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神とモフモフ(ドラゴン)と異世界転移  作者: 龍央


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魔力で無理矢理契約した可能性



「契約しなかったドラゴンは、どうするの?」

「また次の契約する運命の相手が現れるのを待つだけなの。契約する相手は、同時に二人出て来る事はないけど、一人だけではないの。まぁ、魂の輪廻で巡り巡って人として生まれたら……という可能性だけどなの。でも、悠久の時を生きるドラゴンだから、数百年程度待つのは問題ないの」


 そういえば、エルサは千年以上だったっけ? それくらいずっと俺のように契約できる相手を待っていた、とか言っていたような気がする。

 エルサの場合は、他の誰かとの契約を嫌がってじゃないみたいだけど、ようやく契約できる、するべき相手が現れたんだから、喜んで世界を飛び回るのもあり得るのかもと、今更ながらに思った。

 数百年どころか、千年……場合によっては数千年生きられるなら、待つ事はできても気持ち的には焦がれてしまうくらいはするよね。


「それで魔力があれば……」


 続くユノの話を要約すると、尋常じゃない……人間どころか魔力量が生まれつき多いエルフとすら、比べ物にならない程の魔力量を持った人間。

 ドラゴンよりも魔力が多くなる事で、バランスが逆転して強制的に契約を迫る事ができるって事だね。

 俺はエルサと契約する前まで、魔力の事をよく知らなかったからそんな事はできないけど、この世界で生まれ育ったクズ皇帝なら、自分の魔力を操作する方法ぐらいはわかる。

 だから、それを使って本人がそうしようと最初から考えていたかはともかく、魔力によって強制的に契約したわけだ。


 ドラゴン側は、クズ皇帝が破壊側で契約を断るべき相手だとは知る由もなく……遠く離れていたとしても、自分の契約するべき相手がわかる程度なので、いずれクズ皇帝に直接会いに来る。

 その接触方法がどうなのかはわからないけど、レッタさんが知らずおそらく周囲の人もほぼ知らないのであれば、密かな出会いだったのかもしれない。

 ともかく、そうして出会ったドラゴンはクズ皇帝を忌避しようとしたけど、強制的に契約し、従わせられてグロース・バリエーラを使わされていると。

 レッタさんと話した内容や、この場での予想ではあるので細かい部分はともかく、大体こんな感じでドラゴンとの契約をしているんだろうという事だった。


 クズ皇帝が生まれた当初がどうだったかに関わらず、ドラゴン側が拒否しようとしても契約できる可能性としては十分に考えられる。

 さらにユノが付け加えたのは、魔力による強制的な契約であれば、それが本来契約するべき人間でなくてもできるかもしれないという事。

 つまりクズ皇帝が生まれた当初がどういった性質かに関わらず、なんらかの方法でドラゴンを見つけて接触し、契約した可能性も考えられると。

 最初から魔法に関してやユノが話した例外、それに契約の詳細を知らなくても、無理矢理ドラゴンを従えさせようとしたのなら膨大な魔力がそういう作用をする事もあるとか。


 それこそ、契約とは違うし、従えさせようとしていたというのも違うけど、俺の影響でユノとロジーナが人間の体に入り込む事になったのも、似たような現象と言えるみたいな事を、後で聞いたりもした。

 ……結局、魔力ってなんだろうという疑問が深まったりもしたけど。

 ちなみに完全に余談ではあるけど、人とドラゴンが協力して発展に寄与した例の一つとして、現在の魔法があるらしい。

 ドラゴンと契約した人間が、人類に魔法を伝えたのだとか。


 ただそのままだと当然使えないし、多少改良しても使える人は少なかったのを、エルフが研究して多くの人類に使えるようにしたのが、現状の魔法という事みたいだ。

 さらにそこから、俺やエルサの助言と言えるのかは微妙だけど、魔力を練る方法などを使って魔法の研究するのは、これも発展に寄与していると言えるらしい。

 まぁ、他にも押し寄せてきた魔物と戦ったりと、人を守るための行動もしているから、ユノからすると正しい力の使い方との事だ。

 それらの話を聞くと、俺は今アテトリア王国で英雄と持て囃されてしまっているけど、ドラゴンと契約した人はそうなるべくしてなる……つまり英雄やそれに近い呼び方をされるのは、必然なのかもしれないね。


「まぁ、とりあえずドラゴンとあれが契約できた理由とかは、一応わかったわ。でもそれはつまり……この先どうなろうと、あれをどうにかするためには」

「私かロジーナ、それかリクしか対処できないって事だと思うの」

「はぁ……やっぱりね。厄介だわ。多分、少しくらいならレッタも戦えるだろうけど……」


 ユノの言葉に溜め息を吐くロジーナ。

 そうだよね、尋常じゃない魔力があるって事は簡単には傷付かないってわけで、身体能力も魔力の影響で上がっているはず。

 最善の一手なら多少は、次善の一手だったら傷一つ付けられない可能性もある。

 だからその魔力の壁みたいな防御力や、ちょっと力を入れて殴るだけでも魔物が破裂したり硬い氷が割れる攻撃力に対処できるのは、限られてくる。


 犠牲を覚悟で大量の人で一人を囲んで、疲れさせて魔力が切れるまで戦い続ける、なんて乱暴な方法もあるかもしれないけど……それは、素手や武器を使って戦うだけの場合。

 今の俺とは違って向こうは魔法が使えるわけで、膨大な魔力に頼った魔法を使われたら、その魔力に対抗できる存在しか、まともに対処できないだろう。

 それこそ、ヘルサル防衛戦で俺がゴブリン相手に使ったような魔法をクズ皇帝が使ったら、どれだけ多くの人で取り囲んでもあまり意味はないからね。

 少なくとも、ヒュドラーやレムレースと面と向かって戦える、ユノやロジーナ、もしくは俺がどうにかするしかないと。


 あと、レッタさんが少しくらいとロジーナが言ったのは、魔力誘導とやらでクズ皇帝が魔法を使おうとした際に、少し逸らすとか魔法の威力を弱めたりするくらいはできるかもしれない、って意味らしい。

 さすがにレッタさん一人でどうにかできる事は絶対ないと……ただまぁ、それなら俺とエルサ、ユノとロジーナ、さらにレッタさんが協力すれば対処できるという事でもある。

 魔力自体は現状俺の方が多くなっているみたいだけど、魔法が使えなくなっているからね。

 その部分を、エルサやユノ達がフォローしてくれればなんとかってところだと思う。


「はぁ……結構な長話だったけど、ようやく終わった……」


 レッタさんのいる部屋を出て、溜め息と一緒にこめかみ辺りをマッサージ。

 予定していなかったドラゴンの事とか、俺には難しい話が多かったからね。


「リネルトさんもありがとうございました」


 俺と一緒に、部屋を出てきたリネルトさんにお礼を言う。

 部屋に残ったのは、レッタさんと見張り役のロジーナ、それからユノ。

 レッタさんはロジーナがいればおかしな行動をする事はなさそうだけど、念のためだ。

 これから、シュットラウルさんが俺の代わりにレッタさんと話しをするはずだし、その時にリネルトさんがどうするかは別として、抑止力としてユノにはいて欲しいからね――。




思わぬ話を聞いて、リクは少し疲れたようです。


読んで下さった方、皆様に感謝を。


別作品も連載投稿しております。

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