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神とモフモフ(ドラゴン)と異世界転移  作者: 龍央


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逃走防止の土を使った魔法



「……まぁ、もうすでに逃げたとかだったら、手遅れなのだけどだわ」

「それはまぁ、仕方ないね。悔しいけど」


 既に逃げられていた場合は、臨戦態勢を維持してくれているアマリーラさんには悪いけど、悠長に出てくるのを待っていた俺達……というより俺の対応が遅かったって事だ。

 悔しいけど、地中を追いかけられるわけじゃないし、その時は仕方ない。

 ヒミズデマモグがこちらを警戒しているだけと考えて、やれるだけやるしかない。


「リク様?」

「どうしたのですか~?」

「ちょっと考えている事があるんです。とにかく、二人は引き続き警戒をお願いします」


 できるだけ早くやっておきたいから、急にしゃがみ込んで地面に両手を付いた俺を見て、首を傾げる二人には警戒を続けるようお願いする。

 とにかく土を固めるイメージをしないと……どれだけの範囲を、ヒミズデマモグが移動しているかわからないから、適当に見当を付けてになるけど……。

 俺を中心に大体半径百メートルくらいの円形で、逃げ場がないようにイメージを固めて発動と同時に土に魔力を伝わせるように。

 そして土を硬く……掘られてしまわないようひたすら硬く……硬く……。


 土を集めて固めるイメージ、距離があるので魔力のみで形成する結界と違って、魔力を伝わせる必要があるため地表にも壁を作る事はできそうにない。

 けど、地中を潜行するヒミズデマモグを相手にするだけだから、それでいい。

 飛び出して乗り越えようとしたら、それはそれでチャンスだし。

 あとは大体深さ十数メートルくらいしか届かなそうだから、そこが不安要素だけど……大丈夫だと思いたい。


「……アイアンボーデン」


 イメージを解放するように、魔力を変換しつつ魔法名を呟いて土を伝わせる。

 数秒後、遠くの方でボゴッ! という音が響いた……。


「っ!? リ、リク様、向こうの方で……いやあちらの方でも妙な音が! ヒミズデマモグでしょうか!?」

「私達を覆うように、大きな音がしたような~?」

「大丈夫です、俺が使った魔法ですよ。多分、これでヒミズデマモグは逃げられないと思います……けど、まさかこうなるとはなぁ……」


 結構大きな音がしたので、当然アマリーラさん達にも聞こえたわけだけど、ヒミズデマモグを警戒していた二人は驚いて声をあげた。

 簡単に説明しつつ、探知魔法でちゃんと作れたかどうかを確認。

 自分の魔力での魔法だから、反応を見れば成功したかどうかがわかるんだけど……確かに硬い、硬そうな土の塊で壁がイメージ通りの場所にできている。

 だけど、円形で作られた壁の内円と外円に隣接する土はなく、ぽっかりとした穴というか溝ができていた。


 うんまぁ、土を固めたわけで、指定した場所に土を集めるわけだからそうなるよね……イメージするのに集中していたから、そこまで考えていなかった。

 壁は土を凝縮させて作ったのだから、ちょっと考えればわかる事だったんだけど。

 後で、周辺の兵士さん達やシュットラウルさんとかに説明して、謝っておかないとなぁ。

 ヒミズデマモグの討伐が終われば、ちゃんと埋めておかないと。


「でも、おかげで探知魔法に引っかかった。ありがとうエルサ」

「こ、これくらいの事、考え付かないリクが不甲斐ないだけなのだわ。感謝されるまでもないのだわ」

「はいはい、俺がもうちょっとよく考えるべきだったよ」


 溝があれば、当然土で塞がれていないためそこから探知魔法で魔力の反応を探れる。

 おかげで、壁付近にヒミズデマモグの反応が確認できた、あんな離れた所まで行っていたのか……おそらく、警戒しつつ逃げるかどうか迷っていたってところかな?

