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神とモフモフ(ドラゴン)と異世界転移  作者: 龍央


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1722/1949

敵を圧倒するAランク相当三人の戦い



 飛び降りた三人を見たモニカさん達の感想はともかくとして。

 降りる勢いがあるからついでのように見えたミタウルスの斬り裂き方も三者三様で、エアラハールさんはフィネさんが言っているように大上段で頭から真っ直ぐ縦に一刀両断。

 アマリーラさんは肩口から袈裟斬りに両断しつつ、体当たりも混ぜて弾き飛ばす。

 リネルトさんは、二つの剣をクロスしながらバツ印に斬り裂いた……エックス斬りとか名前が付きそうだった。


「うーん……それぞれが、ミタウルスとの戦いやすい場所に行き、とはいえ付かず離れずでお互いを援護できる位置取り……なのかな?」

「多分、私達の戦い方に合わせているんだと思うわ。上から見るとよくわかるけど、立ち位置が私達に似ている気がするの」

「あぁ、確かにそうかも……」


 ミタウルスを斬り裂きながら、ようやく地面に立った三人はそれぞれ、後ろを取られない位置で正面に集団を捉え、一番前に大剣のアマリーラさん。

 斜め後ろにリネルトさんがいつでも動ける構えをしていて、その二人と正面のミタウルスを視界にとらえられる位置にエアラハールさんがいるように見える。

 武器は特徴もそれぞれ違うけど、役割としてはアマリーラさんがソフィー、リネルトさんがフィネさん、エアラハールさんがモニカさんってとこかな?

 剣のソフィーが最前衛で、リーチこそ短いけど投げる事もできる斧を持つフィネさんが中衛、槍を持ち魔法も使えるモニカさんが一番後ろで視界を広めて全体を見る役目だ。


 位置関係を俯瞰して見ると、モニカさん達のと同じ役割分担をしているように感じる。

 本人が狙ったわけじゃないだろうけど、リネルトさんの二刀流はリーチこそ全く違うけどフィネさんが、斧を二本持っているのと同じとも言えるし……。

 まぁ偶然かもしれないし、アマリーラさんが暴れて渋っていたエアラハールさんがあまり細かく動かなくていい位置に、という事もかもしれないけども。


「動くぞ!」


 つらつらと地上を観察している間に、ソフィーが短く言葉を発したようにエアラハールさん達とミタウルスが動き出す。

 集団相手だからだろう、エアラハールさん達は悠然と構えていたのに対し、ミタウルスが空から降って来た三人に対して突撃を開始した形だ。

 数が少ない方が受ける様相になっているね。

 どちらかというと俺のイメージでは、数が少ないからこそ切り込んで集団を混乱に陥れる方が有利……と思っていたんだけど、状況次第でそれも変わるか。


「ふおぉぉぉぉぉぁぁぁぁぁ!!」

「っ!」

「これは……凄まじい気迫だな……」

「味方だし、離れているのに圧倒される思いだわ」


 ミタウルスをどう迎え撃つのか……と見ていた俺達の所にまで、アマリーラさんの叫び……というより雄叫びに近い声が届く。

 その声には、気迫が込められており声なのに周囲の空気がビリビリと震えてすらいるように思えた。

 ミタウルスの方も咆哮を上げていたけど、十五体……じゃなかった、既に三体倒しているから十二体の咆哮にすら、アマリーラさん一人で負けていないくらいだ。

 多分空気感とかの状況を把握するために気を遣ったんだろう、三人が飛び降りる前にエルサが結界を解いたままにしているから、よく届く。


 そして、その裂帛の叫びと共に繰り出されるアマリーラさんの一撃!

 大きく振り上げた大剣を振り下ろし、再び斜めに振り上げる。

 それだけで……というのも離れて冷静に見ているから言える事かもしれないけど、ミタウルスが二体斬り裂かれ周囲を巻き込んで弾き飛ばされた。


「あれは、さすがに真似できんな……」

「正直、受け止めようとすら思えない一撃ですからね。大剣とアマリーラさんの膂力が合わさってこそでしょう」


 さらに、アマリーラさんに怯んだり弾き飛ばされた体の一部を受けたミタウルスは、少し後ろに下がって押し込めた。

 ただ、そうするとリネルトさん達の位置とは離れてしまうわけで……。


「後ろのフォローはリネルトさん、それからエアラハールさんがきっちりってわけね。成る程、こういう戦い方もあるのね……」

 

 地上を眺めながらモニカさんが呟く通り、押し込んでミタウルスの集団に切り込んだアマリーラさんだけど、怯んでいないミタウルスがアマリーラさんの斜め後ろの左右からそれぞれ一体ずつ、腕を振り上げ、または持っている何かしらの武器を振り上げて襲い掛かる。

 だけどそれも、リネルトさんが片方のミタウルスの両腕を二本の剣で斬り落とし、もう片方はエアラハールさんが首を斬り落としてアマリーラさんに届く事はなかった。

 巨体とも言えるミタウルスの体を軽々と斬り裂き、弾き飛ばすアマリーラさんも相当だけど、リネルトさんやエアラハールさんも負けていない。

 戦っている本人達からしたら、それなりに必死なんだろうけど……空から見ている限りでは簡単そうにやっているようにも見える。


 分厚い毛に覆われたミタウルスの体を傷つける事すら、難しいとされているのが嘘みたいだ。

 実際にBランクやCランクの冒険者さんが戦ったら、こうも容易く倒せないんだろうけど……。


「あっという間に、ミタウルスの数が減っていくわね」

「こうして見ていると、ミタウルスが弱い魔物に見えしまうが……実際はそうではないのにな」

「はい。私は相対した事がありますが、あの硬い毛を越えて斬り裂くのは容易ではありません。その時行動を共にしていた他の冒険者は、ミタウルスの腕の振り降ろしを受け止めただけで吹き飛びましたし、角は金属の盾にすら突き刺さります」


 見ていたモニカさん達も、俺と似たような感想を抱いている様子。

 というかフィネさんはミタウルスと戦った事があるのか……その話によると、前評判というかミタウルスの戦力評価と聞いていた話は間違っていないようだけど。

 ともかく、そんな話をしている間にもアマリーラさんとリネルトさん、エアラハールさんの戦いは進んでいく。

 アマリーラさんにはかなわないと思ったのか、ミタウルスの一部がリネルトさんやエアラハールさん向かえば、狙われていないアマリーラさんが斬り伏せる。


 三人のうち誰か一人に集中したら、避ける、受け流す、としている間に残りの二人がフォローする……という感じだ。

 終始ミタウルスの集団全てを圧倒していて、連携と言うのが必要なのかすら疑問に感じるけど。

 特にリネルトさんは、ミタウルスに左右から攻撃を仕掛けられても全てを避け、かすりもしていないようだった。

 逆にエアラハールさんは、上から見ているとよくわかるけど位置取りに気を付けているようで、一度もなかったわけじゃないけどミタウルスからは狙われないように距離を取りつつ、必要であれば一瞬で近付いて斬り伏せるなどだ。


 エアラハールさんに関しては、ミタウルスから狙われても避ける以外に、剣で受け流しつつ首を斬り飛ばすというのもやっていたけど。

 受け流す事すら、攻撃の動作のようにも見えた。

 アマリーラさんは、大剣を軽々と振るうだけあってミタウルスと張り合う膂力を持っているんだろう、受け止めてむしろ弾き返したりもしていた――。




それぞれの個人の実力でもミタウルスは容易に倒せる相手のようです。


読んで下さった方、皆様に感謝を。


別作品も連載投稿しております。

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