表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
104/1942

エルフの森探索



「フィリーナ、アルネ……全部私がやっつけていい?」

「え、ええ……そうね……いやいや、私も戦うわ。……というか……ユノちゃん貴女何者?」

「ユノだけに任せてられんな……俺も戦うぞ」

「私はリクの妹なのー」


 二人に話しかけたユノは、フィリーナからの何者との問いに答えてるけど、それ答えになってるのかな?

 とにかく、気を取り直した二人がユノと一緒にウッドイーターに向かう。

 ユノがここまでとは思っていなかったけど、これなら、俺が援護する事を考えなくても大丈夫そうだ。

 残り4体のウッドイーターは、先制攻撃とばかりに魔法を放つフィリーナとアルネが1体を集中して倒してる間に、ユノが2体を切り刻む。

 魔法を使いながらその光景を見ていた二人は顔が引きつっていた気がしたけど、集中を乱す事無くウッドイーターを倒した。

 残り1体は、アルネの風魔法で足切り、フィリーナも風の魔法を使って片腕を切る。

 そこにユノが剣を振りかぶって切り込み、残っていたもう片方の腕と首を切る事で全てのウッドイーターは討伐完了だ。

 ふむ……風の魔法か……今まで使った事無かったね……アルネとフィリーナの魔法を見てたら使って見たくなった。

 えっと……ほとんど見えない空気の刃……なのかな……少しだけ空気の揺らぎが見えて、それが移動した先の物を切り裂く、と。

 空気を圧縮して刃に変えるのかな?

 次に魔物と戦う事があったら試してみよう。

 二人のエルフが使った魔法を参考に、イメージを考えながら、三人と後ろで見ていた俺達は合流する。


「おつかれさん」

「ほとんど何もしてない気がするけどね」

「大体はユノがやってくれたからな」

「その気持ちわかるわぁ……リクさんと一緒に戦うと同じような事ばっかりだもの」

「楽なのは確かなんだがな。だが、腕が鈍らないか心配だ」

「ウッドイーターを倒したのー」


 アルネとフィリーナは魔法を数回使っただけでウッドイーターを全て倒し終わった事に驚いてる様子だった。

 モニカさんとソフィーさんは、俺と戦った時の事を思い出してなのか、何故か不満そう。

 えー、魔物と戦うなんて楽に越した事は無いと思うんだけどなぁ……変に力を拮抗させたら怪我をしたりして危ないし……。

 とりあえず、俺はそう考えたけど何故だか言うのを憚られたので、黙ってユノの頭を撫でるだけにしておく。


「まぁ、ひとまずウッドイーターを倒せた事で良しとしよう」

「……そうね。それで、リクこれからどうするの? 集落に戻る?」


 集落に戻って、エヴァルトさんに今朝あった魔物の侵攻ルートの原因を話すのも良いかな。

 森から襲撃の可能性がほぼ無いなら、集落の入り口で防御を固めれば良いからね、警戒してるエルフ達も楽になるだろう。

 でも、これだけで戻ったんじゃあどうせまたサマナースケルトンが魔物を召喚するだけだ。

 少なくとも、サマナースケルトンの数を減らしておきたい。

 サマナーがサマナーを呼び出す確率は低いらしいから、多少数を減らすだけでも魔物達の増える速度は衰えるはず。


「集落に戻るのも良いけど、少しでもサマナースケルトンの数を減らしておきたいな」

「そうね……奴らの数を減らさないと切りが無いものね」

「そうだな。数が増えたらまた集落を襲って来るだろうし……増える速度は落とさないといけないだろう」

「リクさん、また探査の魔法で調べるの?」

「うん、そう考えてる。これで調べたらどこにいるかわかるからね」

「……ほんと、便利ね……」


 サマナースケルトンの数を減らす事に賛成してくれてたフィリーナに、俺が探査の魔法を使って調べる事に呆れてるような視線を向けられた。

 何故だ……。


「諦めろフィリーナ。リクは契約者だ。モニカとソフィーは普通の冒険者のようだが、リクの妹のユノも含めて、普通で考えない方が良いだろう」

「……確かにそうね」

「それに、フィリーナは他のエルフより色々見えてるだろう?」

「私の魔力視の事? でも、リクの探査の魔法を知っちゃったらね……。まぁ、ユノちゃんも只者じゃないって事はわかるわ」

「それだけリクやユノが特別って事だ。見えてるなら良くわかるはずだ」

「……そうね」


 二人で話してた事、聞こえてますけど……。

 俺とユノが特別って事で結論でちゃったなぁ……ユノは神様だけど、俺は普通の冒険者だよ? 何も特別じゃないよ?

