表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神とモフモフ(ドラゴン)と異世界転移  作者: 龍央


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1514/1949

ドラゴンと契約している可能性



「ドラゴンの魔法は、人が扱う魔法と違ってイメージで魔法を使えます。魔法名はその時、イメージをはっきりさせる役割や、二度目以降に使う際に前回のイメージを引き出すためなどで必要です。絶対ではないんですけど。その魔法名は、使う人が決められるんです。だから、俺が言う結界とグロース・バリエーラは近い物なんじゃないかと」


 俺やエルサが結界と言っているだけで、別に他の名前でだってイメージさえすれば発動するし、同じような効果の魔法を使える。

 それこそ、壁! なんて言ってもイメージしていれば結界と同じのを、俺もエルサも発動できるはずだ。


「……何よそれ。要は魔法の創造じゃない。そんな、魔力が尋常じゃないだけでなく、魔法も自由にできなんて……!」


 愕然とした様子のレッタさん。

 ドラゴンの魔法に関しては、本当にロジーナから聞いていなかったみたいだ。

 まぁ、ドラゴン自体が創造心であるユノの方が創った存在だし、話したくなかったのかもしれないけど。


「だったら、その異常という言葉すら生温い程の魔力を持つリクなら、帝国を一人でなんとかできるんじゃ……」

「以前まではともかく、今のリクならそれも可能ね。魔法が使えればだけど……」


 ロジーナから、レッタさんの話を聞いている時は本当に一人で乗り込んでもいい、とすら考えたりもしていた。

 実際は、その時には既に魔法が使えなくなっていたので、実行はできなくなったけど。

 とはいえさすがに、一国を一人で潰す……はともかく、最高権力者のクズ皇帝をぶん殴りに行くなんて、その後に色々と困った事がありそうだからね。

 戦争状態ならまだしも、あくまで一介の冒険者である俺が一人でそんな事をしたら、冒険者ギルドの立場はまずくなるし……他にもまぁ色々とね。


「ははは、レッタさんがロジーナに蹴られる前に言っていた、全力なら簡単になんとかできた。あれは本当に的を射ていて、耳に痛かったんですよね」


 あーだこーだと考えた結果、俺一人でできる事を過小評価して皆と協力する事を選び、多くの犠牲者を出したり戦いを長引かせたりしていた、というのはわかっている。

 とはいえ、本当に一人でとなると今センテの周囲が氷で閉ざされているように、もしかしたらそれ以上の影響を後々に残す事になりそうだから、加減が難しい。

 魔法が使えない今、そんな事はできなくなったのはある意味良かったのかもしれないね。

 でも、その分身体能力に任せて動いて、さっきアイシクルアイネウムに飛び掛かった時のような事になったんだけど。


「私は、ロジーナ様のお話やこれまでの経緯から、けしかけた魔物を全て蹴散らすくらいは、簡単にできるとは思っていたけど……それどころか、一国をものともしない。少なくとも、帝国中の人や魔物をかき集めてもどうにもならない可能性を持っているなんて、考えていなかったわ。でも、それはつまりリクがそうなら……?」

「だから、レッタさんに聞いたんです。現皇帝はドラゴンの魔法が使えるのかって。さっきレッタさんは、今の俺との魔力を比べたら三から四程度と評価しました。でもそれだけでも、十分過ぎる程に脅威なんです」


 この世界に来てすぐの俺以上の魔力量を持っているという事は、ドラゴンの魔法が使えるのなら街や村を簡単に潰してしまえる。

 しかも、俺と同じように有り余る魔力で身体能力も補っているだろうし、容易に傷付けられないようになっているはずだ。

 アテトリア王国全体を相手取ってどうなるか、はわからないけど……甚大な被害をもたらすのは間違いない。

 それは個人としては、俺もそうだけど過剰すぎる力で、人々というよりも国家にとっての脅威になり得る。


「そういう事ね。私は以前、ロジーナ様と共にリクを見たわ。そして、その時はゴミカスを動向まではできないと判断した。まぁ、ロジーナ様はそのリクすらも利用されようとのお考えだったけど。でも以前のリクですら、まばゆい光でヘルサルでは大量のゴブリンを退けた。ドラゴンの魔法というのは知らなかったけど、同じかそれ以上の事ができるのなら、いずれ世界を、そして自分自身を破滅に導くだろうと思ったわ」

