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神とモフモフ(ドラゴン)と異世界転移  作者: 龍央


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ゴブリンと戦いながら気付く事



 先程俺が殴り飛ばした数体のゴブリンがいたからだろう、こちらに駆けて来るのではなく、にじり寄って来るゴブリン達を見据えて、俺からもゆっくりと近づいて機会を窺う。

 時折飛んで来る魔法を、剣などで打ち払いながらだけど。

 ロジーナは魔力を意識しろとか言っていたけど、いつもやっているはずなのにどういう事なんだろう? って疑問はあれど、ゆっくり話すのは後にするしかない。

 さすがに、魔法で攻撃されたら大きな怪我とかは大丈夫でも、服の方が破れたりするからね。


 というか魔法が飛んで来るって事は、ゴブリンウィザードだっけ? あ、いやゴブリンマジシャンか。

 ゴブリンの中でも少しだけ魔法が使える上位種だったはず。

 それがいるって事だろうし、そうならば他にもゴブリンの上位種がるはずだから、一応集中しないとね。

 とりあえずパッと見、見分けは付かないけど……なんとなく雰囲気がほんの少し強いかも? というのが数体俺から見える範囲にもいるね。


 武器を振り回すだけだなく、それなりの構えをしているのはゴブリンソードとかいうのだっけか。

 でも、あれは確かヘルサル防衛戦の時にいたけど、ちょっとだけ剣の扱いに長けていて、剣のみを使う上位種だったかな。

 見えている範囲にいるのは、こん棒のような物というかこん棒その物とか、石斧などだ……一応剣を持っているのもいるけど、扱いに長けているというよりは少しだけ様になって構えられる、と言うように見えた。

 新種というわけじゃなく、あれは俺が初めて見るだけの……確か、ゴブリンウォーリアーって言うのがいたはず。

 少しだけ他のゴブリンよりも戦闘そのものに長けているというか、何でも使って戦うだけというか。


 一応は上位種で、まぁ言ってみれば近接戦闘での万能型みたいなものだね。

 もっとゴブリンの数が増えて、統率する個体がいれば役割別のように特化した上位種が増えるらしいけど、今のようなゴブリンの集団と言うくらいの数の場合は、万能型ともいえるウォーリアーが増えるとかなんとか。

 まぁ結局は指揮のできるゴブリンジェネラルとかよりは、弱いんだけども。

 ……単体だと、オークと同等とかそれくらいって聞いた。


「とりあえず、全部倒すことには変わりないし……えっと、魔力を意識するんだっけ」


 呟きながら、元々意識はしていた魔力を、ロジーナに言われて改めて強く意識するようにする。

 特に何か変わった感じはないけど、ロジーナが言うんだから何かあるんだろう……まったく意味のない事を言ったりはしないだろうし。

 ともあれ、体内を巡る魔力を操作するとかではなく、意識だけするようにそちらにリソースを割きながら、ゴブリンの集団へ剣と鞘を振り上げながら突っ込んだ。


「GYAGI!?」

「GIGI!」

「GIGYO!!」

「はぁ、魔力を意識して戦うって、結構神経を使うなぁ……とぁ!」


 ゴブリンに囲まれるように突っ込み、魔法を避け、打ち払い、ゴブリンウォーリアーが振り下ろす武器を鞘で弾いて、剣で体を斬り裂く。

 近くにいるゴブリンを、襲い来るのは対処しつつ、手当たり次第に斬り裂いて行く。

 森の中やセンテでの戦いなど、魔法は使わないけど多くの魔物と戦う最近よくやるのとあまり変わらない戦いだけど、相手がゴブリンなのもあって容易に斬り裂き、容易に避けられる。

