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神とモフモフ(ドラゴン)と異世界転移  作者: 龍央


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結界を破る作戦の前準備



 決心して、ユノちゃんに励まされ、エルサちゃんの素直じゃない冗談で気持ちがさらに強固になるのを感じる。

 あれこれ理由やなにかはあったけれど、よくわからないこともあったけど、それでもやっぱり、私は私の所に戻って来る。

 勝手にどこかへ行ったりしない、と言ってくれたリクさんの事を信じる事に決めたわ。

 ……すでにどこかへ行こうとしている気もするけれど、そんな事はお構いなしに引き戻して、説教してやるんだから……私やエルサちゃん、ユノちゃんや他の人達がどれだけ心配したかを。


 そして二度と、一人になってどこかへ行ったりしないように。

 できるわ……私は以前の、リクさんと出会う前の私じゃないもの。

 父さんと母さんが元冒険者で、話を聞いて知っていても私にとっては遠い話だった……それがリクさんを追いかけようとして飛び込んだんだから。


 そうして見た様々な事から、成長していると自分を信じる事もできるし、リクさんの事を信じる事もできる。

 どれだけ強い力を持っていても、規格外の神様すら驚く魔力を持っていても……世界と繋がるだとか、門を開くだとかよくわからない事は知ったこっちゃないわ!

 だって私は、どんな時も優しくて、皆の事を助けようとしているリクさんの事が……!



 ――あれから、ユノちゃん達との話を終えて、アマリーラさんを結界から引き剥がす事に成功。

 どうしても離れなかったアマリーラさんだけど、ユノちゃんの尻尾を掴んで思いっ切り引っ張ったのにはたまらず、悲鳴を上げていたわね。

 成る程、アマリーラさんは尻尾が弱点……と。

 自分の尻尾を掴んで、恐ろしい物を見たように震えていたリネルトさんはともかく、もし狙うのならユノちゃんの手を放そうと暴れたアマリーラさんを抑えられるなら、だけど。


 武器を持っていないのに、ソフィーを投げ飛ばして、フィネさんを手で弾き、ユノちゃんを蹴ろうと暴れていたアマリーラさんは、今の私じゃ手に負えないわね。

 まぁ、ユノちゃんは暴れたアマリーラさんをいなして、逆に制圧した後冷静になるよう拳骨を見舞わせていたけれど。

 あんな事ができるのは、ユノちゃんくらいよ……。

 さらにその後、続々と集まって来る王軍、侯爵軍、冒険者をシュットラウル様達がまとめ上げ、結界を破る準備が着々と進む。


 その際再び、アマリーラさんが「リク様の作った結界を壊すなんて! 破りたければ私を倒してからだ!」とか「命を賭してリク様のために……!」なんて抵抗したけど。

 でもユノちゃんの説得……リクのために命を投げ出す覚悟があるのなら、リクを取り戻すために協力するの! という言葉とともに、関節を極められてようやく納得してくれたわ。