「……あの時、見ていたんですか?」


 レッタさんは、まばゆい光と言った。

 情報を聞いていただけだったら、そんな事を言わないような気がする……近くで見ていた、ヘルサルの人達は白い光と言っていたから。

 話を聞いただけだったら、同じく白い光と言うか、それとも何も言わないかだろうと思う。


「見るつもりじゃなかったんだけどね。ただ、ゴブリン達を集めるのにも細工したし、結果は気になるじゃない」

「細工……?」


 そういえば、クラウリアさんが予定より早く、そして多くゴブリンが集まった……みたいな事を言っていたっけ。


「私の能力でちょっとね」


 魔力誘導、クズ皇帝に魔力貸与されているからかはわからないけど、センテに押し寄せた大量の魔物を操作するくらいには、魔物を操れるんだからゴブリンを集めるくらいわけはないって事みたいだ。


「それで、そのドラゴンの魔法というのは、魔力が多ければ誰にでも使えるって事なの?」

「いえ、ドラゴンとの契約が必要です。そうしないと、ドラゴンの魔法は使えません。だから、現皇帝はドラゴンと契約しているんじゃないかと」

「それが、さっき聞いてきた毛玉とかってわけね」


 エルサがそうだから、他のドラゴンもそうだとは限らないけど……多分ユノが創ったドラゴンは皆そうなんだろうと思う。


「……ドラゴンと言えば、伝説で語り継がれる存在だけど、そんなのと契約したらあいつが誇らないわけがない気がするわ」

「でも、実際にそれらしい魔法は使っている……という事は、契約しているはずなんです」


 グロース・バリエーラがイメージを元にして使われた魔法であるのなら、必ずドラゴンと契約をしていなければいけない。

 クズ皇帝が契約したんじゃないとすれば、他の近しい人物が契約している? いや、それだと魔力貸与したとしても足りないはずだ。

 全容を見たわけじゃないけど、帝国を覆いつくす程の結界……グロース・バリエーラ。


 あれはツヴァイやクラウリアさん、そしてレッタさんのような魔力貸与されて、通常よりもエルフよりも魔力量があったとしても、無理だと思う。

 それに、ドラゴンと契約したのがクズ皇帝じゃなかったとしても、おとなしく言う事を聞いているとは思えないし……クズ皇帝、人望がないみたいだから。


「なら、もしかすると隠さないといけない理由があるのかもしれないわ。それこそ、契約したドラゴンが動けないとか」

「ドラゴンが動けない……?」


 俺が知っているドラゴンはエルサだけだから、どうしても頭に浮かぶのはエルサになるんだけど……あのエルサが、疲れていようと魔力が少なくなろうと、動かずにじっとしているという想像がどうしてもできなかった。

 いや、俺の頭にくっ付いて寝ている事は多いけど、なんとなくね。


「それがもしリクにばれたらまずいとでも思った、なんて可能性もあるわ。あちらは魔力だけが多いバカ。こちらはバカ魔力を持ったリクに加えて、エルサってドラゴンがいるわけだし」

「……」


 ロジーナにとっては、両方馬鹿なのか。

 まぁ、俺の方は魔力の量がおかしいという意味だから、魔力だけと言われるよりはマシかもしれないけど。

 ともかく、クズ皇帝が俺の事を警戒しているのだったら……。




レッタさん達とはまた別に、リクを特に意識して、警戒している可能性が高いのかもしれません。


読んで下さった方、皆様に感謝を。


別作品も連載投稿しております。

作品ページへはページ下部にリンクがありますのでそちらからお願いします。


面白いな、続きが読みたいな、と思われた方はページ下部から評価の方をお願いします。

また、ブックマークも是非お願い致します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