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神とモフモフ(ドラゴン)と異世界転移  作者: 龍央


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魔法ではない魔力での攻撃法を思い出す



 レムレースが俺からの連続攻撃されないための対処として、足下の地面を崩して穴を開けて、などの方法をとるようにしたみたいだ。

 そうなると、俺穴に落ちないために俺は離脱するしかなくなる。

 幸いなのは、レムレース自身も穴の開いた場所にはいられないという事だろうか。

 地面に立っているわけではなく、浮かんでいるレムレースだけど、ある程度の地面との距離が保たれているのか、穴の上では高さを保てない様子。

 ギョロっとした目がそのまま視界にもなって、俺の姿をとらえるために穴の中にいるわけにもいかないようで、必ず再生する猶予を得るための竜巻発生と共に、穴からは距離を取っていた。


 だからと言って、俺に有利になる要素ではないんだけど不利になる要素にもなっていないので、助かっている。

 まぁ、穴にこもったまま俺を的確に捉えて魔法を放てるようなら、それはそれで対処のしようがあるけどね。

 例えばだけど、炎系の魔法を追尾させて穴にいるレムレースにぶつけたら、閉鎖された空間で燃えてくれるとか……多少燃えても、それこそ酸素がなくてもレムレースを倒せるとは思えないけど。

 でも、ダメージは今以上に与えられそうだ。


「……そんな、益体のない事を考えている場合じゃない、か……っと!」


 足を止め、考えるだけでは的になる。

 何度もヒットアンドアウェイを繰り返し、チャンスがあれば追尾した魔法をギリギリで避けてぶち当て続ける。

 どうにもできなくても、決定打にはならなくても今はやっておくに越した事はない。

 魔力を吸収されれば、またふりだしに戻ってしまうとしてもだ。


「というか、随分見晴らしがよくなったなぁ……」


 ふと、戦っている場所の様相が変わっている事に気付く。

 連続したレムレースの魔法により、半径がどれくらいになるか目測ではわからないくらいに、障害物がない状態だ。

 多分、数キロくらいはあるだろうか……遠くの方で、まだ無事な木が立っているのがぼんやりと見える。

 他方では、凍てついた地面が日の光を反射して輝いているようにも見えるが、そことの距離もかなり離れていた。


 戦ううちに、結構移動しちゃっているみたいだね。

 所々、レムレースが開けた穴があるので注意は必要だけど、木々に邪魔されなくなっているから動きやすくもなっている。

 もしかすると、近場にいた魔物も巻き込まれて消滅したりしたかもしれないけど、そこはよくわからない。

 こうなると、誰かと一緒に来なくて正解だったかもね……エルサはいた方が良かったけど。


 いないものは仕方ないと、何度も一人できた事を後悔しながら、周囲にふと周囲に視線を巡らせて気付く。

 誰かがいたり、巻き込まれた様子があったわけではなく、単純に今戦場になっている場所の様相に、意識が向いた――。


「なんか、地形が変わっちゃってるけど……俺のせいじゃないって事でっ!」

「KIKIKIKI!!」


 今回魔法を使っているのはレムレースだし、俺が悪いわけじゃない、なんて自分を正当化。

 実際、俺が魔法を使ったらもっと酷い事になっていた可能性もあるし……なんて事は考えないようにしよう。

 でもこれだけ森を削り取ってしまったら、気兼ねなく色々できるのになぁ。

 無数の穴が開いているし、ちょっとくらいならやらかしてもレムレースのせいって事に……。


「って、ん? 何か忘れているような……?」


 穴ぼこ、自然への影響……どこかで似たような光景を見た覚えがあるような気がする。

 赤い光だとかそういうのではなくて、なにか……。


「っ! ちょっと今考えているんだから、もう少し攻撃を緩めて欲しいなぁ!!」


 なんて叫んでも、俺を仕留める事だけに集中しているレムレースは止まらない。

 空から、横から、地面から……様々な魔法が飛び交って、さらに穴が多くなっていく。

 やりたい放題やってくれるなぁ。

 いい加減、空から魔法を降らして思いっきり攻撃したい気分だ。


「あれ? 空から……って、あぁ!」


 そういえばと頭の中に浮かぶ一つの光景。

 あれはヒュドラーと戦う前、備えるためにそれまでセンテを襲っていた大量の魔物を、一掃した時の事。

 センテ東側で、多少なりとも数が減ったとはいえ、ひしめき合っていたのを俺が一掃したんだった。

 見晴らしのいい場所だったのもあって、一気に片付けつつ地形への影響をあまり考慮せず、穴だらけにして少しでもヒュドラー含む魔物達の進行を遅らせる、という目的もあったはず。


「そうだ、魔力……魔力弾だ! 魔法が使えなくてもこれなら……!」


 魔力はある、大分減ってきてはいてもまだまだ残っているのは自分でもよくわかる。

 そして、魔法を使おうとすると脳内にノイズが走ってしまうのは相変わらずだけど、魔力を使う事はできている。

 じゃないと、剣魔空斬だけでなく剣や鞘に魔力を流すなんてできないし。

 だったら、魔力を練って固めた魔力弾は使えるはずだ。


「どうしてこれまで忘れていたのか……」


 単純な破壊の力なら、余計なイメージをせずに手間も省けるから、一番手軽な攻撃方法になっていたはずなのに。

 ヒュドラー相手にも使っていたのになぁ……それだけじゃ倒せなかったから、白い剣に頼るようになったんだけど。

 そこから意識を乗っ取られたりとかいろいろあって、すっかり頭の中から抜け落ちていた。


 というか多分、魔法が使えないとわかってからは、無意識のうちに魔力弾も使えないと思い込んでいたのかもしれない。

 あと、剣魔空斬なんてのを使えるようになったので、意識がそちらに向いていたというのもあるかな。


「っと! 剣魔空斬もそうだけど、魔力を通した剣や鞘でも通じるなら、魔力弾もきっと……!」


 後ろから、大きく迂回して迫る魔法を避けながら呟く……見晴らしが良くなったおかげで、視認しづらい風の魔法以外は潜ませるのが難しくなっていて避けやすいのが幸いか。

 ともあれ、レムレースに対する攻撃は魔力が使われている、という部分が重要だと思われるので、魔力弾でもレムレースにダメージを与えられるはず。

 まぁどれだけの効果が出るかはわからないけど、多分最低限でも剣魔空斬よりは少しマシだとは思う。

 こちらも間髪入れないように連発は難しいから、当ててみて様子を窺う必要はあるだろうけども。


「そうと決まったら……つぅ!」

「KIKI,KIKIKI!」


 体内の魔力を殊更に意識し、ヒュドラー戦の時と同じように魔力弾にするために溜めようとする俺に、四方から迫る無数の氷の礫。

 体を動かしながら、魔力を練る事は対ヒュドラ―で散々やったから慣れているんだけど、さすがに魔法を被弾して痛みが走る中集中するのは難しい。

 全てじゃないけど、溜めようとした魔力が体内で拡散していくのがわかる。

 大味な攻撃が多かったヒュドラーと違って、細かい攻撃や手数が多いため全て避けるのが難しいレムレースの魔法。


 避けるだけじゃ全てに対応できないし、打ち払う必要などもあるので、剣や鞘には常に魔力を流しておかないといけない。

 それでもいくつかは体に受けてしまう状況がうっとおしいね――。




剣魔空斬よりも、集中する必要があるので中々すぐにとはいかないようです。


読んで下さった方、皆様に感謝を。


別作品も連載投稿しております。

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