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神とモフモフ(ドラゴン)と異世界転移  作者: 龍央


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魂の損傷と漏れる魔力



「あっちはワイバーンだけで十分でしょ。昨日私が見た限りでは、そこまで危険な魔物もいなかったし、ワイバーンがいれば危険も多くないわ」

「それはそうかもしれないけど……」


 モニカさん達は、エルサが残るため移動手段としてワイバーンに乗る事になった。

 リーバーとか、名付けをしたのもあってモニカさんに懐いているし、乗せて飛べるとあって嬉しそうだったけど……。

 初めてワイバーンに乗るエアラハールさんだけは、慣れていないので念のためセンテから戻って来た兵士さんの一人に同乗してもらっている。

 エアラハールさん、他の女性陣と一緒にと考えていたらしく、男性の兵士さんの後ろに乗った時はかなり意気消沈していたけど……まぁそれはいいか。


 兵士さんは、それだけでなく倒した魔物の集団の記録係なども兼任していたりする。

 昨晩の話で、一日で想像以上の魔物を倒していた事がわかった姉さんが、俺の成果ではなくアマリーラさん達も含めたモニカさん達の成果を聞いて、報告させるためにそうした。

 俺が魔法を使えないし、モニカさん達の事は頼りにしてくれているみたいだけど、それでも一日に十に届きそうな魔物の集団を倒すとは思っていなかったみたいだ。

 エアラハールさんとアマリーラさん、リネルトさんがいるのも大きい気がするけどね。

 

「とにかくそこの駄ドラゴンがいるのも、理由があるのよ。詳しくは後で話すわ」

「だわ!? 誰が駄ドラゴンなのだわ! 訂正するのだわ!」

「うるさいわよ」

「まぁまぁ。とりあえず後で話してくれるのなら、わかったよ」


 エルサが一緒な事にも理由があるみたいだけど、駄ドラゴンと言ったロジーナにウトウトしていたエルサが大きく反応。

 半分くらい寝てたようだけど、そこはきっちり反応するんだな。

 ユノとは違って、単純にエルサとロジーナは仲が悪い感じだ……だからって一緒にもいたくないとか、背中に乗せたくないとかまでではないので、ちょっとした戯れみたいな感じで見られるけど。


「それで、魔力を意識させた事だけど……」


 ようやく本題に入るロジーナ……余計な話をさせたのは俺かもしれないけど。


「リクは今魔法が使えないでしょ? それは以前、魂の損傷がって言ったと思うけど」

「うん。使おうとすると頭の中にノイズみたいなのが走って、気持ち悪いくてイメージもまとまらないからね。光だっけ。あれを使ったから魂が損傷したとは聞いたね」


 今も、ちょっとだけ試してみたけどセンテにいた頃と変わらず、ノイズに邪魔されてイメージできず魔法を使う事ができない。

 確か、魂の損傷はいずれ治るだろうけど、それがいつになるかはわからない……だったっけ。


「その魂の損傷を、少しだけ修復を早めるためよ」

「え……?」


 魂の損傷を治す……早くって事は、近いうちにま魔法が使えるようになる見込みがあるって事なのかな?


「それじゃ、また魔法が使えるように……?」

「そもそも、魔法が使えなくなっている程の魂の損傷と言うのは、魔力がまとまらない状態とも言えるのよ。厳密には違うけど……カップに入れた水を思い浮かべてちょうだい。そのカップが魂であり魔力の器ね。それが損傷してひび割れた。その隙間から魔力が漏れ出しているってところね。カップが割れて完全に壊れたら、魂その物の消滅よ」

「厳密には違うって事は、ロジーナが言った通りではないんだろうけど、でもなんとなくイメージはわかるかな」


 魔力が漏れ出しているから、まとまらなくて魔法が使えないって事だろう。

 漏れているという部分に関しては、体を覆っている自分の魔力を意識した事でよくわかるけど、常に魔力が多すぎて漏れ出した挙句エルサに吸われている今の状態と、あまり変わらない気もするけど。

