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神とモフモフ(ドラゴン)と異世界転移  作者: 龍央


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レムレースと戦った荒野にて



「ありがとうリーバー。それじゃ、昨日と同じく森に入っている冒険者さんは頼んだよ」

「ガァゥ!」


 俺がレムレースと戦った場所、見晴らしが良すぎる程の荒野になった場所に降り、乗せてもらったリーバーを撫でつつお礼を言う。

 リーバーは昨日もだけど、ワイバーン達を指揮して上空から冒険者さんを見守る役目があるからね。

 基本的に俺がいる場所の上空付近にいる予定ではあるけど、必要とあれば他のワイバーン達の方へ行って、森を探索する冒険者さん達を援護するようお願いしてある。

 今更ながらに、ワイバーンが味方になってくれて凄く助かっているなぁ……なんて考えながら、リーバーやモニカさんとカイツさんをそれぞれ乗せてきてくれたワイバーンが、飛んで行くのを見送った。


「さて、それじゃ森に……って、モニカさんもカイツさんもどうしたの?」


 挨拶のつもりだろう、上空で旋回するリーバーに手を振った後、森に行くためにモニカさん達に声を掛けようとしたんだけど、二人共ポカンと口を開けたままになっていた。

 どうしたんだろうか?


「……えぇっと……話に聞いていたし、リクさんに言うのは今更かもしれないけど……」

「これを、全てリク様が? いえ、これ以上の事をされていたのは間違いないですし、それを見てきているのですが……」


 戸惑いながら、というより呆れ半分かな? 唖然としている様子でモニカさんとカイツさんが、荒野になったこの場所を示しながら言う。

 どうやら二人共、荒野になった話をしてもここまでとは考えていなかったみたいだ。

 まぁ話に聞くのと、実際に見るのとでは違うよねぇ……なんてのはまぁいいとして。


「えっと、一応言っておくけど……これをやったのはレムレースで、俺じゃないよ? まぁ、関連しているとは言えると思うけど」


 現在のセンテ周辺の惨状は棚に上げておくとして、この荒野に関しては断じて俺のせいではないと主張したい。

 主張する意味があるかはともかく……あと、俺がここに来た事でレムレースを刺激したとか、そう言うのはあるかもしれないとしても。


「それに今、俺は魔法が使えないからこういった事はやろうとしてもできないし。いや、やろうとは思わないけどね?」

「はぁ……まぁそうよね。確かに、ヒュドラーが迫ってきている時に見た、あのレムレースならこれくらいの事はできそうよね。凍っちゃったからわからないけど、リクさんが助けてくれるまでの間に、ここと同じような事になっていたと思うから」


 そういえば、レムレースはモニカさんも見ていたんだっけ。

 ここで俺が戦ったのと違って、かなり大きな……面積だけでいえばヒュドラーよりよっぽど大きかったけど。

 あの時は、モニカさんだけじゃなくて盾隊で魔法を防いでなんとか凌いでいたようだけど、それでも周囲は酷い事になっていた、と思う。

 ヒュドラーをさっさと倒す事や、白い剣の事などもあって、じっくり周囲を観察する余裕はなかったけど。

 酸や溶岩を撒き散らしていたヒュドラーよりも、範囲という意味で言えばレムレースの方が惨状を撒き散らしていただろうからね。


「森がこんな事に……はぁ……」


 呆れ混じりでも納得してくれたモニカさんと違い、カイツさんは森の木々が完全になくなって荒れ果てている場所を見渡し、溜め息を吐いていた。

 エルフとして思うところがあったのかもしれない。

 俺やアマリーラさんが木々を薙ぎ倒すのは、間伐の必要性などもあってなんとか受け入れてくれていたけど、さすがに広範囲、数キロ単位で荒野になるのは受け入れがたいんだろう。

