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神とモフモフ(ドラゴン)と異世界転移  作者: 龍央


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不審者を地下牢に隔離完了



「あ、もしかしたら……レッタさんがいればもう少し早くなったりしないかな?」

「レッタ、というのは特殊な能力を持っている人間だったか。話には聞いているが……」

「協力してくれるなら、ではあるけど……」


 ある程度協力的ではあるけど、完全に味方で何でも協力しくれるってわけじゃないからね。

 それをアルネに前置きしつつ、レッタさんの能力である魔力誘導を使えば、もう少しくらいは効率よく外部の魔力を吸収できるんじゃないかって話をした。

 アルネが能力を見た事がないのもあってか、確実とは言えないようだったけど、かなり早める事ができる可能性があるとは言ってくれた。

 王城に戻ったら、レッタさんに頼んでみようと思う……ロジーナをなんとかして乗せた方が、レッタさんが協力してくれる確率も上がるかな?


「……そろそろ、結界が切れるのだわ。少し離れるのだわ」

「わかった」


 話しているうちにそれなりの時間がたっていたようで、エルサの結界が解除される事を教えてくれたので、アルネと一緒に離れる。

 ただちに爆発しないだろうというだけで、魔力の多い俺やエルフのアルネが触れたり近付き過ぎたら危険だからね。


「あ゙……あ゙あ゙あ゙……あ゙あ゙あ゙あ゙」


 距離を取る俺達の耳に、再び不審者からの濁った声が聞こえ始める。

 包み込んでいた結界がなくなったからだろう。

 あまり聞きたい声ではないけど、まぁ仕方ない。


「リク様、地下への道が開けました」

「ありがとうございます。それじゃあ運びましょうか……とは言っても、俺達は触れると危険なので任せる事になるんですけど……」


 そうこうしている間に、中隊長さん達が地下への扉を全て開けてくれたようで、呼びに来る。

 俺やアルネ、それにアマリーラさんやリネルトさんは魔力の関係で、不審者に触れると爆発する恐れがあるため、申し訳ないけど運ぶのは兵士さん任せだ。

 ここまで運んで来た時と同じように、魔力が苦ナメの兵士さんが三人がかりで不審者を運び始める。

 地下への道は、階段もあるため多少運びづらそうではあったけど。


「ここが、隔離するための牢、なんですね」

「はい」

「……思っていたよりは、普通なのかな?」


 不審者を運びつつ、中隊長さんに案内される地下牢。

 中隊長さん自身も今回初めて中に入るみたいだけど、扉を開けて俺よりも先に入って調べていたようだ。

 階段を降りた先の地下は薄暗く、一応通路には明りが灯せるようになっていて既に中隊長さん達が、明りをいくつか取り付けてくれていたらしく、通るのに不自由はない。

 まぁ足元はほとんど見えないけど。


 まっすぐ伸びた地下の通路をしばらく進むと、鉄格子になった扉が複数の場所に出る。

 扉が通路の左右に並ぶ手前と奥には、少しだけ開けた空間が作られていて、そこに見張りの人などが控える場所となっているのだと思われた。

 通路からずっと、壁は土だけどかなり硬く固められていて、道具でもなければ欠片も掘れそうにないうえ、壁もかなり分厚い。

 鉄格子から覗き込んだ先にある牢屋は、二畳程度の広さで扉以外に出入り口などはない。


 場所が場所だけに、簡単い脱走できるような場所じゃないのはわかるけど、もっと過酷な環境がまざまざとみられるような場所を想像していたけど、それと比べれば普通の牢屋のようにも感じた。

 まぁ、さすがに拷問とかをする場所じゃなく、隔離するためだけの場所だからそれも当然ではあるかな。

 そして、いくつかある鉄格子の扉を中隊長さんが開け、その中に不審者を入れる。

 不審者はずっと変わらない様子で、逃げようとは考えられないけど念のため、鉄格子の扉はしっかりと鍵をかけて隔離完了だ。


 帝国の破壊工作に利用されて、不憫な人ではあるけど……他の場所でもしもの事が起きてはいけないため、仕方ない措置だと思っておく。

 ちなみに鉄格子の扉は、それぞれ三つの鍵がかけられており、それを別々の人が管理する事でさらにセキュリティを増す事ができるだろう事が想像できた。

 本当に、脱走とか絶対にできないようにされている、強固な場所だったんだなぁ。

 さすがに今回は不審者に脱走の意思どころか、意識があるかも怪しい状況のため、別々に鍵を管理などはしないようだけども。


「では、すぐに研究員を寄越します。対処法が完成すれば、そちらもただちに始めますので……」

「了解しました。こちらは、交代で見張りを立てておきますので、他の者が入り込まないよう厳重に管理いたします」


 などなど、中隊長さんとアルネが不審者のこれからの対処や、爆発する可能性を取り除くための研究というか対処などを話し合いながら、外に出る。

 ちなみに地下への扉は、全てではないけど複数が再び閉じられた。

 誰かが入り込まないようにという措置だね。


 許可は取ってあるから、入ろうとすれば今回よりも短時間で入れるし、アルネから研究室の誰かが来て詳細を調べる時などにも開けられるんだろうけど。

 ……カイツさんとか、絶対に来そうだから迷わないようにと、触れないようにという注意は徹底しておいてもらわないとね。


「それじゃあ、中隊長さん。他の皆さんも。ありがとうございました。よろしくお願いします」

「はっ! お任せ下さい」


 家の前で、中隊長さんを始めとした兵士さん達にお礼や挨拶。

 ここで見張りなどをする中隊長さんとは別れ、俺とエルサ、アルネとアマリーラさんやリネルトさんは、このまま王城に戻る予定だ。

 アメリさんも王城に留まっているらしいし、のんびり城下町をブラブラする気分でもなくなったからね……奥にアルネは、早く研究室に戻って研究の続きなどをやりたそうでもあるし。


 それに、日が傾き始めていてそろそろ戻っておいた方がいい頃合いだ、モニカさん達も戻って来るだろうしね。

 そうして、王城へと向かって歩き出そうとした時……。

 ズンッ!! と、お腹に響くような音と共に地面が揺れた!


「っ!? な、何が!?」


 思わず大きな声を出して、周囲をキョロキョロと見てしまうけど……アルネやアマリーラさん達など、兵士さんも含めて他の人達も同じような様子だった。

 お腹に響く重い音は花火とかで経験があるけど、地面の揺れは違うものだ。

 一体何が……!


「リク様、あれを!」


 いち早く、何かを見つけたらしいアマリーラさんの叫び、手を伸ばして指し示す方を見てみると……。


「煙……?」


 黒々とした煙がモクモクと空へと立ち上っていた。

 火事……いやでも、さっきの音や揺れはただ建物が燃えているだけというわけではなかったはずだけど。


「何かが起こったのかもしれない。とにかく行ってみよう!」

「はっ!」

「リクは先に行ってくれ! 俺は後から行く!」

「わかった!」


 考えていても仕方ない、何か協力できることがあるかもしれないし、原因を探る意味も含めて黒煙が上がっている場所へ急行する事を即断。

 アルネは、運動不足から遅れる事がわかっているからだろう、とりあえず俺達が先行する事になった。

 中隊長さんも俺と同じく、現場に急行するように走り出した――。




何か大きな事件が起こったようです。


読んで下さった方、皆様に感謝を。


別作品も連載投稿しております。

作品ページへはページ下部にリンクがありますのでそちらからお願いします。


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