 ただロジーナが厳密には違うと言っているように、ただ漏れ出しているからというだけでもないんだろう。


 多すぎて魔力が漏れるのと、魂が損傷して漏れるのでは違うってところか……まぁ魔法が使えない以外は、体の不調とかはないしあまり魂が損傷しているという実感とかはないんだけどね。

 言葉だけ聞くと、体に不調があってもおかしくないような気もするし。


「ただ完全に魔法が使えるというわけではないわ。今言ったけど、あくまで少し早めるだけ。とある魔法を使えるようになってもらうわ」

「とある魔法? その魔法が使えるなら、他の魔法も使えるんじゃない?」


 ドラゴンの魔法はイメージを魔力で具現化させる魔法。

 だから、何かしらの魔法が使えるなら、他の魔法もイメージ次第で使えるようになりそうなもんだけど。


「その魔法は他と少し性質が違うのよ。本来は、魔法というより魔力の塊みたいなものね。だから、ほんの少し魂の損傷を治すだけで、使えるようになる……はずなのよね」

「はず……」


 大体何かの話をする時は断言する事が多いロジーナだけど、これに関してだけは言い切らなかった。

 ちょっと不安だ……。


「ともかく、その魔法を使う前に詳しく話そうと思うんだけど……そうね、そういえばリク。私やユノは意識がなかったけど、あのリクが作った巨大な結界に空いた穴。それを塞ぐのにリクが使う結界みたいなのが張られていたと聞いたわ」

「巨大な結界ってのはセンテを覆うように張った隔離結界の事かな? だとしたらうん。まぁ感触とか強度とか、俺やエルサが使う結界とはかなり違ったみたいだけど」

 

 俺やエルサの場合はガラスっぽい感触の結界なのに対し、あの時モニカさん達が隔離結界に空けた穴をふさぐための、結界っぽいものは弾力性のある不思議な感触だったのを覚えている。

 こちらの世界では今のところ見た事がないけど、近い物で言えばゴムっぽかった。

 衝撃を吸収するという意味では弾力があった方が良さそうだから、参考にして俺が使う結界に取り入れたらどうなるか? なんて考えていたけど。

 結局試すよりも先に使えなくなっちゃってそのままなんだよね。


「そう。性質としては多分、結界と似たようなものだと思うわ。というよりも、一部の例外を除けば数人のエルフや人間の魔力を合わせても、それくらいしかできないだろうし」

「例外?」

「魔力量と、魔法の法則よ。リクが使う魔法は、この世界では原始の魔法。今使われている魔法はそれを参考にして、制御しやすく、少ない魔力でも発動できるように法則を異にしたものよ。だから、その原始の魔法が使るのが例外ってわけ」


 ドラゴンの魔法ってエルサから聞いていたけど、本当は原始の魔法なんて呼び方があったんだ……。

 どちらが正しいというわけでもないのかもしれないけど。

 ドラゴンの魔法も、原始の魔法も、他では聞いた事がないし。

 魔力量に関しては原始の魔法とは関係なく、よくわからないくらい持っているから今更だし……エルサが以前フィリーナ達に言っていたけど、今の魔法の基礎が参考にして考えられたんだったはず。


 とはいえ、ほとんど自前の魔力を使うため、最低限、一定以上の魔力が必要なドラゴンの魔法……もとい原始の魔法、格好いいからこれからはこっちの呼び方を使おう。

 それに対し、自然の魔力を集められるのなら魔法を使うだけであれば、多くの人が使える現在の魔法。

 原始の魔法を参考にして、異なる法則で組み立てて使いやすくしたのが現在の魔法なんだろう――。




ドラゴンの魔法、原始の魔法、呼び方は違っても同じもののようです。


読んで下さった方、皆様に感謝を。


別作品も連載投稿しております。

作品ページへはページ下部にリンクがありますのでそちらからお願いします。


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