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神とモフモフ(ドラゴン)と異世界転移  作者: 龍央


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センテの宿に戻って報告会



「と、とりあえず着替えて来るよ。えっと……」

「すぐにお着替えをお持ちいたします」

「ありがとうございます、お願いします」

「それじゃあ、私は食堂で待っているわ。さっきフィリーナ達と食事を済ませたばかりだけど、皆まだそっちにいるから。エルサちゃんが飛び出したから、リクさんが帰って来たと思って私も出てきたの」

「そうなんだ。わかった、また食堂で」


 着替えを用意してくれる執事さんにお礼を言って、食堂に向かうモニカさんとは別に、俺はエルサを頭にくっ付けたまま部屋に向かった。


「うーん、もう痛みとかはないけど、やっぱり汚れているなぁ」


 部屋で着替える途中、俺自身も結構汚れている事に気付く。

 まぁ、レムレースの魔法を避けるために地面を転がったりする事もあったからね、穴に落とされたりもしたし。

 服が破れていた部分とか特に汚れているし、小さな傷から滲んだ血が乾いて、肌に張り付いている。

 できればお風呂に入って綺麗にしたいけど、食堂で皆待っているし後回しかな。


「こちら、お使いください」

「あ、はい。ありがとうございます」


 なんて考えていると、着替えを持って来てくれていた執事さんが、お湯とタオルを用意してくれていた。

 さすが、気が利くね。

 服がボロボロになっているのを見て、体を拭くくらいは必要だと思っていたんだろう。


「怪我をしているのだわ? リクがそうなるなんて、よっぽどなのだわ」

「まぁね」


 体を拭いている俺から離れ、テーブルに転がりながら俺を見るエルサ。

 魔物との戦闘をしたから、服が汚れるくらいは当然として……返り血とかもあるし。

 怪我をするなんて事はこれまでを考えてもあまりなかった事だから、エルサからしても珍しく見えたんだろう。


「レムレースがいたからね。魔法も使えないし、ちょっと苦戦しちゃって……」

「あれを相手に苦戦とだけ言えるうえに、それくらいの怪我で済むのは、リクくらいなのだわ」

「そうかな?」


 レムレース、という言葉に執事さんが体をビクッとさせていた気がする……驚いたのかもしれないけど、それをできる限り表に出さないようにしているのはさすがと言えるかもしれない。

 ともかく、エルサからしてもレムレースは油断できない存在なのかな。


「エルサなら、魔法を使えばすぐじゃない? 負けるとか苦戦する様子が思い浮かばないんだけど」

「魔法を使えばそうなのだわ。けどリクと同じ条件、魔法が使えないならその限りじゃないのだわ。まぁ、面倒だけどなんともならないとまではいわないけどだわ」

「エルサでもそうなのか……まぁ、俺が魔法を使えないだけで、エルサは使えるからその想定はしなくてもいいかな」


 あと、俺自身も白い剣があれば今回のように苦戦はしなかったと思うし。

 ちらりと、部屋に置いてある白い剣に視線をやるけど、置いてきたのを後悔したくらいだし、今度からは使うかどうかに関わらず、とりあえず持っておこうと思う。

 あと、剣を見た時に執事さんの様子が見えたけど、なんでもないようにレムレースの話をしているからか、にこやかな表情をしているのとは裏腹に、汗がだらだらと流れていた。


 怖くないですからねー、レムレースも倒したし、俺やエルサも何かしたりはしませんからねー。

 汗はともかく、表情は笑顔のままで固定されているのは、執事としての教育が行き届いているからだろう。

 いつもの、シュットラウルさんの近くにいる老執事さんではなく、俺より少し年上くらいの若い執事さんなのに。


「よしっと。とりあえず綺麗なったかな。ありがとうございました」

「いえ……」


 体を拭き終わり、使った後のお湯などを執事さんに渡してお礼を言う。

 皆を待たせてはいけないと手早く済ませたので、まだ汚れというか、髪に砂が混じってざらざらしていたりするけど、血の跡などはなくなってとりあえず身綺麗にはなれた。

 後は話が終わった後に、お風呂に入って洗い流せばいいだろう。


「やっと終わったのだわー。それにしても、レムレースがいたから魔力が減っているのだわ?」

「おっと。まぁね、レムレースには何も変哲もない剣とか効かないから、色々やったんだけど」


 エルサが再び俺の頭にくっ付き、大まかにレムレースとの戦いの話をしながら食堂へと向かった。

 

