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神とモフモフ(ドラゴン)と異世界転移  作者: 龍央


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協力者報酬



「あ、そうでした。リクさん」

「はい?」


 エレノールさんが退室した後、クラウスさんが来るまでの間お茶を飲みながら世間話をしていると、ヤンさんが何やら思い出したように呼び掛けてきた。


「今回、センテでの活躍に与えられる報酬ですが……」

「え、報酬ですか?」

「はい。リクさんがいなければセンテは今頃壊滅し、ヘルサルや他の街……もしかしたら国も危うかったかもしれませんから、報酬はあってしかるべきです」

「特にリク様はヒュドラー討伐、一番の功労者ですからね。おそらく国からも褒賞が与えられると思いますよ」

「な、成る程……」


 特に依頼とか受けていなかったけど、まぁ、これまでもヘルサル防衛戦や王都襲撃、ルジナウム襲撃とそれぞれでも報酬や褒賞が出ていたわけで。

 今回も出るって事だろう、フィネさんも言っているように国からも。

 ここに来る前、協力してくれた冒険者さんとかにも報酬が出るって、ヤンさんは言っていたし。

 ……エレノールさんに援助をする事で、少しだけお金の使い道ができたと思ったけど、むしろまた増えて減らなさそうだね。


「ベリエスさんからも聞きましたが、魔物達に囲まれる前に調査依頼も受けていたとの事。それと合わせての報酬になります」

「そういえば……」


 調査依頼の途中で、ロジーナに隔離されて戻って来たと思ったら、大量の魔物との戦いだったからね。

 それらも含めて、全て一括で報酬が支払われるんだろう。


「今すぐまとめての支払い……としたいところではあるのですが、申し訳ありません。処理に少々日数がかかってしまいそうなのです」


 顔を曇らせてそう言うヤンさん。

 まぁ、今すぐ大金が欲しいというわけじゃないから、それはいいんだけど……。


「急がないのでそれは構わないんですけど、これまでそういった事はありませんでしたよね? いえ、責めるつもりはありませんけど、単純に疑問で」


 冒険者ギルドは基本、依頼などの報酬は当事者が受け取りに来たらその場で払う、即金主義という言葉で合っているのかわからないけど、すぐに払うのが基本。

  それが、少し待って欲しいと言われるとは……覚えている限り、そういった事はこれまでなかったはず。


「今回、多くの冒険者に協力してもらいました。そちらへの報酬支払いも生じていて……センテは今あの状態ですので、全てあちらの支部で賄うわけにもいかず。一部の冒険者からお金を預かるシステムもあり、ヘルサルでもセンテでもまとまったお金は当然あるのですが、それだけでは足りないのです」

「あー、それはそうですね」


 冒険者からお金を預かっていると、いつでも引き出せるように冒険者ギルドはブハギムノングの小さな支部のような例外を除いて、まとまったお金を保管しているはず。

 当然、依頼を達成した事への報酬もあるので、もしかしたら各街にある施設の中で一番大金を扱っているかもしれない。

 けど、今回はセンテで協力してくれた冒険者が多いので、二つの支部だけでは支払い切れない膨大な量になっているんだろうな。

 ヒュドラーが迫っているとわかって逃げ出した冒険者はともかく、それでも戦ってくれた人は百人を越えているから。


「魔物の回収もセンテの冒険者ギルドが行っていたので、ギルドとしての利益もありますが……数が多いですからね。その総数の把握は向こうに任せるとして、こちらでも処理するべき事があります。私、戻って来たばかりですし……おそらく仕事が溜まりに溜まっているでしょう。はぁ……」

「ははは……」


 疲れた表情をするヤンさんに、苦笑で返す。

 要は、報酬を支払うべき人が多くて、お金が足りないし、処理するべき事も多いからちょっと待ってねって事だ。

 討伐した魔物とかは、討伐した冒険者からギルドが買い取って報酬を支払い、それをギルドが換金するという流れみたいだけど、センテは今閉ざされている状態でとても今すぐできる状況じゃないのもあるか。

 あと、ヒュドラーやレムレースは倒したら消えてしまったけど、残っていた他の魔物は俺が意識を乗っ取られた時に使った赤い光で、跡形もなく消滅してしまったし。


 ちなみに、今回は誰がどの魔物を倒したのかという細かな事がわからないのもあり、一律に多めの報酬を分配する形だという。

 複数の冒険者を集めて指名依頼をした時にはよくある事らしい、それ以外にちゃんとした報酬もあるから、特に文句はないのだそうだ。


「それなら……準備ができた時には多分、王都にいると思うので中央冒険者ギルドで受け取るというのはできますか?」

「はい、可能です。あちらなら、この国の統括ギルドでもあるので、支部よりも支払い能力は高いでしょう。それか……支払い証明を受け取って、ギルドがそのまま預かるという事もできますが?」

「あぁ、それならそっちの方がいいですね」


 支払い証明は、単純にギルドからこれこれこうした理由で、これだけのお金を支払ったよ、という書類。

 いちいち報酬を受け取った後、ギルドに預けるという手続きをしなくていい分、簡単で助かる。

 使う人は一部の高ランクで、物凄い報酬を何度も受け取っているような人くらいらしいけど……って、それ俺にも当てはまるのか。


「畏まりました。では、準備ができ次第そのように。フィネさんも、それで?」

「あ、私もですか」

「フィネさんは特に、モニカさん達とも一緒にセンテが魔物に囲まれた直後から協力してくれていましたからね」


 俺自身、色々やったという自覚はあるけど、フィネさんやモニカさん達の活躍も忘れてはいけない。

 もちろん、ヒュドラーの足止めをしてくれた人達もだ。

 まぁ、マックスさん達はその辺りの事もわかっているだろうから、俺が気にしなくてもいいだろう。

 ヤンさんも当事者だし、元ギルドマスターもいるし。


 ユノとロジーナをどうするかがちょっと問題かな?

 俺が受け取って、小遣いみたいに引き出してあげるというのでもいいんだけど……。


「はい。ただフィネさんはリクさんのパーティとしての登録はされていませんので、個別の支払いとなります」

「でしたら、私もリク様と同じように。大金を持ち歩く趣味もありませんし、今すぐ必要ありませんから」

「畏まりました」


 フィネさんに頷くヤンさん。

 ちょっと、ユノ達に関して話しておくか……モニカさんとソフィーの事もあるし。


「すみませんヤンさん、モニカさんやソフィーも同じパーティですので、俺と同じようにして欲しいんですが……」

「了解しました。報酬の支払いは別として、多少であればセンテでも引き出せるので大丈夫でしょうからね。上限は設けられるでしょうが」


 モニカさん達も、今すぐ現金が欲しいというわけではないだろうし、必要ならセンテでも多少は引き出せるなら安心だ。

 上限は、センテがまだ氷に囲まれているから仕方ないか……お金を今すぐ輸送というわけにもいかないし。


「あと、フィリーナやカイツさん。それからユノとロジーナの事なんですけど……フィリーナとカイツさんは、本人達に直接聞けばいいとして、ユノとロジーナにどうするかちょっと困っています」


 ついでに、フィリーナ達の事もヤンさんに聞く事にしてみた――。




冒険者じゃない人への報酬も気になるようです。


読んで下さった方、皆様に感謝を。


別作品も連載投稿しております。

作品ページへはページ下部にリンクがありますのでそちらからお願いします。


面白いな、続きが読みたいな、と思われた方はページ下部から評価の方をお願いします。

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