルサの背中に皆で乗り込み、魔物の集団捜索に再出発した――。



「やっぱり、地図をあまり過信しないようにしないといけないね……」

「そうね。もう少し街と村は近いと見ていたんだけど」


 エルサに乗って村を目指す中、遠目にようやくそれらしき建物が見えるようになってから、モニカさんと話す。

 地図では徒歩でもすぐ到着するだろう距離に書かれていたのに、実際はエルサでも数十分程……ヘルサルとセンテの距離とそう大差ないくらい離れているのがわかった。

 まぁ、街の方は迂回したため遠目にも見えないから、実際はもう少し離れているかもしれないけど。

 地図自体、正確な測量を元にして書かれたのではない物のようだったから、こういう事もあるか。


「とりあえずは、村の方に何事もなさそうだが……」

「そうですね。村の東には、畑が広がっていますが、そちらにも魔物らしき物は見られません」

「うん。エルサ、どうかな?」

「ちょっと待つのだわー」


 ソフィーとフィネさんに頷いて、エルサに探知魔法で魔物が近くにいないかを探ってもらう。

 空から見下ろしているから、結構遠くまで見えるんだけど、やっぱり探知魔法の方が遠くまでわかるからね。


「向こうから、ゴブリンの群れが近付いているのだわ」


 空中で体ごと方向を変え、東北方面を示すエルサ。

 近付いているのはゴブリンらしいけど、それなら移動速度はそう速いわけじゃないし、遠目にも見えないくらいならかなり離れているんだろう。


「やっぱり、こっちに魔物が来ていたみたいだね。まぁ緊急性はあまりないだろうけど、でもロジーナの忠告に従って良かったかな」

「典型的な雑食の魔物ね」


 ゴブリンはずる賢いから、人が多そうな街よりも村の方を目指すくらいの事はしそうではある。


「エルサ、ゴブリンの進む方向は?」

「村よりも少しズレているようなのだわ。このまままっすぐ進むなら、畑に向かっているのだわ」

「やっぱり、か」

「あと、少し数が多そうなのだわ。小さいのがわらわらと面倒なのだわー」

「数が多い……?」

「可能性としてだけど、他のゴブリンの集団と合流した可能性がありそうね。同種族であれば、集団行動を好むし、数が多ければ多い程大胆に行動始めるのがゴブリンだから」


 エルサと俺の話を聞いて、モニカさんがそう言った。

 確かに、ヘルサル防衛線の時の事を考えたら、ゴブリンなら他の集団……というか群れを吸収して、村などを襲うなんてのもあり得るか――。




これまでよりもさらに多い集団の可能性が高いようです。


読んで下さった方、皆様に感謝を。


別作品も連載投稿しております。

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