「お待たせ、皆」

「えぇ、リクさん。うん、綺麗になっているわね」

「おかえり、リク」

「おかえりなのー」


 声を掛けながら食堂に入ると、中ではモニカさん、フィリーナ、ユノが迎えてくれる。

 モニカさんは俺を見て確認をしてくれたようだけど、ちょっと恥ずかしい。

 他にも、ロジーナとレッタさん、それからカイツさんもいるね。

 ロジーナはレッタさんの膝の上に座って頭を撫でられて憮然としているけど……多分逃げられないんだろうな。


 カイツさん……今日もフィリーナに酷使されたのか、テーブルに突っ伏して顔を上げる気配すらない。

 解氷作業に駆り出されてから毎日こうだけど、手を挙げて振っているので俺が入ってきた事は認識しているようだ。


「えーっと、それじゃ今日あった事だけど……」

「氷を融かすのは相変わらずね。今日はアイシクルアイネウムが近くに出たけど、すぐにワイバーンに乗った兵士と、エルサちゃんに倒されたわ」

「アイシクルアイネウムも、皆慣れたみたいだね。危険はなかったのなら良かったよ。それから……」


 等々、今日それぞれであった事を話す。

 ここ最近は、バラバラに行動する事が多いから、こうして夕食後などに皆で報告会みたいな事をしている。

 まぁ、クランを作ったら話し合う事も増えるだろうし、という事での予行練習も兼ねていたりもする……というのは俺の中で考えているだけだけど。

 ともあれ、モニカさん達の話を聞き、センテ側は順調に解氷作業が進んでいる事を確認する。


 フィリーナやカイツさん、それにエルサ。

 さらにユノやロジーナとレッタさんも加わったからか、当初の遅れはとっくに取り戻し、想定よりも早く解氷作業が進んでいるらしい。

 色々あったけど、とりあえずロジーナとレッタさんが協力的なのは、いい事だ。

 まぁ、ロジーナは普段飄々としているくせに、ユノの挑発に乗りやすいため、煽って色々やってもらっているみたいだけど。


 ちなみに、レッタさんはそんなロジーナを見て身悶えしているという、よくわからない関係が築かれていた。

 最初は破壊神のロジーナに対する狂信者、みたいなイメージだったけどそれでいいのかな?


「ソフィーとフィネさんは、獅子亭に留まって明日から森に入るみたいだね」

「えぇ」


 ここにいないソフィーとフィネさんは、いちいちセンテに戻って、明日またヘルサルから森へ……というのは手間なので獅子亭で過ごしている。

 ルギネさん達も獅子亭にいたし、そちらのフォローもしてくれるつもりなんだろう。

 それから、俺が森に入ってからの話を皆にした。

 レムレースの発生は、他の人達と同じく驚いていたけど、とりあえず倒した事にはホッとしている様子だ。


 そして、そのレムレースに関する事でユノとロジーナ、それからエルサに意見を求める。

 内容は、これからもレムレースが発生するかの可能性と、魔力吸収に関してだ。

 ヤンさんも言っていたけど、これまでレムレースが魔力吸収をするという情報はなかったみたいだから、詳しいユノ達から正しい情報を得られないかと思ったから。

 まぁユノ達というより、魔物を創った破壊神であるロジーナにというのが主だけども――。




レムレースと言えど、完全な永久機関というわけではなかったようです。


読んで下さった方、皆様に感謝を。


別作品も連載投稿しております。

作品ページへはページ下部にリンクがありますのでそちらからお願いします。


面白いな、続きが読みたいな、と思われた方はページ下部から評価の方をお願いします。

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