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サマナースケルトンを発見



「それでリク、さっきは多いとだけ聞いたが……実際これから向かう場所にはどれだけ魔物の数がいるんだ?」

「んー、多分100以上……かなぁ」

「100って……リクさんにとって100くらいならただ多いくらいなのね……まぁ、知ってたけど」


 モニカさん、俺だって100以上いる魔物は怖いよ?

 主に見た目とか……ほら、筋骨隆々のオーガとか、豚の顔したオークとかがひしめき合ってる絵はちょっとねぇ……。

 コボルトとかウルフは……見方によっては、少し可愛いかもしれないな……見た目が犬っぽいし。

 エルサにはかなわないけどな……モフモフ的にも。


「100以上か……こっちにリクが来て正解だな。南西の方はどうなんだ?」

「あっちはそんなにいなかったな。オーガが4、5体、コボルトが10体前後ってところだ。他にウルフらしい反応もあったけど、動き回ってたから遭遇するかどうかってとこだと思う」

「あちらにはフィリーナがいるからな。ウルフが襲って来る前に気付いて対処するだろう。その数なら、ユノがいれば大丈夫そうだ」


 アルネはさっきのユノが戦う姿を見て、強さを理解したようだ。

 まぁ、ユノなら笑いながらオーガを切り刻んでそうだなぁ。


「ほんと、ユノちゃんといい、リクさんと言い、自信無くなっちゃうわ」

「……確かになぁ……これだけ簡単そうに色々やってるのを見るとなぁ……」


 モニカさんの呆れたような言葉に、アルネは遠い目をしながら同意してる……。


「えっと、俺とユノってそんなに?」

「そうよ。ユノちゃんはどう見ても小さい女の子。とても戦えるようには見えないわ。それなのに私と父さんに勝っただけじゃなく、さっきのウッドイーターを相手にした時もねぇ……」

「そうだなぁ。あの小さな女の子があっさり剣でウッドイーターを倒すなんて聞いた事が無い」


 ユノは神様だからなぁ。

 俺も、実際神様って事を知らなかったらモニカさんやアルネのように驚いてたんだろう。

 それに、神様だからと剣や盾の扱いが上手いのはなんでだろう……今度聞いてみよう。


「それに……リクさんは……ねぇ?」

「いや、ねぇって言われても……」

「契約者だからな。それで済ませるのもどうかとは思うが、それで済ますしかないような事をしてるからな」

「そうね……ヘルサルの街でも色々やってるし……今度最高勲章を受け取るのよ」

「何? 最高勲章だと!? それはこの国では破格の扱いじゃないか!」

「ゴブリンの大群を一人で、しかも一瞬で消し飛ばしたからね……」

「まぁ……うん」


 もう、色々言われてうんとしか答えられないな……。

 ゴブリン相手の時はやり過ぎたと思ってるけど、それ以外は大した事をしてるつもりはないんだけどなぁ。

 モニカさんとアルネが最高勲章やらゴブリンの軍隊を消滅させた話しで盛り上がり始めた。

 よし、出来るだけ話しに参加しないようにして先を急ごう。

 歩く速度を少し早めて目的地へと急ぐ俺。

 後ろでアルネとモニカさんが何か言ってたけど、それも無視した。

 ……俺の頭で暢気に寝てるエルサが羨ましい……エルサみたいに称賛されても気にせずマイペースでいたいもんだ……あ、でもエルフの皆に注目されてる時は恥ずかしがってたっけ。


