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神とモフモフ(ドラゴン)と異世界転移  作者: 龍央


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地上は触れてはいけない状態



「それにしてもリーバーだわ。ボスワイバーンの名残が……ないと思ったら少しだけあったのだわ。」

「えぇ。ボスワイバーンで、ワイバーンのリーダーだからリーバー。いいでしょ」

「……呼ばれる方が気に入ったのなら、私は何も言わないのだわ」


 ……もしかして、エルサちゃんはリーバーって呼び方は好みじゃなかったのかしら?

 リーダーとワイバーンを混ぜてリーバー……リクさんが連れてきたのだから、リクさんのリも入っていて私にとっては天啓とも言えるひらめきだったのだけど……。

 でも、リーバー自身が喜んでいるからいいわよね。


「よし、リーバー! 一緒にリクさんを取り戻しに行くわよ!」

「ガァ~!」

「……既に空を飛んで向かっているのだわ。まぁ、モニカとリーバーが楽しそうならいいのだわ」


 そうだったわね、名案が浮かんでしまったからついついそちらに意識が行っていたけれど、今もリーバーがリクさんの所に向かって行ってくれているのよね。

 エルサちゃんが飛んでいる時よりは低めだけど、それでも飛ぶ事ができない私のような人間から見れば、高い場所。

 落ちれば怪我では済まない事くらいはわかる程度には、高く飛んでいるわ。


 後ろからはワイバーンに乗った他のみんなも付いて来ているけれど……あら、皆下を見て驚いているわね、アマリーラさんとユノちゃん以外。

 下に一体何があるのかしら……?


「……エルサちゃん」

「なんなのだわ。またどうでもいい事でも考えていたのだわ?」

「そうじゃないわよ。その、下なんだけど……」

「あまり覗き込んで落ちないようにするのだわ。私が飛ぶ時みたいに、結界を張っていないのだわ。落ちれば真っ逆さま! なのだわ」

「そうじゃなくて……それも重要なんだけれど……」


 エルサちゃんが飛ぶ時は、結界を張っているからもし落ちたとしても受け止めてくれるって、前に聞いたわね。

 リーバーには当然ながら、そんな事はできないから気を付けないといけないのはわかったけど……というか、それを聞いてしたの光景を見て、さらに恐怖が沸き上がったのだけれど。

 落ちないように注意して、リーバーの背中を掴む手に力を入れながら、エルサちゃんに聞く。


「地面が、赤い泥? 見たいなってるように見えるんだけど……?」

「あぁ、それはきっと赤い光の残滓のせいなのだわ」

「で、でも、結界のすぐ外の地面はあんなのじゃなかったわよ?」


 高くから見下ろしているから、はっきりとはわからないけど……地面が赤く、そして雨が降った後のぬかるみのようになっていた。

 それはまるで赤い泥。

 血のような色……とは違うのだけれど、結界の中で赤い光が何をもたらしたのかを見ていた私にとっては、十分に恐怖に値する光景だったわ。


 目を輝かせている思考がぶっ飛ぶ事の多いアマリーラさんはともかく、後ろをついて来ているワイバーンに乗った皆が驚いているのも、よくわかるわ。

 私も驚いたもの。

 ユノちゃんは、エルサちゃん以上に達観したところがあるから、驚きは少ないのでしょうけど。


「詳しくはないけどだわ、きっとリクとの距離に関係しているのだわ。私達を……街を覆っていた結界は、リクから少し離れているのだわ。だから、赤い光の影響が少なかったのだわ」

「あれで、影響が少ない……」

「リクに近付くごとに、赤い光の影響が色濃く残っているのだわ。結界を出てすぐよりも、さらに熱くなっているのだわ?」

「言われてみれば……確かに」


 エルサちゃんに言われてはたと気付く。

 結界を出てから、さらに強い熱さを感じてはいたのだけれど、今はそれ以上のように思うわ。

 呼吸をするために吸い込んだ空気が、結界を出た直後はそれでもいつもとあまり変わらないぐらいだったのに、今は熱を帯びて吸い込む事さえ躊躇うような……そんな違いかしら。

 汗はただひたすら全身から噴き出ていて、絶え間なく流れているから違いまではわからなかったけれど。


「じ、じゃあ、赤い光の影響が強いって事は、あの地面に落ちたら消滅しちゃうのかしら?」


 赤い光と言えば、そればかりが強く印象に残っているわ。

 うっすらと結界越しに見える魔物達が、照らされた先から消失、消滅していく光景。

 信じられない事が起こっているはずなのに、目の前で、この目で確かに見て起こっているために、絶対的に信じなければいけなかった事。

 赤い光が起こした事なら、つまりその影響が色濃く残っていて今も赤い地面の泥は、触れれば同じ事が起こるのかしら……。


「光とは違って、残った影響だからそんな事にはならないのだわ。けどだわ、もし落ちてしまえば……一瞬で全身が燃えて、すぐに溶けて行くかもしれないのだわ。それだけの熱量を備えているのだわ」

「……それ、赤い光とそう大差ない事にならない?」

「溶ける、という過程が加わっているのだわ。赤い光なら、ただ瞬間的に全てが燃えて跡形もなく消えるだけなのだわ。この違いは大きいのだわ。強制的に行われる現象と、熱量が引き起こす現象なのだわ」

「そ、そう。とにかく、落ちたら危険……いえ、一瞬で死ぬっていうのはわかったわ……」


 エルサちゃんの語る違い……というのは私にはよく理解できないのだけれど、とにかく落ちちゃ駄目、触っちゃ駄目って事よね。

 リーバーを掴んで、自分の体を支える手に力が入るのがわかるわ。

 元々、落ちたら助からない可能性の方が高いのだから、今さら気を付けてもではあるけれど……。


「……あの地面、しばらく誰も近寄れないのだわ。まぁ、表面は数日とかで冷えるだろうけどだわ。雨も降れば一番手っ取り早いのだわ」

「全部終わった後も、色々と大変そうね……それにしても、地面が赤くなるなんて。他では絶対に見られないわよね」


 見たいわけじゃないけれど、見られない光景という意味では間違いなく貴重よね。

 目に焼き付けるのは、後々思い出して恐怖が先立ちそうだから、できるだけ見ないようにしているけど。

 ……空や高くから見える遠くの森や山が綺麗ねぇ。


「そうでもないのだわ。見ようと思えば……危険はともかく、見れない事もないのだわ」

「え、そうなの? こんな事が他にも引き起こされていたりするの?」


 それ、どんな世界よ……リクさんは別の世界から来たっていう話は聞いているけど、そちらの世界なら見られるとかかしら?

 想像したら、過酷な世界しか思い浮かばなかったから、そこで生き抜いていた人なら私達と違って、よくわからない魔力量を持っていても、おかしくないと思えてしまったわ。


「……何を考えているのかわからないけどだわ。山があるのだわ。一部の山で見られる事があったりなかったり? なのだわ」

「山って……でも、それならそこかしこにあるわよ? ほら、空を飛んでいるから見やすいけど、あちこちにあるし……でも、今眼下で広がっている光景なんて、見られないわ」

「そうじゃないのだわ。火山と言うのだわ。この国じゃなかったのだわ? 詳しくないけどだわ、その火山……活火山という噴火する山の火口だったら、似たような光景が見られるのだわ。少し違うけど……ほとんど同じと思っていいのだわ」




活火山の火口と似たような状況の地面は人が触れていいものではありません。


読んで下さった方、皆様に感謝を。


別作品も連載投稿しております。

作品ページへはページ下部にリンクがありますのでそちらからお願いします。


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