 少しは、以前より戦闘に関して上達している証でもあるんだろう。


 ヘルサル防衛戦の時は、迫るゴブリンを一体一体確実に倒して行くので精一杯だったからね、それを考えると一応俺も成長しているって事なんだろう。

 ただ、ロジーナに言われた魔力を意識するというのが、意外としんどかったりする。

 どうやればいいのかの指示すらなかったので、とりあえず体内に循環する魔力を意識しつつ、剣が折れない程度に少しだけ魔力を通して戦っているけど……二つの事を同時に考えながらも、体は戦闘を繰り返すような、ずっとマルチタスクを続けている感覚だ。

 なんというか、体の方はともかく頭の中が凄く疲れる感じ、かな。


「おっと……! 危ない危ない。きつくても、集中しないとね!」


 頬の辺りを、拳より少し小さめな氷の塊が掠める。

 ゴブリンマジシャンの魔法が飛んできたのに、気付くのが遅れてしまった。

 まぁ直撃してもちょっと痛いとか冷たいとかで済むとは思うけど、精神的には当たりたくないからね。

 ロジーナの意図している事がわからず、魔力に意識している状態でずっといるのは辛いけど……それでも、一応は協力してくれているみたいだから、何も意味のない事やただ俺の邪魔をするだけの事を言ったりはしないだろうし。


 ……戦ったりはしたけど、それくらいにはロジーナの事を信用している。

 レッタさんも同じくだけど、まぁ両方共目的というか敵対する意思が見られないというのとユノがいてくれるのが大きいと思う。

 さっき空から降りて来る時みたいに、何も説明されずに蹴り飛ばされたりはしたけど……あれも何か意味があるんだろう、ゴブリンに囲まれる状況にさせたかったみたいだし。

 もし、何も意味がなくて気分でやったとかだったら、後でお説教だけど。


「ふぅ……大分数が減ってきたかな……」


 余計な事を考えている間にも、魔力を意識し、剣に魔力を通し、ゴブリンの集団の攻撃に対処しながら戦っているうちに、目に見えて数が減ってきたように思う。

 大体五十体以上の集団だったのが、半分以下になったってところかな、じっくり数えてはいないけど。


「ずっとこのままなのは、結構辛いから。さっさと終わらせたいなぁ……ん?」


 仲間のはずのゴブリンを踏み台にして、頭上から襲い掛かるゴブリンウォーリアーを鞘で殴り飛ばしつつ、体を回転させる勢いのまま剣で近くにいたゴブリンを二体まとめて斬り捨てる。

 ゴブリンを着々と減らしていく中で、ふとちょっとした違和感に気付いた。

 いや、違和感というかこれまで感じた事がない感覚というか……。


「もしかして、これって俺が意識を……って、うぉ! 危ないあぶない!」


 はたと動きを止めてしまった俺に対し、殺到するゴブリン。

 まだまだ残っているから、集中を切らしちゃいけないね……。

 これまでと同じようにマルチタスクを意識しながら、さらに考える方にも頭のリソースを割く。


「魔力の動きが不自然ってわけじゃないんだけど、外に出ているような……?」


 意識する中で、自分の魔力が体内から滲み出しているような感覚があった。

 体から離れて行く魔力は、しばらくして意識の中で感じられなくなるけど……それは多分、俺から離れて自然の魔力へと溶け込んだとか、そんな感じなのかもしれない。

 さらに、俺の体を覆っている分厚い魔力もあり、こちらは俺が一定以下の衝撃とか攻撃を受けても平気だったり、攻撃する際の力に変換されているような気がする。


 俺の体だけでなく、服や剣、鞘など持っている物や身に付けている物にも薄く膜を張るように、魔力が覆っていた……俺が意識して流している魔力とは別に、だ。

 というか、服にはさすがに魔力を流していないしね――。



何やらリクが自身を覆っている魔力を意識して感じる事ができるようになったようです。


読んで下さった方、皆様に感謝を。


別作品も連載投稿しております。

作品ページへはページ下部にリンクがありますのでそちらからお願いします。


面白いな、続きが読みたいな、と思われた方はページ下部から評価の方をお願いします。

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