「お、いたいた」

「まったく、リクさん一人で先に行っちゃうんだから」

「危うくリクを見失う所だったぞ。リク一人はどんな事があっても何とかなるかもしれないが、俺とモニカだけだと魔物に襲われると危ない」

「はいはい」


 目的地に向かう途中、俺が歩く速度を速めたせいで、話しに集中してた二人を置いて行きかけたけど、さすがに本気で二人を置いて行ったりはしない。

 二人が追い付ける速度で歩いて、見失われないよう気を付けた。

 そして辿り着いた場所、そこには魔物達が密集してひしめき合っている。

 これだけの魔物がいて、お互い喧嘩みたいな事にならないのが不思議だ……あ、オークがコボルトを殴った……喧嘩はするらしいね……。


「……リクの言っていた通り、かなりの数だな……」

「そうね……」


 そこは少しだけ開けた場所になっていた。

 多分、ウッドイーターが木を食べた後なんだろう、地面がえぐれてるのが見える。

 ウッドイーターが木を食べて広場のようになり、そこに魔物達を連れて来るか召喚をしてここに集めてるんだろう。


「あれが、サマナースケルトン……かな?」

「そうだな。あれだ」


 密集してる魔物達の隙間から少しだけ、骨の体に黒いマントと杖を持った魔物を見つけた。

 召喚を魔法と考えるなら杖を持ってるのは何となくわからないでもないけど……何でマントしてるんだろう……。

 そもそも魔法を使うのに杖もいらないしな……まぁそれがサマナースケルトンのアイデンティティーと言うやつかもしれないな。

 俺が探査で感知した6体全部は見えないけど、何体かが魔物達に囲まれているのが見える。

 魔物達に囲まれながら、杖を持った右手じゃなく、左手に魔力を集中して何かをやっている。


「あれは何をやっているんだ?」

「多分、魔物を召喚しているんだろう。召喚する事を得意とする魔物とは言え、時間をかけて集中しないと呼び寄せる事は出来ないみたいだな」


 俺の質問に、アルネがしっかり答えてくれる。

 知識を持ってる人がいるって便利だね。

 そんな事をしてるうちに、左手の魔力が解放されてサマナースケルトンの近くにウルフが1体召喚された。

 というか、杖使わないんだ……なんのために持ってるんだろう……ん?……今、サマナースケルトンが舌打ちしなかった?

 スケルトンと言うだけあって、全て骨だけの体で、舌打ちするような口はないけど、確かに聞こえた!


「……スケルトンでも……舌打ちするのね……」

「いや……骨しかないんだが……どうやったんだ……」


 モニカさんとアルネにも聞こえたようで、二人共骨の舌打ちに戸惑ってる。

 俺も同じ気分だ……それに、魔物を召喚して弱い魔物であるウルフだった事を気にするのにも驚いてる。

 召喚出来るだけで満足しないのか……。


「とりあえずだ、そんな事よりする事があるだろう」

「そ、そうだな」

「ええ、そうね……骨の舌打ち……骨をこすり合わせてるのかしら……」


 未だに気にしてるモニカさんは置いておいて、アルネの言葉で気を取り直す。

 俺達は骨が舌打ちをする謎を解くために来たんじゃないからな。

 大量にいる魔物達……さてどうしたもんか。


「リク、木を凍らせないように魔物達だけに魔法って使えるか?」

「んー……ちょっと難しいかもな……数体くらいなら出来るけど、あの量だとどうしても周りにも広がってしまう」


 慣れて来た魔法の使い方だけど、さすがに量が多すぎる。

 木を凍らせたりせずに全部の魔物を凍らせるのは無理だろうな。


「ふむ……多少は仕方ないか。とりあえず、出来るだけ魔物達を凍らせて動けなくして欲しい」

「わかった。動けなくなった魔物相手の方が楽だからな」

「リクさん、私達の事もちゃんと考えてよ」

「わかってるって」


 モニカさんが気にしてるのは、自分達も俺の魔法に巻き込まれないかだろう。

 まぁ、全力で魔法を使ったら俺自身も巻き込まれる規模になってしまうから、心配するのもわからないでもないけど、それくらいの加減は最近覚えて来たよ?

 今朝の魔物退治でちょっとだけ失敗したけど、あれは慣れない魔法を思い付きで使ったからだしね。

 氷の槍を撃ち出す魔法、あれは味方のいる方向に撃っちゃけないと学んだ。




骨で舌打ちってどうやるんだろう……。


読んで下さった方、皆様に感謝を。


別作品も連載投稿しております。

作品ページへはページ下部にリンクがありますのでそちらからお願いします。


面白いな、続きが読みたいな、と思われた方はブックマークを是非お願い致します。


作品を続ける上で重要なモチベーションアップになりますので、どうかよろしくお願い致します。

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