 二人の会話に、モニカさんとソフィーさんも同意するように頷いてるし……。

 皆からの扱いに少しだけ不満を感じながら、俺は探査の魔法を使う。

 仕方ない、今はサマナースケルトンを探すのに集中するか。

 えっと、今いるここが集落の南西部分で、これが皆だろ……それで、こっちが集落の広場で……。

 ちょっと遠いな……でも出来るだけ早く数を減らさないと。

 

「んーと、ここから南東に6体……かな。それと、南西……俺達がこの森に入って来た場所から南あたりに4体いるな」

「今日中に全部倒せるかしら?」

「ちょっと距離が離れてるからな……」


 昼を食べてから結構時間が経ってる。

 日が暮れるまでの時間としたら、あまり時間は無いだろうね。

 行けてもどちらか一箇所かな。

 さすがに夜になって森の中を行動するのは危険だからな。


「リク、そのサマナースケルトンの周りにどれくらい魔物がいるかわかるか?」

「ん? えーと……南東の方は結構な数がいるな。密集してると言えるくらいだ。南西の方はオーガとかコボルトだろう反応がちらほらってとこかな」

「成る程な……」


 アルネの質問に答えたら、本人は考え込んでしまった。

 どうしたんだろう、それぞれの場所にいる他の魔物達の数を聞いて何かあるのだろうか?

 少し顔を俯けて考え込んでるアルネを見ていると、考えが纏まったのか、顔を上げて俺を見た。


「ここには俺を合わせて6人いる。まぁエルサ様は寝ているから除外するとしてだ」

「そうだな」

「そこでだ、メンバーを分けてそれぞれの場所に移動。別々に行動して二箇所にいるサマナースケルトンを倒すのはどうだろう?」


 成る程ね……二手に別れて行動すれば、両方の場所へ今日中に行く事が出来るというわけか。

 俺達はアルネの案を採用して、二手に別れ、それぞれの場所にいるサマナースケルトンを倒す事にした。

 分かれたメンバーは、魔物の数もサマナースケルトンの数も多い南東へ、俺とアルネ、それからモニカさんだ。

 南西へは、フィリーナとソフィーさん、あとはユノだ。

 アルネとフィリーナは森に詳しいから、それぞれの案内として別れた。

 フィリーナの方が魔力感知が出来るという理由で、遠い南西の方に行く事になった。

 ちょっと離れた場所だから、サマナースケルトンを見つけやすくするためだ。

 俺は満場一致で南東、つまり魔物の数が多い方へ行く事を決められた。

 ユノはさっきのウッドイーターとの戦いから、フィリーナが念のためにと連れて行く事を決めた。

 モニカさんは俺と来たがって、ソフィーさんの方は、ユノの戦いぶり……というより、剣の扱いを見たがって南西組になった。

 もし、サマナースケルトンが見付からなくても、完全に日が暮れる前には森を出る事。

 見付けたとしても、危ないと感じたら逃げて森から出る事。

 等々の決め事をして、それぞれの場所へと移動を始める。

 俺達は南東だ。

 アルネを先頭に、俺とモニカさんが続いてサマナースケルトンの集まっている場所へと向かった。




二手に別れて魔物討伐へ。


読んで下さった方、皆様に感謝を。


別作品も連載投稿しております。

作品ページへはページ下部にリンクがありますのでそちらからお願いします。


面白いな、続きが読みたいな、と思われた方はブックマークを是非お願い致します。


作品を続ける上で重要なモチベーションアップになりますので、どうかよろしくお願い致します。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