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神とモフモフ(ドラゴン)と異世界転移  作者: 龍央


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終わった模擬戦と事情説明



 模擬戦、と言うには激しすぎる打ち合いを続けるユノとロジーナ、それを止める術はエアラハールさんだけでなく、俺にもないんだけど……。

 止められるとしたらエルサくらいか? いや、エルサは以前ユノに結界を壊された挙句に毛を斬られたし、間に入ろうとか思わないか……レッタさんの腕の中で寝そうになっているエルサを見たら、その気がないのはよくわかるし。

 そもそも、止められない理由として白熱しているというのもある……声も届きそうにない。

 なんせユノとロジーナは、激しく目で追えない程の動きをしながら……。


「いい加減、私にやられなさいよユノ!」

「嫌なの! ロジーナの方がさっさとやられなさいなの!」

「こちらこそ嫌よ! 絶対にあんたになんかやられたりしないわ!」

「諦めるの! 表裏一体でも、私の方が敬われるべき存在なの!」

「はんっ! 敬われても何もしなかったユノが何を言っているのよ! 破壊こそ真に世界を覆う救いなのよ!」

「破壊されちゃったら、救いも何もないの! 創造こそ真の救いなの!」

「その創造を怠けておろそかにした結果が、今の状況じゃないの! 私が、なんてユノと行動を共にしちゃっているのよ!」

「それはリクのせいなの! 私もリクのせいでここにいるの!」

「……なんだか、俺に飛び火しているような……? 間違ってはいないんだろうけど」


 どこがどうなってこんなことになっているのか、ユノとロジーナは俺の影響とかで人間としてこの世界に降り立っているらしい。

 魔力的な何かとか、魂的な何かとか、それこそ神様的な力とかよくわからない事が多いけど、そこに俺という影響がよくわからない理由でユノとロジーナが、ここにいる理由だとか。

 ユノはともかく、ロジーナの方は俺が干渉力を使わせたりっていう理由が大きいらしいから……俺には何も言えないというか。

 ともかく、ユノもロジーナも元々仲がいいとは言い難かったし、顔を合わせれば何かといがみ合う、表裏一体というかライバルみたいな関係だったけど。


 それが今、模擬戦という形で燃え盛ってとんでもない剣の打ち合いに発展しているというところだろう。

 ……熱くはなってはいても、人間の体だし、使う武器は木剣だからこの程度で済んでいるけど、創造神と破壊神の争いなんだよなぁこれ。

 世界の終末かな?

 規模はどうあれ、見ただけでも尋常じゃない動きだけど、実情を知れば知る程止められる気がしない。


「とりあえず、しばらく待とうかの。疲れればいずれ終わるじゃろう」

「疲れる事なんて、あるんですかね? あれ……」


 巻き込まれたらそれこそヒュドラーすら細切れになるのではないか? と思う程の激しい戦闘だけど、ユノもロジーナも息を切らせたり疲れた様子を一切見せていない。

 それどころか、激しい動きをしながらお互いを罵倒するような叫びを続けているくらいだ……あれ、呼吸とかどうなっているんだろうと思わなくもないけど。

 でも結局止められる誰かがいない以上、いつか疲れる事があるのだと信じて、エアラハールさんの言う通りしばらく待つ事にした。

 それ以外、俺達にはできないし……。



 ――ユノとロジーナの激しすぎる模擬戦……と言っていいのかは微妙だけど、それを見守る事しばらく。

 意気込み半分、残りは渋々という微妙な感情を隠さないアマリーラさん達の説得を終えたモニカさん達は、エアラハールさんと一緒に離れた場所でそれぞれ訓練用の武器を持って何やら話している。

 俺は戦いを終えたユノとロジーナを前に、こちらはこちらで事情の説明から訓練の指導に関してのお願いをしているってわけだ。

 エアラハールさんはモニカさん達の方へ行ってしまったけど、まぁユノ達には俺から話せという事でもあるから仕方ない。


「と、言うわけで、俺に戦い方というか剣の使い方というか……とにかく教えてくれってわけだ」

「なんで私がリクなんかに……」

「うーん、教えたいけど教えられるかわからないの……」


 俺が剣の扱いについて悩んでいる、考えている事などを伝え、エアラハールさんと一緒に教えてくれとオネガイスルも、ユノとロジーナは難しい表情。

 ロジーナはともかく、ユノなら喜んで頷いてくれそうだと予想していたんだけど……。

 というかユノもロジーナも、あれだけの戦闘をしていたはずなのに息を切らしていない……体力が既に人間離れしているのか。


 ……それって本当に人間の体と言うのに収まるのかは疑問だ。

 魔力量が人間離れしている俺が疑問に思うのもあれだけど。

 ちなみに、疲れていないのにどうやって模擬戦が終わったのかというと、木剣が弾け飛んだからだったりする。

 折れた、とか欠けた、とかではなく文字通り弾け飛んだ。


 ユノやロジーナが握っていた柄すらも含めて、それはもう粉々に……小麦粉かって言うくらい細かく。

 なので仕方なく、お互いが納得したわけじゃないけど模擬戦を終えたってわけだ。

 って、どこをどうやったら木剣が粉々になったのかというのは、込めた魔力と激しい動きに耐えられず木剣が形を保てなくなって崩壊したとからしい……うん、よくわからない。

 とりあえず、使う武器の素材や純度、硬度とかその他諸々でよく考えられる丈夫さとは別の部分での耐久性が異なっていて、木剣は最低ランクとかユノが言っていたけど、そちらも同じくよくわからなかった。


「確かに、リクはもっともっと細やかな技術が必要だわ。今のままじゃ、安心して頭に乗っていられないのだわ」

「お、エルサ起きたのか……っていうか聞いてたんだな」

「あら残念。リクが夢中になるのがわかるくらい、抱き心地が良かったのに……」


 あれだけ動いても、ほとんど汗の出ていないロジーナの額とかを必要かどうかはともかく、拭いていたレッタさんの片腕から、寝ているように目を閉じていたエルサが飛んで、ふわふわと俺の頭に着陸後、ドッキング。

 多分、レッタさんがエルサを片腕て抱えるようになったから、居心地が悪くなったんだろう。

 それにしてもエルサ、寝ているように見えたのにしっかり話は聞いていたのか。

 いや、寝ている時と周囲の音や声を聞いている意識を分けていたとか、これまでも寝ていると思っても話しを聞いていた事が何度もあるから、それらしい事ができるのかもしれない。

 エルサが寝た振りをしていなければだけど……そんな事をする理由もないからね。


「それは確かに私もそう思うの。でも、教えられるかは保証できないの」

「私はそもそも気が向かないのだけれど」

「ユノなら賛成してくれると思ったんだけどなぁ……」


 エルサの言葉に同意しながらも、相変わらず渋るユノ。

 何か理由がありそうな感じではあるけど……ロジーナの方は、最初からいい返事が返ってくるとは思っていなかったから、予想通りの言葉でもある。

 ツンデレだし、最初から素直に頷いてくれるとは思っていないからなぁ、デレがあるかどうかは微妙だけど。

 けど、ユノを説得できればなし崩し的に、渋々にでも教えてくれるようになると思っていたりする――。




簡単だと思っていた説得は、最初から難航してしまったようです。


読んで下さった方、皆様に感謝を。


別作品も連載投稿しております。

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