 エルサにお礼を言うと、俺の頭に強くしがみつつも悪態をつく。

 声色で、照れているのがバレバレだけどね。


「アマリーラさん、リネルトさん。ヒミズデマモグは向こうです、移動しましょう」

「わ、わかりました」

「は、はい~」


 声をかけ、反応のあった場所を示してそちらへ向かう。

 二人は、ちゃんとした説明がされていないので、いまだに戸惑っている様子だけどちゃんとついて来てくれた、ありがたい。


「うん、この下にいますね」

「わかりました。――警戒を怠るなよ、リネルト」

「わかってますよ~」


 反応のある場所、壁の内円の溝が覗き込めるくらいの場所で、ヒミズデマモグが直下にいる事を確認。

 溝の空間の近くにいるから、触角を出さなくても魔力反応がなんとかわかる。

 もう少し円の内側にいたら、難しかったけど。


 アマリーラさん達は、急にできた長く巨大な溝とその溝に挟まれた壁に、驚きながらも質問などは後回しにして、警戒態勢を取ってくれた。

 二人共、さっきと同じく姿勢を低くしたり、剣の柄に手を添えている。


「あ……」

「何か音がしましたが……?」


 少しだけ待つと、ヒミズデマモグの反応が横に移動……さらに反応がはっきりとわかるようになる。

 溝や壁に近付いたからだと思っていたら、一気に移動して壁に向かうヒミズデマモグ。

 逃げようとしたんだろうけど、ガツッ! というアマリーラさん達にも聞こえるくらいの音が響いて、また俺達の真下へと戻るヒミズデマモグ。

 おそらく、壁に激突して突破できなかったんだろうね……魔力反応を調べているだけなので、どういう動きをしているのかわからないけど。


「エルサの言う通り、逃げられないようにしておいて良かったよ」

「ふふん、なのだわ」


 土を固めて壁にするのが遅かったり、そもそもやらなかったらヒミズデマモグに逃げられていただろうから。

 そう思って、エルサを撫でると得意気な声……さっきは褒めたら照れていたのに。


「もう少し、もう少しで……アマリーラさん、来ます。先に触角が出て来ると思うので、よく見ていて下さい」

「はっ!」


 ヒミズデマモグが何を考えたのかわからないけど、壁に阻まれた後は段々と地表に向かって来ている。

 溝に沿うよう地上に向かって移動しているから、今までより先に近付いて来るのがわかった。

 アマリーラさんに言って、さらに警戒を強める。

 少しして……地中からニョキっと生えた草のような触角、誰かを襲うための時とは違って、俺達の足下ではなく数メートル離れた場所に現れた。


 警戒しているのか様子を窺っているのか、初めて発見した時よりも揺れ幅が大きい。

 よっぽど、俺が引っこ抜いた事や壁に阻まれて、追い込まれているんだろう。


「アマリーラさん!」

「見えました! 行きます!」

「頑張って~」


 俺が触角を示して声を出すのとほぼ同時、既に見つけていたんだろう、獣のような動きで走り出すアマリーラさん。

 いや、獣のようなというか獣人か。

 間延びした声で応援するリネルトさんはともかく、細長い猫のような尻尾をピンと伸ばして疾走するアマリーラさん……リネルトさんのように素早い動き、と言う程ではないけど人間の全力疾走よりは速そうだ。


「っ……! 捕まえた!」


 左手に槍を持ったまま、両手で触角を握るアマリーラさん。

 そのまま触角を握りつぶすんじゃないかってくらい、離れていても力が入っているのがわかるけど……さっきの俺みたいに、手からすっぽ抜けたりしないようにだろう――。




アマリーラさんの走り方は四足歩行の獣っぽい走り方のようです。


読んで下さった方、皆様に感謝を。


別作品も連載投稿しております。

作品ページへはページ下部にリンクがありますのでそちらからお願いします。


面白いな、続きが読みたいな、と思われた方はページ下部から評価の方をお願いします。

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