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神とモフモフ(ドラゴン)と異世界転移  作者: 龍央


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連続する爆発の関連性



 アマリーラさんの話によると、東側で起こった爆発は今俺達がいる場所とは違って、建物内で起こったとの事だ。

 建物内での爆発だったからこそ、威力が抑えられて規模が小さかったって事か? いやでも、この場の惨状を見る限り、頑強な造りをした建物内だとしても小規模で済むようなものじゃないはずだ。

 ガス爆発……はそもそも、爆発するようなガスを一般的には使っていないから起こらないし、可燃性の物に引火してただ爆発が起こったというだけなのだろうか?


「こことの関連性は調査中ですぅ。爆発、という事で繋げて考えている者がいるようですけど、本当に関係しているかはわかりませんー。だたぁ……」

「ただ?」

「以前も、大規模に複数の建物が破壊される程の爆発が起こった時、その前に小さな爆発があったみたいなんですよぉ」

「大きな爆発が起こる前に、小さな爆発……ですか」

「兵士たちの中では、その小さな爆発で注目を集めてから、大きな爆発を引き起こして対処を遅らせているのではないか、と考えているのもいるようですぅ」

「陽動、みたいな事ですか……」


 小規模とはいえ、爆発騒ぎが起きたら対処はしないといけない。

 だからそちらに注目を集めておいて、その後起こされる大規模な爆発の初動対応を遅らせるという、陽動としての役割があるのかもしれないね。


「いやでも、陽動にしてもやれるならできるだけ大きな被害をもたらしたいだろうし……ちょっとだけ違和感を感じるなぁ……うーん……」


 何か別の意図を感じるのは、気のせいだろうか?

 それにもう一つ……。


「陽動かはともかく、中央冒険者ギルドの建物が破壊されたのとは、また違う爆発の仕方のような気がするんですよね」

「それは私も思っていましたぁ。あちらは何というか、建物を狙ったような爆発だったかと。私達は痕跡を見ただけですけどぉ……それに対して、こちらは無差別に爆発しているような感じですぅ」

「……ですよね。爆発の仕方とか、結構細かく調整できるのかもしれませんけど」

「いや、それはおそらくできないだろう」

「アルネ?」


 報告を俺と一緒に聞くだけでだったアルネが、否定する。


「隔離した不審者を見る限りではあるが、ある程度体内の魔力のバランスをとる必要があるはずだ。そのため、爆発の指向性を持たせる事はほぼできないだろう。体内に収められる魔力の量は個体差があるため、威力に多少違いはあるだろうが……それも、大きく違いはないように思う」

「それじゃ、中央冒険者ギルドだけは異質な状況になるけど……」

「私は見ていないからなんとも言えんが、爆発した人物によって爆発後の結果が少し変わるくらいはあるかもしれん……はっきりした事はわからんし、今の段階では言えないが……」


 話を聞けば聞く程、中央冒険者の跡地で見た痕跡が異質に思えて行く。

 アルネ自身もはっきりとは言えないみたいだけど、エルサも少し気にしていたし……別で考えるとかではないけど、あちらは特に気にしていた方がいいのかもしれない。

 ともあれこちらは今後調べるとして……。


「うーん……それじゃ、小規模の爆発が起こったっていうのはどうなんだろう? 威力が大きく違わないのなら、小さな爆発にするのは難しいんじゃない?」

「そうだな。隔離した不審者は、ギリギリのところで体内の魔力バランスを取っていたように思う。そのため、バランスを保つように外部から魔力を注がねばならんはずだが……もしかすると、また別の仕掛けなのかもしれん。さすがに、これだけ状況が重なっているのに、完全に別件での事件だとは思えない」

「そうだよね……」


 可能性としては考えたけど、やっぱり小規模の爆発も大規模の爆発も繋がっている気がする。

 というより、関係ないと考える方が不自然だ。


「その小さな爆発の方は、人が爆発したのは間違いないんですか?」


 そう言えば、爆発したというのを聞いただけで、頭の中で勝手に繋げて人が爆発したんだと思い込んでいたけど、そういう話は聞いていなかった。


「そこまではまだ、調査中のようですぅ。けど、これまでに起こった小規模爆発も含めて、人が爆発したという目撃証言などは今のところないそうですぅ。それと、全て建物内で起こり、その建物が破壊された以外に被害はなかったそうですよぉ」

「それはまた……あらに作為的なものを感じますね……」


 大きな爆発の時は外で周囲に衝撃と爆炎を撒き散らしておきながら、小さな爆発の時は建物内でしか起こっていない。

 できるだけ大きな被害をもたらしたいのであれば、小さくとも外で他の人や物を巻き込むように爆発させた方が効果的なはずだ。

 事実、クラウリアさんがヘルサルで破壊活動をしていた時は、そうしていたはずだし。

 何か、そうせざるを得なかった理由があるような気がする……。


「東側、というのは結局どこで爆発したのですか?」

「そうですねぇ、東門近くだったと聞いていますぅ」


 アルネが聞くと、尻尾をそちらに向けながら答えるリネルトさん

 一応手でも示しているけど、そういうところは獣人らしさが出ている……尻尾の毛は、アマリーラさんと同じくチリチリになっているけど。

 くそう、モフモフが損なわれているのを見るのは、やはり心が痛い……! という事に意識を向けているわけにもいかず、アルネの話に集中する。


「ふむ……陽動の意味もあるのかもしれんが、もしかしたらきっかけ、なのかもしれんな」

「きっかけ?」

「あぁ。最初に小規模爆発が起きたのが東側……東門近くであるなら、城下町の東端になる。そして、リクが不審者を発見した場所は確か……」

「南西あたりかな。その中心近くだったはずだよ」

「そしてここの惨状。ここは、城下町で北西にあたる。つなげて見ると、三角形になるんだ。それに意味があるかは微妙だが……」

「つまり、東端で小規模爆発を起こして注目を集め、北西と南西で大規模爆発を起こすつもりだった……と?」

「推測だがな。それならば距離としても離れているし、対処も遅れるだろう」


 初動対応を遅らせるという意味と、きっかけとして小さな爆発を起こして、他の場所で大規模な爆発を誘発させる、という事か。


「そういえば、エルサが外部からの魔力が不審者に向かっているって言っていたっけ……」


 エルサが結界を張って防がなければ、あれで不審者も爆発した可能性が高い。

 という事は……。


「小さな爆発をきっかけに、外部から魔力を注いで爆発させるという仕組みなのかもしれん。詳しくはもっと調べてみる必要はあるだろうが……あと、リクの話とここでの爆発の間隔が空いているのも気になるな」

「確かに。同時に爆発させるつもりなら、エルサが結界を張った前後でここも爆発していてもおかしくないよね。まぁ、別々に爆破して対処を遅らせようという考えだったのかもしれないけど……あぁ、そういえば、エルサが結界を張る前にちょっとだけ揺れた気がしたんだよね。もしかすると、あれが小さな爆発が起こった時の事なのかもしれない」


 俺とアマリーラさん、それからリネルトさんくらいしか感じなかったくらい、微小な揺れだったけど。

 それも関係があるのだろうか――。




少し前に感じた揺れも、爆発と関係していたのかもしれません。


読んで下さった方、皆様に感謝を。


別作品も連載投稿しております。

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