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神とモフモフ(ドラゴン)と異世界転移  作者: 龍央


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リザードブレイド討伐完了



「ガァ?」

「うん、チャンスだね。さすがリーバーだ。えっと……モニカさん。リザードブレイドに効きそうな魔法ってあるかな? 兵士さん達も使えそうなやつ」

「そうね……炎には強くなっているけど、結局ワイバーン程じゃないわ。さっきも、いくつかのリザードブレイドを倒していたようにね。他には……向こうも使っているように水との相性がいいらしくて、水系の魔法は効きづらいわね。寒さにも強いらしいし……」


 見た感じ、完全に爬虫類なのに寒さに強いとは……。

 変温動物は外気が冷えると動きが鈍くなったり、冬眠するというのは日本で習ったけど、魔物だからだろうかそういった部分とは無縁みたいだ。


「土……はこちらが空を飛んでいる限り扱いづらいでしょうし、使うなら風ね。リザードマンもそうだけど、多少固くて滑る体表も風なら斬り割けると思うわ。もちろん、一定以上の威力があればだけど」

「成る程ね。それじゃ……」


 手旗信号的な、見様見真似とも言えない適当に考えた動きで、隊長さんを呼ぶ。

 ……伝わらなかったため、リーバーが鳴き声で隊長さんが乗っているワイバーンを呼び寄せてくれたのは、ここだけの話。

 ともかく、モニカさんと話した事を伝え、威力を強めた魔法、できれば風の魔法で地上のリザードブレイドに攻撃する旨を伝えた。

 空の動きに関しては、ワイバーン達がよくわかっているらしく、特殊な性質を持っていても乗せている兵士さん達に怪我させないよう動いているようだからお任せだけどね。


「一から三まで、放てぇっ!!」


 隊長さんによる号令で、簡易的に割り振られた数字のワイバーン達、その背中に乗る兵士さん達から魔法が放たれる。

 数字は、数体ずつでワイバーン達が別れたのに割り振られた間に合わせの物だけど、王城に戻るなりとかで落ち着いたら正式に取り入れられるんだろう。

 ともかく、放たれた魔法は風と炎の混合で、それぞれが地上のリザードブレイドに殺到する。

 風は見えないけど、なんとなく空気の揺らぎや打ち上げられたリザードブレイドの水刃を斬り割いているから、遠くから落ち着いて見ていればその軌跡がよくわかるね。


「一から三は散会! 四と五は援護を……放てっ!!」


 さらに隊長さんからの号令。

 魔法を放った方にリザードブレイドが注目し、水刃の準備が開始されたのを見たからだろう。

 避ける事に集中すれば、ワイバーン達が水刃に当たる事は……あ、一体だけ足の先を掠めたっぽいけど、無事みたいですぐ再生していた。

 ちょっと油断してたみたいだね。


 ともかく、援護の魔法が放たれるなど、挑発するワイバーン達以外は交互に魔法を放っていく。

 挑発されて、上空の色んな場所から魔法を放たれて、リザードブレイドは散々な目に合っているね……まぁ、動いて避けているのもいるけど、やっぱり空と地上では機動力が違う。

 確実に狙われたリザードブレイドが倒れて行き、少しずつ数を減らしていく。


「このままいけば順調に討伐完了になるだろうけど……ちょっと決め手に欠けるかなぁ? やっぱり、水刃が邪魔になっているね」

「まぁ、相殺されているからね。安全を期すなら、このままでもいいだと思うわよ?」

「そうなんだけど、兵士さん達の消耗もあるからなぁ」


 順調に数を減らしてはいっているけど、一気に勝負を決められない。

 それは、兵士さん達が放った魔法がリザードブレイドの水刃に当たって、相殺されたり威力を弱められたりしているからなんだけど……。

 確かにモニカさんの言う通り、このまま見ていたら安全に討伐されるだろう。

 でも、水刃の勢いを見ていればわかるけど衰えていないリザードブレイドに対して、兵士さん達の消耗は顕著だ。


 魔法その物の威力や勢いが、明らかに弱まっている。

 着実に数を減らしているリザードブレイドだけど、そのかわり兵士さん達の魔法の威力も弱まっているので、加速度的に討伐が早まるなんて事もない状況だ。


「まぁ、もう数体程度だから一気に決着をつけるために、全員で突撃とかでもいいんだろうけど……」


 モニカさんと話している間にも、リザードブレイドは残り六体……いや、魔法に耐えて立ち上がったのもいるから、七体か。

 もう少し減ったら、一気に空からワイバーン達に突撃してもらって一気にとできなくもないだろうし、危険も少ないだろう。

 けどできるなら、このままの戦法で決着がつくのを見たい……というのは、俺の我が儘だろうか?


「ガァ……ガァゥ!」


 そんな風に俺が考えていたら、リーバーが何やら狙いを定めるようにしつつ、大きく吠えた。

 次の瞬間、リーバーから放たれた大きな火球がワイバーン達目掛けて打ち上げられた水刃を包み込む。


「おぉ……」

「さすがリーバーね」

「ガァゥガァ」


 リーバの火球によって、リザードブレイドの水刃がかき消され、打ち下ろされる兵士さん達の魔法は一切の妨害を受けず、地上へ殺到。

 成る程、相殺されるならその邪魔な水刃を打ち払えばいいって事か。

 ……でもそれなら、リーバーも火球をリザードブレイドに向けて放っても良かったんじゃ? 開戦の一撃でも、リーバーの火球が一番威力が高くて、リザードブレイドを倒していたみたいだし。


 とは考えたけど、嬉しそうな鳴き声のリーバーには言わず、モニカさんと一緒に体を撫でておくだけにしておいた。

 まぁ、ワイバーン達や兵士さん達が協力して倒す事に意味があるわけで、今回のリーバーは援護係だという事にしておこう。


「……うん、動いているリザードブレイドはいないみたいだね。死んだふりとかしていなければだけど」

「そこまでの事をするリザードブレイドはいないと思うけど……一応は注意しながらね」

「ガァ」


 しばらく後、完全にリザードブレイドが沈黙したのを確認。

 見下ろす限りでは動いているのは一体もいないので、討伐は完了した物と思われる。

 ともあれ、立ち上がったり身動きできなくなっているだけで、まだ生きているのもいるかもしれないのでモニカさんの言うように注意しながら、リーバーやワイバーン達と共に地上に降り立つ。

 遅れて、離れた場所で様子を見ていたエルサも降りてきた。


「各自、魔物の生存確認を。くれぐれも油断はするな!」

「「「はっ!」」」


 ワイバーンから降りた隊長さんが、他の兵士さん達に指示を出す。

 リザードブレイドの生存確認と、もし生きていたら止めをってところだろう。

 二人一組で動いて、指示にもあったように油断しないよう動いているのはさすが訓練された兵士さん達だなと感心。

 まぁやっているのは魔法を使っていない兵士さん達で、魔法を放ち続けていた兵士さん達の方は、一部が地面にへたり込んでなど、疲れが顕著なので休憩しているけど……お疲れ様です。


 その後、まだかすかに息のある数体のリザードブレイドを確実に倒しつつ、隊長さんやモニカさん、エアラハールさんやアマリーラさんなどを含めて感想戦。

 とはいっても、これまで背中に乗っている兵士さん主導でワイバーンに動いてもらっていたけど、それがリーバーが統率したワイバーンがこれほどまでに見事な動きをするとは……みたいな話に終始したけどね――。




隊長さんとリーバーが協力したら、数は少なくとも強力な部隊になれるかもしれません。


読んで下さった方、皆様に感謝を。


別作品も連載投稿しております。

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