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神とモフモフ(ドラゴン)と異世界転移  作者: 龍央


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恐ろしい破壊工作方法



「陛下、マティルデ様、リク様達がお待ちです。お話があるのでしょう? 内容は私も知っておりますが、今はそんな言い合いをしている場合ではないかと」

「「はっ!?」」


 スッと二人の間に体を滑り込ませ、喧々囂々という言葉が相応しい程の言い合いをしていた姉さん達を止める言葉をかけ、二人が同時にピタッと言葉を止めて周囲の様子に気付いたみたいだ。

 さすがヒルダさんだ……この場にいる他の人達じゃ絶対できない事ををやってくれる。

 ただ、俺がヒルダさんを見たのはお茶が美味しいというお礼のつもりだったんだけどなぁ。


 姉さんとマティルデさんを止めて欲しいと間違って伝わってしまったみたいだね……まぁ呼ばれたのに話をされずに待たされるよりはいいかな。

 どうせこの部屋には戻ってくるとはしても、言い合いしている雰囲気の中待つのは結構しんどいから、ヒルダさんが止めてくれて良かった。


「ふぅ、はぁ……この続きは、またにした方が良さそうね」

「そ、そうですね。はぁ……」


 二人とも、息を整えて休戦してくれたようだ。

 というか喧嘩と言う程じゃないにしても、息が切れるほどの言い合いをしなくていいのになぁ。

 かたや国の最高権力者、もう片方も国に寄らない組織の中で統括をしている人、本当の意味ではわからないけど対等に言い合いができる仲なのかもしれないね。


「……それで、戻ってきてすぐヒルダさんに陛下が呼んでいるって言われたんだけど、一体何が? ここにマティルデさんがいるのと何か関係しているの?」


 姉さん、と呼ぶのはマティルデさんや他にも初めての人がいるので注意して控えるとして、姉さんの方はマティルデさんの前でもリラックスモードだから、口調はこの部屋でのいつものにさせてもらう。

 姉さんの方もそれを承知したのか、一つ頷いて顔を引き締めて重々しく口を開いた。


「マティルデがいるのはもちろん関係あるわ。単刀直入に言うと、冒険者ギルドの建物が破壊されたわ」

「はっ!?」

「えぇ!?」

「……」


 ぼ、冒険者ギルドが破壊されたって一体どういう……!

 俺だけでなく他の人達、モニカさんやソフィーを始めとした、センテに行ったメンバーが全員驚きの声を上げていた。

 ソフィーやフィネさんは、驚きで座っていたソファーから腰が浮いているくらいだ。

 レッタさんやユノも驚いている……ロジーナは、よくわからないけど無表情だからそこまで驚いていないのかもしれない。


 まぁ事情はわからないけど、破壊と言えばロジーナでもあるからこの程度では驚かないのかもしれないけど。

 あと、ヒルダさんやエアラハールさんなどは驚いていないから知っているんだろうし、マティルデさんが静かに深く真剣な表情で頷いていたから、嘘って事もないんだろう。

 まぁ俺達を驚かせるためだけに、こんな嘘を吐くとは思えないけどね。


「破壊されたのは、私がいた中央冒険者ギルドと、南と西の支部よ。北と東はまだ無事だけれど……いつ狙われるかわからないから、厳重に冒険者と衛兵を借りて見張っているわ」

「中央と南、それから西……三か所も……」


 俺達の様子を見つつ、マティルデさんが低い声で教えてくれる。

 これまでは冗談めかしていたりと、軽い口調で話す事が多かったのが完全になりを潜めている。

 それにしても、冒険者ギルドの建物を三か所も破壊されるなんて……俺達が王都を離れている間に何があったのか……。 


「それだけじゃないわ。王都の主要な建物のうちいくつかがほぼ同時に破壊されたわ。幸い、王城には何もされていないけど……」

「冒険者ギルドだけじゃないんだ……そもそも、破壊って一体何があったの? 話している様子から、魔物が入り込んだってわけじゃなさそうだけど」


 王都は人口が多くて広いから、当然冒険者さんの数も軍隊の兵士さんや日頃治安活動をしている衛兵さんの数も、他の街よりも多い。

 国の首都で中心地なんだから当然だよね。

 それを搔い潜って、いくつかの建物を破壊なんてそうそうできるもんじゃないはずだけど……それこそ、魔物が入り込んだとしてもすぐに対処されるだろうし、局地的に建物を狙うなんてのも難しいだろうと思う。


