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神とモフモフ(ドラゴン)と異世界転移  作者: 龍央


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隙間から漏れて落ちる人



「……ぐふっ! だわぁ……」

「だ、大丈夫かエルサ!?」

「なんとか、大丈夫なのだわ。大きいのがお腹に落ちただけなのだわ。皆を助けるために、我慢するのだわ」


 大きくなったエルサは今、背中を地上にいる俺達に向けている……つまり仰向けになっている。

 それは、背中のモフモフよりもお腹のモフモフの方が、受け止める際に優しくふんわりと受け止められるからとエルサがそうしたんだけど。

 どうやら、真っ先にお腹に落ちてきたらしい、大きいのってワイバーンかな。

 それにしても、さっきからそうだし俺が本物とわかった時もだけど、これまでのエルサと違う反応や言葉なのに少し驚きがある。


 今までだったら、そっけない態度とかを取ってしまっていただろうからなぁ……雰囲気とかは、俺だけでなく他の人を心配していたりするんだけど。

 それこそキューを要求とかしていただろうし、かなり素直になっている気がする。

 今だけかもしれないし、もしかしたら俺の知らないうちにモニカさん達と何かあったのかもしれないけどね。

 まぁキューに関しては、素直とか関係なく欲しい時、お腹が空いた時に要求しそうだね。


「大きいの……もしかしてリーバーかしら。一番、下まで一緒に来ていたから……」


 エルサを見上げながらモニカさんが呟く。

 リーバーか……ボスワイバーンの事だけど、他のワイバーンより一回り大きかったから、それだけエルサにかかる衝撃も大きかったのかもね。

 あと、角も生えていたけど突き刺さったりしていないだろうか? エルサなら大丈夫か。


「あぁ、リク様の力の結晶が消えてなくなって……」

「アマリーラ様は、力が抜けていくあの感覚の中でも楽しそうでしたねぇ。はぁ、このまま落ちたら私達……グペ」

「植物が完全に消えたという事は、モニカさんがリク様に辿り着いたという事でしょ……おふっ」


 エルサ越しに、何やら声が聞こえてきたと思ったら、次々とボフッ! という音が聞こえた。

 多分、落ちてきた人達がエルサのモフモフに受け止められたんだろう。

 何やら残念そうな声を出していたのはアマリーラさん、かな? 落下中なのに、のんびりとした声はリネルトさんだろう。

 分析するような事を言っていたのは、フィネさんの声だったね……ソフィーは靴を溶かされて足を怪我したらしいから、ここまで来ていないらしいからそうなんだろう。


 というか皆、落下中なのに結構余裕があるね。

 植物の蔦なのか茎なのかよくわからないのに捕まって、力が吸い取られていたから、ある意味落下くらい焦る程ではないのかもしれないけど。


「だ、だわ……重い、のだわぁ……!」


 さらに続いて、エルサが苦しそうな声を出す直前に、ドスッ! という重みを感じる音が聞こえた。

 おそらく、ワイバーン達だろうなぁ。

 アマリーラさん達より重量があるのに、後に落ちて来たのは体が大きく消える植物に、最後まで引っかかっていたからかな。

 リーバーだけは、モニカさんを乗せて一番深くで捕まったから、最初に落ちたんだろうけど。


「最後……だわ!?」

「どうしたのエルサちゃん!?」

「一人取りこぼしたのだわ! 隙間から落ちるのだわー!」


 最後……受け止めたような音が聞こえず、話す声も聞こえなかったのはユノとロジーナだ。

 一人だから、その二人のどちらかが結界とエルサの隙間を通ってしまったって事か……!


「右、右なのだわ!」

「モニカさん!」

「わかっているわ! んっ!」


 エルサの叫ぶ声を聞いて、モニカさんとエルサの体右側の下へと向かって走る。

 すぐ上を見ると、結界とエルサの間から真っ逆さまに落ちて来る人らしき物体……いや、人なんだけど。

 頭から落ちてきているから受け止めにくいし、かといって放っておいたら地面に激突してつぶれかねない。


 結界で受け止める? いや、結界だと地面にぶつかるのと変わらないから危ないし。

 とはいえ、何か受け止める方法をと考えている暇はほとんどない……!


「えぇい! とにかく勢いが少しでも弱まれば……ウィンド!」


 人一人分ならなんとかなるだろうと、咄嗟に風を吹かせて勢いを弱まらせようとする。


「ちょ、リクさん!?」

「あ!」


 魔法のイメージを固める余裕がなかったため、俺の使った魔法は落ちて来る人物を下から……ではなく、横から突風を発生させてぶつけてしまった。

 結果、落ちて来ていた人物は風にあおられて、予測される落下地点からズレた。

 焦ったモニカさんと、慌ててそちらへ移動……落下して来ている人は、意識がないのか力なくただただ落ちて来るだけだ。


 でも、なんとか落ちる勢いは削ぐ事ができているはず。

 ユノやロジーナくらいの、小さい女の子なら俺かモニカさんのどちらかだけでも受け止められ……。


「って、レッタさんだ! ユノやロジーナじゃない!」

「え、あ、え!?」


 詳しく観察している余裕がなかったので、誰かはわからなかったけど、風に煽られて頭からではなくうつ伏せの状態になったおかげで、誰が落ちてきているのかがわかった。

 顔は、落ちる際の風圧で色々と女性としてあれな感じになっているけど、ともあれ成人した女性。

 ユノやロジーナより当然ながら、体が大きければ体重もあるはずだ……レッタさんには失礼かもしれないけど、そこは絶対だからね。


 レッタさんだったら、モニカさんが受け止めるのはかなり辛いし危険、だけど俺と一緒に受け止める体勢を整えるのは間に合いそうにない。

 色々言われた相手だし、原因にもなった人ではあるけど……さすがに落ちてつぶれるのを目の前で見るのは忍びない。

 それに、モニカさんが受け止めたらモニカさんまで危険だし。


「だったらこうするしか……モニカさん、結界……は見えないけど、外側に向かって! そちらに行くから!」

「え、わ、わかったわ!」


 落ちてくるレッタさんを見上げながら、モニカさんに声をかけて地面を蹴る!

 レッタさんに横から飛びつき、体を抱えて山なりに落下……その際、何やら柔らかい感触を感じたけど、相手が女性とはいえここ不可抗力として許して欲しい。

 さすがに咄嗟の事なので、狙ってやれるわけもないんだから。


「ぐっ!」


 横から飛びついた勢いのまま、なんとか体勢を変えて背中から結界にぶつかる。

 そのまま、反動で結界から離れて再び落下。


「……モニカさん!」

「任せて! ぐっ、うぅ……!」


 地上まで、約三メートルくらいだっただろうか……そこから下に駆け込んできたモニカさん目掛けて、レッタさんと一緒に落ちる。

 一応、途中で俺だけ体を投げだした。


「はぁ……ふぅ……だ、大丈夫モニカさん?」

「な、なんとかね……」


 体を投げだし、うつ伏せ状態で地面とぶつかった衝撃が体の芯に響くのを感じながらも、我慢してすぐさま手をついて体を起こす。

 モニカさんの方では、レッタさんを抱え込みながら一緒に倒れ込んでいる姿が見えたけど。

 レッタさんは意識がないけど、呼吸は安定しているしモニカさんの方も無事みたいだ……とりあえず安心だ。

 ホッとしながら、モニカさん達の所へと歩み寄った――。




なんとか無事に受け止める事ができたみたいです。


読んで下さった方、皆様に感謝を。


別作品も連載投稿しております。

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