魔法少女は鳳凰が如く02
『鳳凰院 可憐』、世界最強の魔法使いの一族の一つと数えられている、
鳳凰院家の頭首の娘。
鳳凰院家はその魔法特性上、大戦前、大戦後共にその地位維持してきた。
大戦前は武力的な力が魔法使いのステータスであったが、大戦後はポーカー
が強いということが、魔法使いに求められた。
それに伴い、攻撃的な魔法を得意とする一族はその地位を大きく下げて
いたが、鳳凰院は大戦前よりも大きく成長しているように見えた。
その、鳳凰院家の魔法特性とは『時間制御』である。
主な例は、身体に働きかけ行動を加速させ目にも止まらぬ速度を生み出す。
自分自身の体内時間をコントロールして、周りには一瞬としか感じられない
ような時間を、数時間と感じられるようにする。など多くのアドバンテージを有する。
しかし、鳳凰院を最強の地位までに押し上げているものは、
『時間停止』である。
鳳凰院の現頭首によると、それは正確では無いというがそうとしか
思えない現象を発生させる。
この時間停止は、先の身体の体内時間をコントロールするのではなく、
世界そのもの時間をコントロールすることである。
身体の加速、思考の加速の頂点に君臨する、時間停止は正に最強であり
反則的な力を有している。
とは言え、時間停止できる鳳凰院は、可憐の父である頭首、
可憐の叔父、可憐の3人である。
この魔法特性をもって生まれた、可憐は勝利を約束され、今まで一度
の敗北もなく生きてきた。
父には、適わないが可憐の中では同族では勝ち負けは無いと考えている
のでカウントされない。
今まで、魔法を使いポーカーで負けたことは無い。確定された結末は
なんの興奮や感動を生み出さない。
可憐にとって、勝負とはだだの退屈な作業でしかなかった。
その事に半ば諦め、許容し、生きるしかなかった。
勝負の楽しみなど、鳳凰院には無用。
可憐にとって大事なのは、父と鳳凰院そのもの。
鳳凰院の家訓にしたがって生きるだけだ。
それは『引きません』、『媚びへつらいません』、『後悔しません』だ。
鳳凰院は誰にも負けないのだ。
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話は、可憐と小鷹が昼時に生徒会室で会う、数日前に遡る。
可憐は、アメリカにいた。可憐には、専属の使用人として、魔法使いが何人もいる。
その中の一人、瞬間移動の魔法を使う『佐川ねここ』と一緒に
来ていた。
瞬間移動の魔法を使える人物は、世界で一万人いるとされる魔法使いの中でも少ない。
さらに、女性のみに絞るとさらに少なかったが、可憐は苦労の末に高待遇、高報酬を条件に彼女を引き抜いたのだ。
そして、同じ学園に入学させて使用人として雇っている。
なぜ、彼女かというと。超長距離の移動ができる、本人だけでは無く他人の移動も一緒に可能。
そして、何より女性であるということだ。
瞬間移動魔法は例外なく、視覚外に移動する場合には、裸である必要がある。衣類を含む、物体、無機物は一緒には移動できない。
逆に、視覚内であれば家くらいの大きさも移動できた例もある。
これらは、個人差が大きいと言われている。
可憐は、最初は特に女性限定で探したわけではなかったのだが、鳳凰院の現頭首である父が猛反対した。
鳳凰院家の家訓は『引きません、媚びません、後悔しません』だ。
家族であってもそれは、変わらない。
父に自分の事は自分で決めると、言い放ち断ったのだが、父が泣いたのだ。
頭首にして一族の最高傑作と呼ばれ、最強の魔法使いの一人である父が泣いて頼むのだ。
あまりの衝撃に、可憐の方が折れて、雇う予定の瞬間移動魔法使いは女性限定で探すことになって現在に至る。
小さい爆発音のような物を伴いながら、アメリカにあるVIP専用のホテルの一室に可憐と、ねここは出現した、全裸で。
可憐は染み一つなく、均整のとれた身体で若く魅力的な肢体をもっていた。
一方ねここの方は、全体的に筋肉質で大小様々な傷がついていた。
顔に傷がないため、服を脱がなければまったくわからないだろうが。
「到着ッス、お嬢。後は、日本に帰る時間までは自由時間ってことでいいんッスよね」
全裸の魔法少女、佐川ねここ17歳はホテルのベッドに置いてあった『佐川様』と書かれたメモの下にある衣類を取り出しながら、主人に問いかける。
「ああ、でも羽目を外しすぎないように。パーティ会場で飲み食いは自由にしていいが、佐川、お前の食べ方は少し下品だぞ。鳳凰院家の使用人だと言うことを自覚して行動しろ」
「はーい、了解したッス。それでは、失礼してお先に行って、食べているッス」
佐川はセミロングの髪を留めでポニーテールにして、自分の分の招待状をもって部屋を飛び出していった。
「まったく、仮眠はとったがチャリティパーティが終わったら直ぐに学校だぞ。日本でやるとかだと楽なんだが、時差も無いし」
可憐は、自分に用意されている服を着ながら、愚痴る。
「なんで、私が叔父の宣伝と税金対策のパーティなんかに。どうせ、
優勝は叔父と決まっているのに」
可憐が出席する、鳳凰院主催チャリティパーティのメインイベントは、ポーカー大会である。
各著名人などが参加する一大イベントである。
ポーカー大会の参加料は約5億円。優勝賞金は100億円にもなる。
とはいえ、得た賞金は全て慈善事業に寄付する事にはなるのだが。
「ちょうど、時間的には決勝テーブルが始まる頃ね」
可憐はチャリティー会場のVIP席に向かった。
受付を済ませ、係りに案内されて自分に用意されていた席に
座り、しばらくすると決勝テーブルが始まった。
『レディース、アンドゥ、ジェントルメェーン』
司会進行役がマイクで語りだす。
『さぁ、いよいよ鳳凰院家主催のポーカー大会も大詰めだッ。
それでは、決勝テーブルに残った6人を紹介しよう。
おおっと、みんな知ってるからって紹介はいらない?
いやいや、オレの仕事奪わないでよ~』
『まずは、この人。前回大会で2位、リゾートホテル王。
趣味は、飛行機、ヘリ、ドローンの操縦。
なんでもできる男。ビリー・ボードウィンだッ』
歓声が沸きあがるが、可憐は退屈そうにドリンクを口に運ぶ。
『続けていくぞ、元ハリウッドスターで、今は国会議員
離婚もしたし、色々あってけど元気で生きています。
アーモルド・スタイーンが来てくれたッッー」
『世界的有名な魔法使いマジシャン、今日も素敵な
イリュージョンを見せてくれッー。
トニオ・フェルナンデス』
『特に理由は無い、虎が何ゆえ強いと思う、元々強いからッ
タイガー・マクレーンだ』
『この人がいないと始まらない。狂気の魔法サーカス劇団カシミア・ダ・リューヌ団長。ギル・シルバーマン』
『そして、前大会いや全大会通して、1位の鳳凰院丈二の登場だ』
選手紹介が終わり、強い歓声が湧き上がる。
「さっさと終わらせてくれないかしら、パパがこういうパーティに
出たがらないのもわかるわ」
鳳凰院可憐はただのパーティと思い退屈していたが、これに出席したことで
彼女の人生を大きく変わるのだった。
誰が、副題でいい題名案ありませんか。
~魔法少女ポーカー伝~っていまいちしっくりきてないです。
ただ、付けないとどういう内容かわからないし。