 私、人の骨が折れる寸前で軋む音を初めて聞いたかも……。


「腹が減っては……だ。とにかく今は食べて、これからに備えろ!!」


 そう叫んだのは父さん。

 大勢の兵士や冒険者のために、協力を経て料理を準備。

 美味しい料理で皆の英気を養う事に余念がなかったわね。

 「腹が減っては戦はできぬ」というエルサちゃんからの言葉を借りていたのはともかく、確かにお腹が空いたままじゃ、全力で事に当たれないから。


 でもエルサちゃん、実は自分がキューを食べたかっただけなんじゃ? と少し疑ってもいるわね。

 まぁ、エルサちゃんも大事な役目を担うのだから、お腹いっぱいになって思う存分働いてもらわなきゃいけないから、いいんだけど。


「まず、私とカイツで先制の魔法を撃ち込むわ。続いて……」

「決して、合図を出すまでは前に出るなよ……!」


 食事と大まかな準備が終わった後は、結界を破るための最終確認。

 まうz、フィリーナとカイツさんが全力で魔法を撃ち込み、続いて冒険者主体で魔法部隊が同じ場所へ一斉に魔法を放つ。

 母さんはフィリーナに続く魔法隊ね。

 全力で魔法を使うため、フィリーナを始めとした魔法隊は、かき集めたセンテに残っているクォンツァイタをそれぞれ持っている。


 そこには、リクさんが込めた魔力がまだまだ蓄積しているから、出し惜しみせず使うつもりなんだろう。

 魔法隊の攻撃の後は、弓矢とミスリルの矢をエルサちゃんが増幅して、魔法を撃ち込んだ場所に注ぎ込み、その後次善の一手を使える人達が突撃。

 相手は動かない結界だから、ただただ全力を注ぎ込めばいい。

 父さんやヤンさん、元ギルドマスターは簡易的な修復をした魔法鎧に身を包み、兵士達と共に動く。


 急遽ワイバーンの皮で改良した盾は一部の兵士さん達に持たせて、ボスワイバーンと一緒に待機。

 結界を破った後の出番に備える……本当は、出番がないに越した事はないんだけど……。

 外がどんな状況になっているのか、目で少し見えていてもわからないことが多い。

 結界を破った瞬間熱波が吹き込んできて燃える、もしくは魔物を凍らせた何かが入り込んで凍る、なんて事を避けるためね。


「モニカ、大丈夫か?」

「ソフィー?」


 皆が整列し、作戦最終確認をしている中、ソフィーに話し掛けられる。

 何か心配するような表情だけれど、どうしたんだろうか?


「いや、意気込み過ぎているというか……まぁ、リクの事だから仕方ないのだが。少々心配になってな」

「私は大丈夫よ。それに、これで本当にリクさんが取り戻せたら、ようやく落ち着けるわ。そのためにも、今は頑張らないと」


 ソフィーやフィネさん、それからフィリーナには、リクさんが今どんな状態なのかという話をしてあるわ。

 ロジーナちゃんが破壊神だとか、その破壊神の目論見があった事とかはまだだけど、それはリクさんが戻って来てからだと、ユノちゃんに止められたから。

 あの時察していなければ、というか、私だけにわざわざわかるように言ったんだろうけれど、それでユノちゃんは今、余計な事を考えるより結界を破る事に集中した方がいいという考えなんだろうと思うわ。

 それには私も同意見。


 今、ロジーナちゃんが実は……なんて事は関係なく、リクさんを取り戻す事の方が重要なのだから。

 私にだけ話したのは、何故かはわからないけど……エルサちゃんとユノちゃん以外にも、事情に詳しい人が一人くらいいてもいいわよね。

 多分そうしたかったんだろうって、思う事にしたわ。


「……そうだな。すまない、無理をしているように見えたから」

「大丈夫、無理なんていつもしているわ。リクさんと一緒にいたら、無理でもしなきゃ一緒にいられないじゃない」

「確かにな、ははは! そうだな……いつもこれまでかと思うような事があっても、なんとかこれまで切り抜けてきたんだ。今回も無理をして、切り抜けるしかないな」

「そうよ。冒険者になって一年足らずで、大量の魔物と何度も戦う事になった事か。多少無理をしなきゃいけないのはわかっていたし、無理をしてなければここでこうしてなんていられないわ」


 無理をするな、無茶をするな……冒険者の鉄則で、生き残るための術でもある。

 けれど、事リクさんの近くで一緒にいるとなれば、それは当てはまらないというのは、よくわかっている。

 無謀な戦いを続ける、とは少し違うのだけど……それでも無理をしなければいけなかった。

 それがリクさんといる事でもあったから――。




力の差があり過ぎて、一緒にいる事にも大変な思いがあったのかもしれません。


読んで下さった方、皆様に感謝を。


別作品も連載投稿しております。

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