「「……」」

「どうしたの、姉さん。マティルデさんも?」


 姉さんとマティルデさんが、顔を見合わせている……言い合いを再びとかではなく、単純に二人ともどういったものかという雰囲気だ。

 事情を知っているらしい、ヒルダさんやエアラハールさんでさえも、沈痛な表情になっている気がする。


「……げんが……」

「え?」


 小さく、口ごもるようにマティルデさんが呟いた。

 よく聞こえなかったので聞き返す……人間、って言ったような?


「人間が数人、建物に集まったの。誰とも知らない人間がね」

「えーっと、人間が何かして建物を破壊したって事ですか?」


 広い王都だ、知らない、見た事のない人なんてそこらにいるだろうから、誰とも知らないというのは不思議じゃないけど……。

 なんとなく歯切れが悪いのはなんなんだろう……言いたくない事を、言おうとしているようなそんな感じだ。

 知らない人間が破壊工作、とかでやっぱり帝国とかクラウリアさんのいた組織が頭に浮かぶけど……。


「あ、ヘルサルでもクラウリアさんがやったように、魔法で爆破をして建物を破壊した……とか?」


 二人がはっきり言わないので、とりあえず思いついた事を言ってみる。

 建物を破壊、と聞くととりあえずあの時の事が思い出されるからね。


「いえ……違うわ。リクの言う爆破、というのはあっているのだけどね……」

「はぁ。誤魔化すなんてできないし、このままじゃ話が進まないからはっきり言うわね。あまり口に出したくはないけど……人間が、爆発したの。それも、周囲一帯を建物ごと吹き飛ばすような勢いで」

「……え?」


 言いにくそうなマティルデさんの言葉を継いで、姉さんが溜息を付きながら教えてくれた。

 けど、その内容はとてもじゃないけどすぐに理解できるような事じゃなかった。

 自分でも間抜けな声が出たなぁ、と思うけど……それも仕方ないと思う。

 モニカさん達を始めとした他の皆も、頭の中で理解できないのか、それとも理解したくないのか、キョトンとしている。


 唯一、レッタさんだけは表情を険しくしていた。

 いや、険しい表情なのは姉さんやマティルデさん、それにヒルダさんやエアラハールさんも同様か。


「えっと……今、人間が爆発って言った?」

「……えぇ、そうよ。言葉通り、人間が爆発して建物を破壊したの」

「魔法を使って爆破を仕掛けた、とかじゃなく?」

「爆発するのに魔法を使っているのかもしれないけど……爆心は間違いなく人間だったわ」

「一人でも、かなりの威力で一般的な家くらいは吹き飛ばす威力があった……らしいわ。それが複数で一気に冒険者ギルドを含めて、周囲の建物ごと吹き飛ばしたのよ」


 姉さんの言葉に対し、補足するようにマティルデさんがそう言った。

 何を言っているんだろう……とは思うけど、二人が冗談で言っているわけではないのは、表情や雰囲気からわかる。

 でも人間が爆発なんてそんな事あるわけが……。

 いや待てよ、そういえば以前それらしい事を言っていた人がいたような? あれは、ブハギムノングでモリーツさんだか、イオスだったかのどちらかからだったか……。



手段についてリクは以前にも聞いた覚えが…さt年。


読んで下さった方、皆様に感謝を。


別作品も連載投稿しております。

作品ページへはページ下部にリンクがありますのでそちらからお願いします。


面白いな、続きが読みたいな、と思われた方はページ下部から評価の方をお願いします。

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