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神とモフモフ(ドラゴン)と異世界転移  作者: 龍央


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エルフ二人の奥の手魔法



「準備は良いな……?」


 静まり返っている中、シュットラウル様が確認のために視線を巡らせ、各隊長に問いかける。

 私や、フィリーナ、エルサちゃんも頷いた。

 場所はセンテ東門を出て南、そこからリクさんの作った石壁を越えた場所。

 ユノちゃんやアマリーラさんの報告から、おそらくリクさんはセンテを出て東南……最後に倒したヒュドラーのいた場所からさらに東へ行った所にいると推測。


 結界を破った直後、最短距離でそこまでいくために一番近いはずの場所へ布陣する。

 兵士や冒険者、布陣は中心にシュットラウル様やマルクスさん達、指揮官、それから私やソフィー、フィネさんとユノちゃん、それからエルサちゃんとフィリーナね……アマリーラさんとリネルトさんもいるわ。

 北と南には魔法隊が兵士と冒険者に別れて布陣、私達の後ろには弓矢隊、ミスリルの矢を放る役目の隊がいて、前には次善の一手が使える兵士さん達がいるわね。

 さらに後方上空には、兵士数人を乗せたワイバーンが空で待機……ボスワイバーンと一部のワイバーンは、誰も乗せていないけれど。


 そのワイバーン達の下、地上ではタワーシールドを持った兵士達が待機している。

 これは、結界を破った時に何が起きるかわからないから、念のための防御策としてね。

 最後に突撃する私達の後ろから、結界へと近付いて破ってすぐに盾を並べて備える……一応、エルサちゃんの結界も使う予定ではあるけど、もし私達が結界を破れなかったら、エルサちゃんもダメ押しに加わるため、万全とは言えないからね。


