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神とモフモフ(ドラゴン)と異世界転移  作者: 龍央


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暫定的にクラン員の確保



「多少違うでしょうけど、以前ナラテリアさんとカヤさんがやっていた仕事と、似たような事をやって欲しいんです。まぁ、使用人として誰かのお世話をするとは違う方向になるでしょうけど。……いや、ある意味お世話とも言えるのかな?」


 クランに所属する冒険者さん達のために働いている、と考えれば使用人として働くのと大きな違いはないのかもしれない。

 内容というか業務自体は全然違うだろうけど。


「クランの裏方での仕事、という事でしょうか……?」

「そうですね、カヤさんは先程も自分で言っていましたが、表に出るような仕事ではありません。場合によっては、冒険者ギルドの人と話したり、冒険者さんと話したりする事くらいはあるでしょうけど。でも、どちらも内部的というか……対外的な事ではないでしょうね」


 依頼に関する交渉……があるのかはわからないけど、それらをしてもらったり、冒険者さんに依頼を任せたりなどだね。

 対外的な事は多分、大体俺がやる事になるんだろうし、表に出る事が得意ではないと感じているカヤさんにもそこまで負担にはならないと思う。


「私も、カヤさん同様に人と接するのは少し苦手です……なんでか、皆私を見て怯える事がありまして……」

「怯える……?」


 ナラテリアさんが俯き加減でそう言うけど、怯える人がいるとはとても思えない。


「その……視線が鋭いとかで、睨んでいるように感じるみたいです」

「あ~……」


 確かに、釣り目気味で少し目が細いから、もしかしたら睨んでいるように見えるのかもしれないね。

 今は俯き加減だけど、真っ直ぐに目を合わせたら視線が鋭く感じてしまうってところだろう。

 厳しめの雰囲気は、そこから醸し出されているんだろうけど……それも一つの個性というか、一部の人は喜びそうな雰囲気でもあるんだけどなぁ。

 こう、眼鏡をクイッと上げながらきつい事を言うようなイメージで……だから眼鏡はないんだけども。


 あくまで俺のイメージだし、俺にはそんな趣味はないと断っておくけど、完璧主義というか厳しくても仕事はきっちりこなす美人な経理事務員、という感じだ。

 上司にしたら、憧れる男性とかいるかもしれないとも思える。

 まぁ、実際のナラテリアさんはカヤさん程じゃなくても、見た目の雰囲気とは違って厳しい人ではないようだけども。


「うーん……そんなに怯えるような程じゃないと思うんですけどねぇ。まぁでも、冒険者さんや冒険者ギルドの職員さん達が相手になる事が多いでしょうし、これまでと同じような事はないと思うので大丈夫ですよ」


 荒くれ者も多い冒険者だし、ちょっと厳しめの雰囲気だからってナラテリアさんに怯えてしまう冒険者はほとんどいないだろう。

 そんな事だと、魔物ともまともに戦えるか怪しいくらいだしね……むしろ、冒険者さんの方が強面だったり、攻撃的な見た目の人もいたりするからね。

 本当に見た目で攻撃するわけじゃないだろうけど、場合によっては魔物以外にハッタリとかに使えるとかなんとか。

 あと、冒険者ギルド職員さんも、そんな冒険者を相手にしているのでナラテリアさんに怯えるような人はいないと思う。


「とにかく、ナラテリアさんとカヤさんには今話したように、クランで働いてもらえればと考えているんです。もちろん、二人が嫌とかなら別の方法を考えますけど……」


 拒否されたらそうだね……王城にだってそういう仕事をする人がいるだろうし、そちらに推薦するとかかな?

 まぁ俺の近くでお世話をしたりとかっていうのとは、全然違ってしまうだろうけども。


「い、いえ、いやだなんて事は全くありません! リク様のお役に立てるのなら、それが例え直接お世話する事でなくても構いません! それに、十分私やカヤさんにも配慮されているようで、感謝しかないくらいです!」

「わ、私もナラテリアさんと同じ意見です。正直、私が誰かのお世話をするのはできるかと不安だったんです。ですがリク様の話なら、以前やっていた事が役に立てる事ができそうです。やらせて下さい!」

「良かった。じゃあ二人共了承という事で。あ、でも……さっきミラルカさんにも言ったように、覚悟が必要かもしれないので、詳細は後で話しますけど、それから承諾するかを決めて下さいね?」


 戦闘に参加するわけじゃないし、多分実際の戦争になった時などは安全な王都で過ごしていてもらう事になるだろうけど、それでも戦争に関わるって事を話してから承諾してもらわないとね。

 ミラルカさんに求める程の覚悟は必要ないかもしれないけど、戦争に関わるというだけでも、それまで無関係でいた人にとっては大事だろうし。


「はい……わかりました。リク様のお役に立てる、その事以外に決める覚悟はないとは思いますが……」

「私も、同じくです。ですがリク様がそう仰るのであれば、詳細を聞いてから改めて了承したいと思います」


 二人共意気込み十分で、戦争だとかの話をしても大丈夫そうではあるけど……カヤさんの言い方だと、拒否という選択肢はないように聞こえる。

 まぁそのあたりは話をする時だね。

 残った五人は、俺から伝える事じゃないだろうし、いずれわかっていくだろうけど。


「と、こんな感じですけど、どうですかヒルダさん? 引き抜きっぽく……というかそのまま引き抜きした感じになってしまいましたけど……」

「本人の意にそぐわないのに、働かせていてもあまり良い結果にはならないでしょうから、良いのではないでしょうか。陛下も満足されると存じます」

「……やっぱり、陛下が関わっていたんですね」


 ヒルダさんが陛下も満足、と言うって事はやっぱり俺がこうするように姉さんとヒルダさんが結託していたと考えてほぼ間違いないんだろう。

 それじゃあ、八人中の三人を引き抜いても何も言われないだろうな、と少し安心しつつ目を細めてヒルダさんを見る。


「それは私の口からはなんとも……ですがそうですね、クランの人集めに冒険者の事ばかり話されていたので。組織が動くには実働する者ばかりでは回らないと、心配されておりました」

「ははは……少し耳が痛いですね……」

「私も、そればかり考えていましたから……リクさんと同じくです……」


 クランと言えば、冒険者さんを集めてってばかり考えていたため、今更ながらに他にも必要な人員というのが頭になかった。

 それはモニカさんも同様みたいで、俺と同じく苦笑している。

 一応、人を集めて作る組織なんだから、冒険者さんだけではまとまらないのは当然だよなぁ……とさっき八人の詳細についてヒルダさんに教えられてもらっている時に、仄めかすような事を言われてようやく気付いたんだけど。


 集めた冒険者さん達が、それぞれ細かな手続きだとかを兼任してくれるなら別かもしれないけど、それも難しいだろう。

 冒険者さんの中には、そういった計算とかが得意じゃないって人も多いみたいだし。

 

「まぁ、全てが推測通りというわけでもなかったようですが……」


 そう言って、ヒルダさんがチラリと視線を向けたのはミラルカさんだ――。



リクの行動や考えは、ヒルダさんや女王陛下が予想した通りにはいかなかったようです?


読んで下さった方、皆様に感謝を。


別作品も連載投稿しております。

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