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神とモフモフ(ドラゴン)と異世界転移  作者: 龍央


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ヘルサルの状況



「現在ヘルサルに残っているのは、多くが治安維持部隊ばかりで……」


 衛兵にはいくつか役割ごとに別けた部隊があって、街中の治安維持をしたり事件などの捜査をする、俺の中では警察みたいな役割をしている部隊以外のほとんどは、センテに出払っているらしい。

 まぁ警察っぽい部隊の人達は魔物と戦う事を想定していない部隊たいだし、ヘルサルは大きな街だからそちらを管理するために必要最低限は残しておかないとね。

 とはいえ当然ながらの人手不足、長引くセンテでの戦闘から、急遽新しい人を入れての対応で、新人さんばかりがいる状況……強制的な徴兵とかではないみたいだけど、センテが壊滅してヘルサルに魔物が押し寄せれば、それもやむを得ないと考えていたと。

 さっき整列した人達の大半は、そんな招集で新たに衛兵となった人達で、俺の顔や行動などを知らない人が多いため、顔見せというか面通し? だと俺が犯人になっちゃうか。


 とにかく、一度見ておいた方がいという事らしくて整列させていたと。

 ちなみにだけど、マリーさんとフィネさんが先に話を通しに来なかったら、整列した人はもっと多かったらしい……俺の事を見知っている衛兵さん達も並びたがったとか。

 必要もない、と思うけど大量の兵士さんに整列して迎えられるとか、何それ怖い……とも言えない待遇になっている俺の状況、今更だけど。


「本来は、私ではなくもっと上の者が迎えるべきなのですが……」


 そう言う隊長さんは、ヘルサルの衛兵さんの中では班長くらいの役職らしい。

 部隊長などは、センテに行ったり人手不足を補うために街を飛び回っている状況だとか。

 俺なんかを迎えるのに、わざわざ偉い人を集める必要もないので気にしていないというか……既に過剰なんだけど。


「……それでその、私などがリク様にお尋ねするのは畏れ多いのはわかっているのですが」

「畏れ多いなんて事はないんですけど……」


 妙に畏まったりへりくだったりする隊長……もとい班長さん。

 そんな風にしなくてもと何回か言ったんだけど、どうやらこういう性格の人らしい。

 ともあれ、班長さんが訪ねたいのは俺達の後ろにいるワイバーン達の事。

 街や門を守る衛兵としては、聞かずにはいられないとか……職務に忠実というか、当然の事でもある。


 隠すつもりはないし、それなら最初から連れて来ないから、リーバーと一緒に説明。

 害のない、味方をしてくれるワイバーンである事や、センテでも活躍した事などを伝えて、何かされない限り人間を襲ったりもしないと言っておく。

 リーバーは隣でガァガァ言っていただけだけども。


「魔物が、それもワイバーンが人間に協力を……」


 なんて、班長さんは驚くのも当然だけど、とりあえず納得してもらった。

 まぁ、マックスさんが「リクだからな、あり得ないと思っても納得するしかないだろう」と言ったからなんだけど。

 解せぬ……なんて言えないのはわかってますー。


「ワイバーン達はこれからも協力してもらうという事で、無害なのをできるだけ多くに知らせるため、もあります。しばらくはセンテとの往復でヘルサルに来る事も多くなりますので……」


 と、リーバー達の説明を終えた後は、シュットラウルさんやマルクスさんと話した事などを伝える。

 物資の輸送などでワイバーンに活躍してもらう、とかだね。

 ついでに、センテを囲んでいた魔物はもういなくなって安全になった事なども伝えたら、我々の勝利はリク様が導いて下さったのですね、なんておかしな喜ばれ方をしたけど。

 皆が頑張って戦ってくれたおかげなんだけどなぁ……長い話になってしまうので、凍てついた大地の事なども含めて簡単に話すだけだったから仕方ない。


「まぁ、ワイバーンだけで来るわけではなく、必ず誰か乗っているはずですから……あぁそうだ」

「どうされましたか?」


 班長さんに話している途中で気付く、リーバーなら他のワイバーンとの差異があって、角が生えていたり体が一回り大きいけど、それも近くで見てわかるくらいだ。

 空を飛んできている時に、はっきりと見分けが付く程じゃない。

 それに、他のワイバーンだと味方になってくれたワイバーンとの見分けが付かない。

 街に近付いて来るワイバーンは少ないとは思うけど……王都襲撃の際に俺がこの国にいるワイバーンの大半を倒したはずだから。


 でも、絶対ないとは言えないので、わかりやすく見分ける方法を考えないとな。

 とりあえず今は……。


「乗っている人からの合図とか、何か目印を付けて味方だってわかるようにします。それがあるかどうかで、味方か敵かの判断をお願いします」

「畏まりました。衛兵だけでなく街の者達にも通達しておきます」

「……ワイバーンに人が乗っている、という時点で目印にはなるだろうが……わかりやすくするのは悪くないかもしれんな」


 俺の提案に頷く班長さん。

 マックスさんも納得しているようだ。

 目印か……高く飛んでいたら場合、地上から人が乗っているかどうかの確認は難しそうだし、例えば手を振っていても見えないかもしれない。


 今回みたいに離れた場所に降りて歩いて、というのでもいいんだけど、できればもっとわかりやすい方がいいと思う。

 ワイバーンの体のどこかに、目立つ色の布を巻くとかなら飛んでいてもわかりやすいかな。


「それじゃ、えーっと……さすがに安全だって言っても、今すぐワイバーンが街の中を自由に動き回るのはどうかと思いますので……」

「そうですね……通達するにしても、今すぐ行き渡るわけではありませんから」


 さすがに、街の人達を驚かせちゃうからね。

 できればゆっくり、ワイバーンの事を知ってもらって馴染んで行けばと思うし。

 マックスさんやマリーさんは「リクが一緒にいれば大半の住人は受け入れると思う」なんて言って、班長さんや一緒にいた衛兵さんも頷いてはいたけど、それはそれとして。


 リーバー達にはおとなしくするよう言っておいて、門を入ってすぐのあまり人が来ない場所で、班長さんに任せる事になった。

 ずっと黙っていて、存在感すら消しているんじゃないかな? と思えるくらい静かだったヤンさんも、冒険者ギルドに戻った後職員を派遣すると言ってくれたので、大丈夫だろう。


「それと、クラウスさんは……」


 王都への連絡、センテでの事を詳しく話しておく必要があるので、ヘルサルの代官であるクラウスさんにも会うため、聞いてみる。

 班長さんによると、当然ながら色々と忙しいらしく庁舎に昼夜問わず詰めている状況らしい。

 それなら、俺が直接庁舎を訪ねれば……と思ったんだけど。


「いえ、でしたら冒険者ギルドに来るよう、呼んでもらいましょう。私からも話をしておかねばなりませんし……」

「でも忙しそうなのに呼びつけて大丈夫ですかね?」


 ヤンさんの提案に、代官として忙しいはずのクラウスさんを呼び出すのを躊躇う俺。

 まぁヤンさんも、こちらの冒険者ギルドに戻るのはしばらくぶりだから、戻るとすぐには離れられなくなりそうだろうし、クラウスさんと話すなら冒険者ギルドに来てもらう方が早いのかもしれないけど。

 平常時ならともかくなぁ……。




平常時でも忙しいクラウスさんは、当然ながら今はもっと忙しいようです。


読んで下さった方、皆様に感謝を。


別作品も連載投稿しております。

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