「では、フィリーナ殿、カイツ殿……」

「はい……」


 促すシュットラウル様に頷き、フィリーナとカイツさんが演習の時に使っていた弓を持ち、集中を始める。

 弓には私達の籠手と同じく、クォンツァイタが取り付けられていて、存分に魔力を使える仕組みね。

 フィリーナはカイツさんと同時に、開幕の魔法攻撃を仕掛ける役目。

 それを合図に、中心にいる私達から見て北と南にそれぞれ配置されている魔法隊が続く手筈……。


「行きます。カイツ、合わせなさいよ」


 宣言し、弓を構えるフィリーナ……その手に矢はなく、魔力が込められている。

 カイツさんに声を掛け、視線を合わせた後可視化された緑色の魔力が、フィリーナの手から弓へと伝わった。


「本当は、ヒュドラーと戦う事があれば使おうと思っていたのだけれどね……! マルチプル・サイクロンペネトレイター!!」

「わかっている! ストームブラスト!!」


 フィリーナの弓の前面にいくつかの魔力が別れて溜まり、前方斜め上に向かって一気に発射される。

 それは、複数の嵐……魔力は風になり、手で触れれば一瞬でねじ切られそうな高速回転を続け、複数の嵐の槍となって待機している兵士達の頭上を越え、結界へと向かう。

 その数五本ほど……そして、嵐の槍が放たれた次の瞬間、続いてカイツさんも弓から魔法を放った。


 そちらの魔法は一本、ただし人数人分を軽々と飲み込む程の太さで、風が渦巻き、フィリーナの魔法よりも高速の回転は周囲の石すら巻き上げる。

 フィリーナのが嵐の槍なら、カイツさんのは嵐の大剣……その剣先を結界へと向け、フィリーナの魔法に追従する。


「なんて魔法……エルフ、という事を差し引いてもとんでもない魔力が籠っていて、とんでもない力だったいうのが見ただけでわかるわ」

「あれに巻き込まれたら、ひとたまりもないだろうな。フィリーナ達はこんな魔法を隠し持っていたのか」

「おそらく、クォンツァイタがあるからだと思います。あれは、エルフの魔力と考えても大きすぎるように見えましたから」


 放たれた強大な魔法……フィリーナ達の隠し玉といったところなのかもしれないわ。

 フィネさんの言う通り、クォンツァイタがなければいかにエルフと言えども、魔力枯渇になってしまう事を心配しなければいけないくらいの魔法ね。

 対ヒュドラーのために、こんな魔法を用意していたなんて……。


「撃ち方用意……! 各自、貫く魔法を優先、使えない者はとにかく威力の高い魔法を……全力で!!」

「撃ち方用意! こちらは統率され訓練された上品な部隊じゃないが、後れを取るんじゃない! 多様な冒険者の生き様を見せろ!!」


 フィリーナ達の魔法が放たれたのを合図に、魔法隊の北側、そして南側からの指示をする声が聞こえたわ。

 兵士中心の北魔法部隊は母さんが、南の冒険者中心の魔法部隊はベリエスさんが指揮している。


「「……放てぇ!!」」

「「「「「おぉぉぉぉぉ!!」」」」」


 数瞬後、ほぼ同時に母さんとベリエスさんの声が響き、北と南から魔法が放たれる。

 魔法隊の声は、混じり合って只の雄叫びをあげているようにしか聞こえなかったけど……その分、皆全力を尽くしているというのが伝わった。

 そして、火、氷、風、土、珍しいのでは雷や水弾などが混じり合い、様々な形を成して結界へと向かった直後、大きく響くフィリーナ達の魔法が結界へとぶつかった音。

 剣と剣が撃ちあう時のような、甲高い音を響かせたのはフィリーナの魔法だろうか……その音をかき消すように、金切り音のようなのが響く。

 風……いえ、あれはもう嵐の魔法ね。


「魔力と魔力のぶつかり合いなのだわ。耳障りだけど仕方ないのだわ……」


 クォンツァイタからの魔力供給があってこそなのかもしれないけど、とんでもない嵐の魔法と結界がぶつかった音。

 想像していたような衝撃音じゃなかったのは、エルサちゃんの言っているように、当たったのが結界だからなのかしら。

 魔法そのものに、かなりの魔力が込められていたからって事ね。

 フィリーナ達の魔法が到達して、耳障りな音を響かせた後ほんの少し、一瞬の間だけの静寂が訪れ……大量の魔法が炸裂した。


 十や二十、百や二百では効かない数の魔法が、次々と結界に当たったみたい。

 生憎と、この目で見る事はできなかったけれど……突撃を待っている兵士達が前に控えているから。

 残念……なんて思っている状況じゃないわね、次はもっととんでもないのだから。


「それじゃ、言って来るのだわ。とびっきりをかましてやるのだわ!」

「エルサちゃん、お願いね」

「頼まれなくてもやってやるのだわ。リクの結界を壊すなんて、楽しみでしかないのだわー!」


 冗談とも本音ともつかない事を言って、浮き上がるエルサちゃん。

 高さはジャンプし私の手が届くかどうかといったくらいの場所。

 そこから、人間より少し大きめの体なったエルサちゃんが、目で見える……さっきフィリーナとカイツさんが見せた、可視化された魔力よりさらに濃い魔力を滲み出させた。


「クォンツァイタの魔力も含めてあれだったのに、嫌になっちゃうわね」

「フィリーナ。でもさっきの魔法、凄かったわ」

「そう言われても、直後にあんなのを見せられたら……まぁ、相手はエルサ様でドラゴン、比べる気はないけれどね」


 魔法を撃ち終えたフィリーナが、エルサちゃんを見上げながら呟く。

 魔力が見える特別な目……それを持っているフィリーナだからこそ、私達以上にエルサちゃんが纏う魔力の濃さを理解しているのでしょうね――。




エルサがどれだけの魔力を使おうとしているのか、フィリーナは正確に見えていようです。


読んで下さった方、皆様に感謝を。


別作品も連載投稿しております。

作品ページへはページ下部にリンクがありますのでそちらからお願いします。


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