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青の旅人  作者: レスト
1/5

まえがき:本作品の雰囲気をちょっと壊してしまう解説

 どうぞお楽しみ下さいと、本来は一言でおしまいなのですが。

 あらすじだけでは意味がわからないと思いますので、少しだけ出しゃばることにしましょう。


 これは『青の旅人』と、各々の世界に生きる誰かのお話。

 誰かは言います。彼(彼女)は救いの神のようであったと。

 誰かは言います。彼(彼女)は死神のようであったと。

 伝わるところの姿、印象、性別すらも一つに定まることはありません。

 それもそのはず。

 時には男。時には女。

 真実は、どちらでもあり。決して歳を取ることがない。そんな不思議な旅人なのですから。

 かつて地球と呼ばれる星から旅立ち、凄まじい試練と修練の果てに到達した究極の戦士。

 その身に宿すは、想いの強さが現象世界の果てまで届く心の力。

 命の源たる海色の光を穏やかに湛える、青の力。

 一度振るえば、理を断ち、世界をも斬る。いかなる敵でさえも、致命の一撃で永遠に葬り去る。

 彼(彼女)がいかにして、そこまでの強さに到達したのか。なぜそれほどまで強くならなければならなかったのか。

 人には歴史があるものですが、それはきっと別のところで語られているのでしょう。探せばたぶん見つかります。

 さて。当作品は、各話単体で完結する短編集になっており、気になるどの話からでも読めるようになっています。

 背後では何か宇宙規模の大きな運命が蠢いていたり、星を破壊してしまうほどの途轍もない化け物共がうようよしていたりするのですが、当作品中ではほとんどのことはわかりません。

 なぜなら、現地で生きるものたちにとって、そうした壮大な背景を知る術はほぼないからです。

『青の旅人』は、それを知っています。運命がどれほど残酷で、世界がいかに過酷であるかをよく知っています。

 かつて弱き者は力及ばず。救えなかった世界があり、多くの人たちがいる。その痛みを知っています。

 だから彼(彼女)は、身命を賭して、過酷な運命に翻弄される誰かを救おうとしている。もしくは自ら手を汚してでも脅威を断ち切ろうとする。

 そしてあなたも、そうした背景について何一つ知らないままだとしても、問題なく物語を楽しむことができるでしょう。

 そのように一定の注意と配慮はなされて、物語は描かれています。

 知っておくと、もう少し楽しいかもしれませんが。

 ここで描かれるものは、世界の危機かもしれないものであり、人の想いであり、運命との壮大な戦いのほんの一端であります。

『青の旅人』は通りすがり、時に救いを、時に残酷な何かをもたらすでしょう。

 彼(彼女)は物事の本源、あるいは魂というものを見極め――「終わらせる」力を持つゆえに。

 けれど、彼(彼女)の性質は基本的に穏やかで、心優しいものです。

 だからその力が振るわれるとき、何かは「終わる」かもしれないけれど、きっと何かは救われている。

 ほんの少しだけ、世界は優しくなるのかもしれません。

 タイトルが気になる話、冒頭をちょっと読んでみて続きが気になる話、好きな話からお読み頂いて結構です。

 あるいは道が交わらないのならば、このまま引き返して頂いても結構。

 ぜひお気に入りの一話が見つかりますように。何か人生の一欠片くらい感じるところがあればと。そう願っています。

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