表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神とモフモフ(ドラゴン)と異世界転移  作者: 龍央


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1323/1950

アマリーラさんはおかしな方向へ



 聞いた話だと実際に、アマリーラさんの受けた怪我は酷く、人間だったらほとんど即死だったのではないか、という話だったから、助からないと思ってせめてというアマリーラさんの考えもわからなくはないけれどね。

 けど、駆け付けたリクさんがなんでもない事のように、すぐに治癒魔法で治して命が救われた。

 そういった事があって、アマリーラさんはリクさんへの思いを強くしたという経緯があるみたいね。


 リクさんに救われた命は、リクさんのために使うというような事を言っているみたいだけど……結界に頬擦りする事がリクさんのためというのはどうかと……。

 ただ、頬擦りする程じゃないにしても、アマリーラさんの気持ちもわからなくもないのよね。

 砂粒程度じゃなく、もっとリクさんを感じられるのなら……獣人じゃない私には、本当に感じられるかわからないけれど。


「……モニカもあぁならないように気を付けるのだわ」

「……な、ならないわよ」


 アマリーラさんを見ている私が考えている事に気付いたのか察したのか、抱いているエルサちゃんから見上げられながらの注意。

 思わず否定したけれど、本当にリクさんを感じられているのならと、羨ましく思っていたのを見透かされた気がしたわ。


「あぁ、リク様……リク様ぁ……」


 でも、もし本当に感じられたとしても、あれ程おかしくなったりはしないと思うのよね、私。

 初めて見た時、アマリーラさんから感じた厳しい印象は、既に影も形もなくなっていた。


「ふぐ……!」

「ぬぐぐ……!」

「んー! んーっ!」

「ふへぁ……リク様……」

「びくともしていないわね……アマリーラさん」


 ソフィーとフィネさん、それから大柄のリネルトさんの三人がかりで、無理矢理にでもアマリーラさんを結界から引き剥がそうとしたけれど、全く動く気配がないわね。

 小柄な見た目からは想像できない、大きな剣を軽々と振り回すだけの力があるからでしょうけど……。

 その力は、結界を破るために使って欲しいわ。

 次善の一手が使えるうえ、アマリーラさんの力はそれがなくても、エルサちゃん曰く結界一枚ならなんとか破る事ができるみたいだから。


「シュットラウル様は、私達に任せてさっさと行ってしまったし……仕方ないわね、私達も引き剥がすのを手伝いましょう、エルサちゃん」

「あまり触りたくないのだわ。けど仕方ないのだわー」


 本来の雇い主であるはずのシュットラウル様は、私やリネルトさんにアマリーラさんの事を任せて、侯爵軍の編成に奔走している。

 顔が引き攣っていたのは、やらなきゃいけない事の多さにであって、アマリーラさんに対してじゃないと思いたいわね。


「ソフィー、フィネさん、リネルトさん、私達も協力するわ。一緒にアマリーラさんを……っ!?」

「な、なんなのだわ?!」

「リク様ぁ……」


 アマリーラさんに手を伸ばし、引き剥がそうとした瞬間……結界の外が眩く光った。

 いえ、赤く染まったという方が正しいかしら。

 突然の変化に、驚き手を止め、私の横に浮かんでアマリーラさんを引っ張ろうとしたエルサちゃんも、同じく外を見て驚いて叫んでいたわ。

 ……アマリーラさんは、外の変化に気付かずそのままだったけれど。


 ソフィーやフィネさん、リネルトさんも私と同じく、アマリーラさんを引き剥がす手を止めて結界の外を見て驚いているようね。

 糸目のように、目が開いているのか閉じているのかわかりにくいリネルトさんに至っては、大きく目を見開いていた。


「赤く染まって……これは何、なんなの!?」

「……燃えているのだわ。凍っていた魔物もそのまま……全て燃えているのだわ」

「燃えて……それじゃこの赤い光は、炎だって言うの?」


 結界の外、赤い光を灯したそれは全てを埋め尽くしているように見えた。

 エルサちゃんの呟きに、疑問を返したけれど私自身もわかっている……それが、その赤い光が炎である事に。

 ただ、単純に燃える炎だとは思いたくない、思えない炎だったから。

 凍り付いた魔物が、赤い光に満たされた結界の外で、跡形もなく……氷が融けるとかそれすらもなく、消失していく。


 光に照らされ、または触れた瞬間から、魔物だった氷像は一瞬で塵も残さず消えた。

 これってもしかして、ヘルサル防衛戦でリクさんがゴブリン達に使った魔法?

 あの時は外壁越しで距離もあったから、よく見えなかったけど……ゴブリン達も同じく跡形もなく消えていたはずよね、だったら同じものなの?

 でも、時見た光は赤くはなかったような……。


「燃えているのだわ。けど、燃えているという、事実そのものすら消し去るようにも見えるのだわ」

「ほ、本当に燃えてるの? これは燃えているって言えるの? ただ、私からは赤い光で満たされて、凍った魔物が消失しているようにしか見えないわ」

「私も、そう見える」

「……このような現象、起こり得るのでしょうか? 満たされた赤い光の中には、何者も存在が許されていないようにも見えます」


 エルサちゃんは燃えている、と言っているけれど……ソフィーやフィネさんも言っているように、私からも燃えているのではなく、ただ消失しているようにしか見えないわ。

 結界の外に満ち溢れるのは赤い光、燃えるというのなら燃え盛る炎があるはずなのに、それすら見えない。

 この間にも、見える範囲での凍った魔物は全て消え去ってしまった。

 結界の外は今、赤い光以外は何も存在していないように思える。


「もしかしてこれが、結界が必要な理由……なのかしら?」

「わからないのだわ。けど、もし今結界がなければ、私達もあの魔物と同じようになっていたのは、間違いないのだわ……」


 外を見ながら、エルサちゃんに聞いてみる。

 エルサちゃん自身も愕然としながら、答えてくれたわ。

 確かに、今外を満たしている赤い光は、結界越しに見ているだけでもとてつもない力を感じる。

 そしてそれは、今私達の目の前で凍っていた魔物を消失させてしまった。


 焼失、なんてものじゃないわ……そのまま消失。

 熱量で氷を溶かして、内部の魔物を燃やし尽くすのとはわけが違う。

 どうしたらこんな事ができるのか、それすら理解できないわ。


「ヘルサルに襲来したゴブリン達も、この光を見たのかしら……?」

「違うのだわモニカ。これは、以前リクが使った魔法ではないのだわ。魔法というのすら、間違えているのだわ。魔力は使われているのだろう……と思うけどだわ」

「あれとは違う……って事なの?」


 ゴブリン達を一瞬で殲滅したリクさんの魔法……離れて見ていた私からは、白い光に見えたのだけど、今結界の外に溢れているのは赤い光。

 距離とかが関係しているのかと思ったけれど、そういった物ではなく、単純に別物だったみたい……でも、恐ろしい力がこもっているのは間違いないわ。

 それにしても、魔力を使っているけど魔法ではないって……。

 エルサちゃんの言い方を信じればそうなるけど、だったらこれは一体なんなのか……理解の及ばない現象を目の前にすると、戸惑いや驚きを越えて、ある意味冷静になれるのかもしれないわね――。




色々あり過ぎたモニカは、驚きを通り越して逆に冷静になれているようです。


読んで下さった方、皆様に感謝を。


別作品も連載投稿しております。

作品ページへはページ下部にリンクがありますのでそちらからお願いします。


面白いな、続きが読みたいな、と思われた方はページ下部から評価の方をお願いします。

また、ブックマークも是非お願い致します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