表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神とモフモフ(ドラゴン)と異世界転移  作者: 龍央


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1480/1951

ヴェンツェルさんとの話



「センテよりも、カーリンの方が大事なんだな……」

「そ、そんな事はないぞ……? もちろん、センテだって我が国の大事な国民が住まう街だからな。そちらも重要だ」


 まずはカーリンさんの無事を確認する事が、ヴェンツェルさんにとっての最優先だったんだろう。

 マックスさんに突っ込まれているけど、否定するヴェンツェルさんは顔を明後日の方向に向けているので、説得力はない。


「ま、まぁとにかくセンテの事ですよね。えっと、この街の代官のクラウスさんには、もう詳細を報告しているんですけど……」

「ふむ……」


 センテで起きた事の詳細、まぁマルクスさんが既に連絡している事もあるんだけど、一応順を追って話した。

 俺が隔離されている時の事はマックスさんとマリーさん、それからフィネさんが補足し、魔物の殲滅から現在凍てついた大地と隔離結界で閉ざされている事などは俺からで、原因も俺だと伝える。

 とはいえクラウスさんにも話したし、この場では言えない事もあるのでそこは省いてだ。

 ……ロジーナが破壊神だとか、レッタさんが魔物を誘導したとかなんとかって話は、さすがに店員さん達にまで聞かせられないよね。


 あと、俺の意識が乗っ取られたとか……隔離された時の原因は破壊神のロジーナだから、理由を話したらそこも説明しないといけなくなるため、ぼかしておいた。

 フィネさんだけでなく、マックスさんやマリーさんも一応なんとなくは知っているので、協力してくれた。

 ちなみにヴェンツェルさん、センテの事よりもカーリンさんの方が気になっていたのは間違いないようで、この街に到着した直後、というか街に入ってすぐ代官のクラウスさんの所へ行くのが本来なはずなのに、この獅子亭に直行したらしい。


「ですので、詳細は先にクラウスさんに話していますからそちらで」

「うむ。まぁ、ここでは話せない事もあるというのは、なんとなくわかった。明日改めて聞きに行くとしよう」


 俺達の話している様子で、事細かに全てを説明しているわけじゃない、というのを察してくれたのはさすがだね。

 まぁ、破壊神云々の部分はクラウスさんにも話していなかったりもするから、いずれヴェンツェルさんには頃合いを見て話そうと思う。

 ユノの事も知っている人だからね。

 あと今からクラウスさんの所へ、とならないのはもう夜遅いから。


 もしかしたらクラウスさんはまだ仕事中かもしれないけど、庁舎自体は閉まっているし、これから話し込んだら朝になってしまいそうだから、との事だ。

 最初から到着が遅くなったため、今日は軽く挨拶をするくらいで済ませようと考えていたらしい。

 獅子亭でカーリンさんの無事を確認してから向かおうとしていたみたいだけど、そこに予想外に俺がいた事や食事をしながらの事情説明で結構遅くなってしまったからみたいだ。


「なら今日はここに泊まればいい。ヴェンツェルの事だから、宿も取っていないんだろう?」

「いや、ありがたいが、部下の下に戻らねばならん。マックスが戻っているとは思わなかったからな……知っていたら、連れてきた兵達を任せて来たんだが」


 獅子亭で寝泊まりするよう勧めるマックスさんに、ヴェンツェルさんが断る。

 王軍を率いて来たんだから、そちらに戻らないといけないみたいだ。

 さすがにほったらかしにはできないよね。


「兵士さん達は、今どこに? さすがに、全員街に入って宿を取れているようには……」

「ヘルサル西門付近で、野営の準備中だ。緊急であれば、すぐにセンテへ向かおうとはしていたがな。そうでなくとも、明日、明後日と休み、ヘルサルを通ってセンテに向かおうとしていた。まぁ、その必要はなくなったわけだが」


 緊急であれば駆け付けるけど、でなければ行軍で疲れている兵士さん達を休ませてから、センテに向かう予定だったんだろう。


「さすがに、大量の兵士を今から街に入れて休ませるわけにもいかないからな……」


 クラウスさんに報せを送って、前もってある程度受け入れ準備は進められているだろうけど、到着したのが夜なのもあって、今日は野外で過ごす予定みたいだ。

 明日、クラウスさんとヴェンツェルさんが話して、改めてヘルサルの中に受け入れられるってところだろう。

 コッソリ聞いたら、ヴェンツェルさん指揮下の下こちらに来ている王軍の兵士は二千人らしい……マルクスさんが連れて来たのが千人だから、倍だね。

 荷駄隊を入れたらもう数百足されるけど、ヴェンツェルさんの王軍はさらにそれ以上。


 今回の援軍はかなり力を入れているみたいだ。

 まぁ、マルクスさんの方に力が入っていなかったわけではなく、時間をかけて準備ができた結果だろう。


「では……リク殿は、今日はここで?」

「いえ、俺はセンテに戻ります。連絡もしておかないといけないので……」

「そうか、エルサ様達とワイバーンだったか……空を飛べないと行き来出来ないのは不便だが、リク殿ならではだな。なら、また明日とはいかないか」

「そうですね……ワイバーンは多分、明日も来させると思いますが」


 クラウスさんが進めている物資輸送の準備で、明日には多少なりとも運べるものがあるはずだ。

 だから、ワイバーン便は明日から運行されるはずだけど……そこに俺がいるかどうかの予定は、まだ決まっていない。


「まぁ、街も無事、カーリンやセンテも無事だったのだ。急ぐ必要もないだろう。だが、明日でなくとも数日中には、私もセンテに連れて行ってもらえないか?」

「ヴェンツェルさんを? まぁ、連れて行くくらいならすぐにできますけど」


 ワイバーン、もしくはエルサに乗ってもらえばいいだけだからね。

 やろうと思えば、今日中にでもヴェンツェルさんをセンテに連れて行く事ができる。


「こちらでもやるべき事があるから、今日明日は難しいが……マルクスや侯爵殿とも話しておかなければと思ってな」

「そうですか、わかりました。向こうにも話して、またこちらに迎えに来ますよ」

「あぁ、助かる」


 さすがに今日は部下達を放っておけないし、明日はクラウスさんと話さなければいけないため、センテに連れてはいけないか。

 シュットラウルさんやマルクスさんとも、ヴェンツェルさんは話して起きたいとの事だったから、俺からシュットラウルさん達の方には言っておくとして、いつでも迎えに来れるよう準備はしておこう。

 エルサに乗ってヘルサルに来るだけだけど。


「それじゃ、ヴェンツェルさん。マックスさん達も。また」

「あぁ、迎えを待っているぞ」

「今度は、モニカも連れて来てくれ。あと、これを。今日来れなかった奴らにも食べさせてやってくれ」

「はい、ありがとうございます」


 食事も終わったし、話す事も話したのでフィネさんと共に、皆に挨拶。

 いつの間に用意していたのか、マックスさんから差し出された料理を受け取り、お礼を言いながら厳重にしまって獅子亭を出る。

 思っていたよりも遅くなって、深夜に近くなってしまったけど……とりあえずモニカさん達に心配をかけないよう早く戻った方が良さそうだね――。




ヴェンツェルさんとの話を終えて、センテへの帰路を急ぎます。


読んで下さった方、皆様に感謝を。


別作品も連載投稿しております。

作品ページへはページ下部にリンクがありますのでそちらからお願いします。


面白いな、続きが読みたいな、と思われた方はページ下部から評価の方をお願いします。

また、ブックマークも是非お願い致します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