 ……この森自体が、魔物がいるだけであまり必要とされていなさそう、という話がマックスさんからあったりした事は、言わない方が良さそうだ。


「しかしレムレース……研究意欲はそそられますが、これだけの事をするのならエルフの敵と認定するしかありませんね……研究どころではありません」

「研究って……さすがにレムレースを研究するのは、危険だと思いますよ?」

「魔物ですから、ワイバーンという例外を除いて実際に研究はしませんが……知識欲みたいなものはありますからね。まぁここまでの事をしていると考えると、それよりも敵愾心の方が勝りますが」


 魔物の研究、内容によってはこの国では禁止されているからね。

 ある程度観察して生態を知るとかならまだしも、命を弄ぶような事はカイツさんもしないだろう。

 例外のワイバーンは快く協力どころか、痛みすら喜んでいるという特殊な生態なので、許容範囲というところだろう。

 そもそも、レムレースを研究なんて危険すぎて絶対にできないだろうし……。


「そもそも、レムレースを倒せるのはリク様だけですし……いくら森の破壊者でも、私が同行はできませんか……はぁ」


 なんて溜め息を吐いているカイツさん。

 でもどうだろう……あくまで、俺がレムレースと戦った感想ではあるんだけど、討伐不可というのは基準が人間や獣人が戦った場合だ。

 エルフが人と協力する事は少ないため、基準には入っていない。

 だから、魔力量が多く強い魔法も扱えるエルフならもしかしたらなんとかなるんじゃないかなぁと思ったり。


 少なくとも、俺がここで戦った人より少し大きいくらいのレムレースなら、なんとかなる可能性は高い。

 レムレースで一番厄介なのは、一部でも残すと魔力を吸収するなりで復活するところだから、小さければそれだけ魔法で一気に殲滅しやすいわけだし。

 もちろん、カイツさん一人でというのは無理がありすぎるし、多くのエルフが一緒に挑んだとしてもかなりの被害は出るだろうけど。

 というかそもそも、レムレースはおそらく敵が俺一人だったから戦いやすいように小さくなっていた気もしている。


 多くのエルフと戦う場合は、魔法を広範囲に蒔き散らすためにも、ヒュドラー戦の時のように広がりそうな……。

 っと、レムレースはもういないんだから、今深く考えている場合じゃないね。


「そもそも、魔物は本来森の破壊など……」

「ま、まぁまぁ、とりあえず冒険者さん達ももう森の中に入っていると思いますから、俺達も入りましょう」

「そうね……森まで結構な距離があるけど、ここでこうしていても寒いだけだからね」


 ブツブツと言っているカイツさんに苦笑しながら、その背中を押して溜め息混じりのモニカさんと一緒に、森へと向かう。

 荒野の真ん中にいるわけではないけど、モニカさんが言うように森までの距離は結構あるし、反対側はまだ氷が解けていない大地なわけで。

 他の場所よりは多少気温が低いのもあって、動かずにいると少し肌寒くも感じるから。

 何はともあれ、今日も昨日と同じく冒険者さんが危険な目に遭わないよう、それと魔物の数も減らさないとね。


 そんな風に、カイツさんが魔物の性質みたいな話をするのを、なんとなしに聞きながら歩く。

 なんでも、魔物は森に棲み着く事が多いためなのか、一部の魔物を除いて森の破壊をするようなことはないんだとか。

 そりゃまぁ、戦闘などに巻き込んでという事はあるけど……自分達の棲み処を危うくさせるような行動は、率先してやらないか。


 破壊神であるロジーナが魔物を作ったと言っていたけど、環境破壊的なのは魔物の中にはほぼないのかもしれない。

 一部の例外として、ウッドイーターのような木を食べるような魔物もいるから、絶対ではないみたいだけども――。




破壊の性質を持っている魔物も、自分達の棲み処を壊すようなのは多くないようです。


読んで下さった方、皆様に感謝を。


別作品も連載投稿しております。

作品ページへはページ下部にリンクがありますのでそちらからお願いします。


面白いな、続きが読みたいな、と思われた方はページ下部から評価の方をお願いします。

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